横葉浜中華街にある老舗洋菓子店で、パティシエとして働いています。製造担当なのでお客さまと直接ふれあう機会は少ないのですが、「おいしかったよ」という声が店舗スタッフから伝わってくると嬉しいです。自分が作ったお菓子が誰かを幸せにしていると思うと、日々の仕事の励みになります。女性でパティシエという仕事は体力的に辛いこともありましたが、とにもかくにもお菓子が大好きなので乗り越えられました。お菓子はできるだけ均一の品質で作ることが職人として大前提なのですが、その日の気温や湿度によっても仕上がりは変わるもの。お店で大人気のマカロンがいい表情で上手に焼けると、その日一日がとても幸せな気分になります。
子どもの頃からお菓子が大好きで、幼稚園時代にはもう「ケーキ屋さんになりたい!」と思っていました。小学生になってバレンタインデーに友チョコなどを作っていたときに、友だちから初めて教わったのがパティシエという仕事。それ以来、ずっとパティシエになりたいと思っていたのですが、高校生の進路選択の頃に実際に国際フードのオープンキャンパスに参加すると驚くほどに緊張してしまいました。そんな私を先生方が冗談を言って気持ちをほぐしてくれて、ホッと安心できたことを今でも覚えています。この学校なら自然体の自分のままで、パティシエになる夢を叶えられると思い進学を決めました。
洋菓子の道一本で進学しましたが、洋菓子・和菓子・製パンまでを全般的に学べた一年次の授業が実は現場で役立っています。パティシエとひと言でいってもお菓子作りの現場では、あらゆる知識や応用力が求められるからです。第一線で活躍する有名ホテルの現役パティシエから学べたことも良い刺激になりましたし、カフェシュミレーション実習での接客も、ふだんの製造の仕事の先にあるお客さまの笑顔を想像できるので日々のモチベーションにつながっています。何よりも国際フードの先生が勧めてくれたのが、現在のお菓子製造の職場。私自身の適性をよく見つめてくれた上でのオンリーワンの就職サポートだったと思います。
有限会社パルファン 勤務/製菓製パン科2年制/2013年卒/幼少期からお菓子を食べることが大好きで、「ケーキ屋さんになりたい!」とずっと思い続けていた坂井さん。一見華やかに見えるパティシエの世界は実際に女性が入ってみると重たい粉ものなどの持ち運びも多く、特にクリスマスシーズンなどは大忙し。それでもこれまでがんばってこられたのは、お菓子が好きという情熱と後進のパティシエを育てたいという職人としても尊敬するオーナーパティシエの温かな想い。お菓子の向こうに浮かぶお客さまの笑顔を励みに、今日もパティシエとしての階段を一歩一歩、上り続けている。