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大工は基本的に力仕事で、建築の現場では毎日が重労働と言っても過言ではありません。ときには高所作業を行うこともあり、危険が伴う仕事でもあります。ですが、何もない土地に土台を造り、その上に少しずつ建築物を造っていく作業は、努力した結果が目に見えることもあり、やりがいに満ちています。また、家づくりを依頼した世帯主から「いい家をありがとう」と声をかけられたときは、この仕事を選んでよかったと多くの人が感じるそうです。
仕事の結果が形に残る
家屋をはじめとする、ものづくりが大工の本業です。造っているときは肉体労働が中心で苦労することも多い職業ですが、図面どおりに仕上がったときには大きな達成感を味わうことができます。仕事の成果が形として残るため、依頼主をはじめとして、たくさんの人に見てもらえるところも大工にとっての喜びにつながります。完成した建築物を自分の子どもに見せる人もいるそうです。
世帯主から感謝される
家は人生のなかで一度あるかないかの大きな買い物です。予算を有効に使って、良い家を建てたいというのが依頼する人に共通の願いです。このため十分に満足できる家が完成すると、その家を手がけた大工は世帯主からとても感謝されます。この瞬間に、大工という仕事のやりがいが胸に刻まれるのです。
高度な技能をもつ「マイスター」として認定される
使用する材木を作業場で調整したあとで建築現場に持ち込むなど、近年は家づくりの効率化が進んでいます。このため伝統的な技術を生かす機会は減っていますが、熟練の大工が手がけた住まいは細部まで配慮が行き届いており、住み心地が格段に良いと高く評価されています。こうした熟練者をマイスターとして認定するのが、厚生労働省から委託を受けた中央技能振興センターが運営する「ものづくりマイスター」制度です。マイスターに認定された大工は、技能の継承や後継者育成を目的として、工務店や教育訓練機関に所属する若者に実技指導を行います。さらに小中学校などでの講義や「ものづくり体験教室」などに参加して、ものづくりの魅力を発信しています。マイスター制度は資格ではありませんが、長年にわたって磨いた技術が公的に評価されるのは大工にとって大きなやりがいになっています。
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