お客様にご満足いただけるカットやスタイリングを行うことはもちろん、最も大切にしているのは「お客様に気をつかわせないサロン」であること。カットやカラーなどは、とてもプライベートなことなので、施術を受ける姿を人に見られることは意外とストレスになるのではと考えています。なので当サロンは、完全予約制で一人のお客様がいらっしゃる時間はそのお客様のみの空間。個を優先し、心からリラックスしていただけるサロンづくりをしています。こうしたスタイルが受け入れられて、リピーターのお客様がほとんど。人口が少なく、どこに行っても知り合いに会いがちな地域だからこそ、当サロンならではのこだわりを大切にしていきたいですね。
高校時代は理系の国公立大学を目指していました。でもオープンキャンパスに行くと、大学で学ぶことにも分野にも興味が持てなかったんです。「それなら今一番面白いと思えることを学ぼう」と思いました。当時の私は野球部で坊主頭でしたが、バリカンで友人の頭を刈ったり、髪を切ることが大好き。髪型の創作に興味があったので、美容の道を選びました。国家試験の合格率の高さに魅かれてADBのオープンキャンパスに行くと、体験実習の面白さや活気溢れる雰囲気、イキイキとした在校生の姿に感激しました。そして何より、先生から「君たちには夢がある」と言われ、「この学校なら、きっと自分も成長できる」と確信して入学を決めました。
周囲に反対されながらも自分で決めた道なので、「絶対学校ではトップになる!」という意気込みで入学しました。とはいえ、1年次は本当に下手でしたね。それでもハサミと一緒に寝ていたほど練習を繰り返すうちに技術も上がり、2年次には理容美容学生技術大会で関東代表に選ばれ、全国大会で優秀賞をいただきました。また個の技術を競うだけでなく、「一人の脱落者も出さない」という教育方針から、人と協力することの大切さも身につけることができました。美容師は接客業でもあるので、人間力やコミュニケーション力が欠かせません。人としてとても大切なことが何かを教わり、それを自分の中に確立できた充実した2年間だったと思います。
Knoah 代表/美容総合科/2011年卒/栃木県出身。専門学校を卒業後は、東京都内の3店舗に美容師として勤務した後フリーランスとなり、年間で1500~2000人のお客様を担当。27歳のとき長野県駒ケ根市にIターンし、現在は整体師の奥様とともに、美容室・整体のサロン「Knoah(ノア)」を経営している。サロンでは、お客様が作ったハンドメイドグッズも販売。プライバシーを重視しインテリア、レイアウトにもこだわりぬいたサロンは、お客様からの信頼も厚い。「進路に迷ったら、まず自分が楽しめることを探してみてください。覚悟と勇気は必要ですが、人任せにせず自分で決めて人生を切り開くことって楽しいですよ」(北林さん)。