医療センター内では「内科」と「外科」の2班に分かれており、私は「外科班」に所属しています。手術の準備から補助、入院動物の管理や処置、ケア、入院室の環境整備などがメインの仕事内容になります。また、病院で飼育している動物のお世話や健康管理、診察の補助も行っています。大好きな動物(犬・猫)と一緒にいられる喜びと、動物からの癒しをもらいながら仕事ができるのは、とても魅力です。元気になって退院する姿を見たとき、飼い主様の笑顔を見られたときにやりがいを感じます。一方で、動物の命に係わる看護師として動物の症状の細かい変化に、いかに早く気づけるかが大事な役割と自覚し、責任をもって動物たちと接し、看ています。
幼少期から生き物が好きで、小学校では飼育係をするなど、漠然とではありますが動物関連の仕事に就くのが夢でした。高校2、3年生あたりから、医療に興味があったこともあり、獣医学を学べる学校への進路を考えるようになりました。獣医師と愛玩動物看護師を比較したとき、自分の中では「病気を診る=獣医師>看護師」、「動物自体を看る=獣医師<看護師」のように感じたため、動物自身をより深く観察し、看る仕事のほうが自分には向いていると思い、愛玩動物看護師を目指そうと決めました。大学に入学してから、研究方面に進むのか、臨床方面に進むのか、選択肢は広がりましたが、医療業界で活躍したいという気持ちは変わりませんでした。
大学の施設内に付属動物医療センターがあり、実習が実際の臨床現場で行われることが魅力と感じて入学しましたが、やはり実習や研究室での動物の看護、お世話など実践的なことは今の仕事にとてもつながっています。学内の実習でコツをつかんで、現場に出るのですが、少しでも多く実際の生き物で実践的に学びたかったので、3年次からの選択授業はすべて「臨床」を選び、実習以外でも診察の手伝いに有志で参加していました。研究室で飼育している健常と病気の動物のお世話や看護も実践しながら、学べる環境でした。研究室の仲間には「一つの命や、病気に対して治療と看護をチームで行う」というチーム医療を学ばせてもらったように感じます。
日本獣医生命科学大学付属動物医療センター勤務/獣医学部 獣医保健看護学科 卒/2010年卒/愛玩動物看護師として大切なのは「動物が好きであること」だが、自身の「健康管理」も重要だという柚原さん。手術環境における身体の対応や体力面などを大学在学中に臨床で体験し、自信と覚悟ができたそう。また、医療現場は予測がつかない忙しさやスケジュールが発生するため、体調のコントロールができるよう、柚原さんは休めるときはちゃんと体を休ませたり、手術の前日にはしっかり睡眠をとったりするなど、身体のケアを意識している。