日本人が受賞した、風変わりなイグノーベル賞とは?

ノーベル賞ならぬ、「イグノーベル賞」という風変わりな賞を知っているだろうか。

 

ノーベル賞のパロディーとして、1991年に米の科学ユーモア雑誌が創設。人を笑わせ、考えさせるユニークな研究などを通じ、科学や技術への関心を高める貢献をした人に贈られている。

 

授賞式にも遊び心があり、ノーベル賞では式の初めにスウェーデン王室に敬意を払うのに対して、イグノーベル賞ではスウェーデン風ミートボールに敬意を払ったり、受賞者のスピーチでは聴衆から笑いをとることが要求されるという。

 

2012年は京都大学山中伸弥教授の“本家”ノーベル賞受賞で日本中がわいたが、実はこのイグノーベル賞でも、日本人の研究者が栄冠を手にしているのだ。

 

10部門あるうちの「音響賞」を受賞したのは、独立行政法人山号技術総合研究所の2人による「スピーチ・ジャマー」。聴覚遅延フィードバックを利用した発話阻害の応用システムで、いわば「迷惑なおしゃべりを邪魔する装置」である。

 

黙らせたい相手に対し、その人の声をわずかな時間をおいて送り返すことで、うまく話すことができなくなるという。長くて退屈な校長先生の講話や、保護者のくどいお説教などに、ぜひ使いたい!という高校生もいるかもしれない。

 

そんなスピーチ・ジャマーだが、「どんな装置か見てみたい!」「どうやって開発したの?」など、興味がわいた人に朗報だ。3月16日(土)・17日(日)に京都で開催される「科学・技術フェスタ」(主催:内閣府ほか22機関)では、スピーチ・ジャマーの効果の体験や、開発者によるトークショーを聴くことができる。

 

このイベントは、高校生や中学生などに科学・技術への関心を深めてもらうために開催される。宇宙物理学の第一人者や、ノーベル賞受賞の山中教授の右腕として活躍する京都大学講師の講演、高校生の先進的な研究の成果発表など、最先端の科学に触れられるプログラムが満載だ。参加は無料で、サイトから事前登録できる。ぜひ参加して、科学技術のおもしろさを感じてはいかがだろうか。