大工の仕事の魅力は、なんといっても、自分が手掛けたものが形として残ること。ですが、大工の世界は、一人立ちできるまでに5年、10年といわれる厳しい世界でもあります。見習いの今は、いろんな大工さんと一緒に仕事ができるので、ひとつでも多くの技術を学ばせてもらおうと、丁寧に仕事と向き合うよう心掛けています。また、会社が毎年9月~翌4月に開催している一般の人向けの木工教室「自作堂」では、アシスタントを担当しています。この木工教室は、電動ドリルなどの電気工具を一切使わず、ノミや手ノコなどを使った昔ながらの大工の工法で作業します。手伝いながら、伝統工法を改めて学べる機会があることも、有難く感じています。
高校3年になり進路を考え始めた頃、OCTを知って、オープンキャンパスに行きました。いろんな専門学校や大学のオープンキャンパスに行きましたが、OCTは、とくに学生スタッフの仲が良くて好印象でした。体験コーナーで実際に木に触れて、自分は木が好きだということを感じたのが、入学のきっかけです。入学して実際に大工技能を学ぶうちに、大工という仕事に興味が湧き、就職へとつながりました。高校は普通科、小さい頃からの憧れとか、モノづくりが好きとか、特別な思い入れはありませんが、とにかく木が好き。今働いている職場も、木にこだわりのある工務店で、OCTの先生から紹介を受けて入社しました。
OCTでの2年間は、大工技能学科で大工の仕事の基礎を学びました。卒業制作では、カップケーキと呼ばれる八角形のベンチを作成。メンバー3人のグループワークで取り組みました。休日や放課後には、建築技術研究会(通称山部)と、野球部の活動に参加しており、忙しくも楽しい毎日。とくに、山部の活動は、授業では学べない大工の技術が実践で身に付き、3号館の屋上菜園では農作業まで学ぶことができ、とても勉強になりました。卒業した今も、休日を利用して三重県の山奥にある活動拠点に足を運ぶことがあります。先輩後輩の関係も良好で、ここで大切な仲間たちに出会えたと思っています。これからも長くかかわっていきたいですね。
(株)山本博工務店/大工技能学科/2018年卒/漠然とした思いのまま大学に進学して、その先の進路に迷うくらいなら、専門学校で大工の技術をしっかり学びたいと思い、OCTへの入学を決めました。進路に悩んでいるみなさんも、本当にやりたい仕事が決まっていたら、その方向の専門学校へ行くのがいいかなと思います。ですが、専門学校は時間的にとてもタイトで厳しい学校です。曖昧な気持ちで専門学校に進んで、途中でやめてしまう人も少なからずいるので、そこはよく考えて進路を決めるのがいいと思います。