セラピストとは?仕事内容とやりがい、必要な資格、目指し方まで解説!

セラピストとは、専門的な知識や技術、コミュニケーションを用いて、身体や心に不調を抱える人を癒やし、ケアする仕事だ。

人の役に立てる仕事であり、ストレスの多い現代社会において、需要はさらに高まっている

この記事では、セラピストに興味のある人に向けて、どんな仕事があるのか、資格、目指し方、向いている人まで、詳しく紹介する。

セラピストとは?

セラピストとは、身体や心の不調を癒やしケアをする人のこと。

その種類は多岐にわたるが、主に「リラクゼーション・美容系」のセラピストを指す。

セラピストの仕事は?

セラピストの仕事は、心身にリラックスをもたらす「癒やし」と、不調を整える「健康増進」に特化したケアを行うことだ。

国家資格が必要な治療=医療行為は行わないことが特徴だ。

セラピストの種類は?

リラクゼーション系美容系のセラピストに分けられる。

ただし、その種類を表す呼称や施術内容などは働く場所によって異なる

リラクゼーション系と美容系を兼ねた施術を行うセラピストも少なくない。

セラピストになるには?

サロンなどに就職し、研修や実践を積み重ねることでスキルやコミュニケーション力を身につけ、活躍の場を広げるのが一般的。

専門のスクールに通った後に働き始める人もいる。

セラピストに資格は必要?

複数の民間資格があるが、資格がなくても仕事に就くことは可能

未経験であっても、就職した店舗の研修を通じて技術を習得できる。

とはいえ、資格取得は専門的な技術や知識を身につけていることの証明になる。

信用、自信やスキルアップのために、資格取得を目指す人は多い

リラクゼーション系のセラピスト

心地良い空間、親身なケアと会話で、心身共にリラックス
リラクゼーション系のセラピストとは、触覚、資格、嗅覚など五感にアプローチすることで心身をリラックスさせ、疲労やストレスを緩和させることを目的としたセラピストを指す。

リラクゼーションセラピスト

リラクゼーションセラピストとは、頭から足裏まで、お客さまの身体に直接施す手技ときめ細かなコミュニケーションで、心身を癒やし、健康を増進させる仕事だ。

主に手指を用いてお客さまの足の裏や手、耳を刺激する施術を行い、健康を維持し、疲労回復を助ける「リフレクソロジスト」の仕事も含まれる。

主な就職先は、エステサロンやリラクゼーションサロン、温浴施設、福祉施設、ホテル、スポーツクラブなど多岐にわたる。

<民間資格>

リラクゼーションセラピスト認定資格試験、ITSA認定英国式リフレクソロジスト認定証、JADP認定リフレクソロジスト資格

アロマセラピスト

アロマセラピストは、相談者の悩みに合わせて、天然の植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)を選び、心身のリラックスや不調改善を促す仕事だ。

嗅覚に訴えるスチームや身体に塗布するトリートメントオイルなどさまざまな方法でリラックスを促し、心身を癒やしていく。

主な就職先は、アロマサロンや専門店、スパ、リゾートホテルなど。
 
<民間資格>

アロマテラピー検定、アロマセラピスト認定試験、アロマハンドセラピスト
 
◆ アロマセラピストについて詳しく知る

カラーセラピスト

カラーセラピストは、色の力を利用して相談者の心理状態や悩みを読み取り、心を癒やしたり、心身のバランスを改善する色の組み合せを提案したり、アドバイスする仕事だ。

サロン、スクール、教育機関、福祉施設などで活躍できる。
 
<民間資格>

カラーセラピー、色彩インストラクター、カラーアドバイザー

ミュージックセラピスト

ミュージックセラピストは、相談者に合った音楽プログラムを作成し、聞く、歌う、演奏するなどの音楽療法を行い、音楽の力で、不安やストレスの解消、認知・運動機能の維持や改善をサポートする仕事だ。

主な就職先は、病院、リハビリテーションセンター、福祉施設、特別支援学校などさまざま。

<民間資格>

音楽療法士

美容系のセラピスト

フェイス、ボディなど美しさに磨きをかけ、心を癒やす

美容系のセラピストは、お客さまの身体に触れて施術を行いコミュニケーションを取ることで、内面からの癒やしとリラックスを促し、美容や美肌だけでなく、心身の不調を改善する職業だ。

エステティシャン

エステティシャンは、手技または化粧品や美容機器などを用いて、肌を美しくしたり、体型を整えるためのアドバイスや施術を行う仕事だ。

施術対象は、髪の毛を除く頭からつま先まで全身に及び、美肌のほか、美容脱毛や痩身、小顔など、お客さまの悩みに合わせたきめ細かなケアを行う。

主な就職先は、エステティックサロン、リラクゼーションサロン、ホテル、ブライダルサロン、美容室・理容室など多彩。

<民間資格>

認定エステティシャン、CIDESCOディプロマ、AEA認定エステティシャン
 
◆エスティシャンについて詳しく知る

ビューティセラピスト

ビューティセラピストとは、お客さまに合ったケアで癒やしを提供し、心身の不安や不調を取り除き、身体の内側からも美しさを引き出す仕事だ。

資格がなくても名乗れるが、エステティシャンとして実務経験を積んだ後、総合的なエステティックの知識や技術、サービスマナーを有することを、民間資格取得によって証明できる。

主な就職先は、リラクゼーションサロンやエステサロン、スパ、リゾートホテルなど。

<民間資格>

認定ビューティセラピスト、インターナショナルビューティセラピスト

セラピストの年収は?

リラクゼーション系、美容系のセラピストの年収の分布は200万円代~800万円以上と幅広い。

職種によって年収に差はあるの?

厚生労働省の職業情報提供サイト(2024年)では、リフレクソロジスト、アロマセラピスト394万3000円、エステティシャン320万6000円という統計が出ている。

ただし、店によっては職種を超えたオリジナルの施術を行っていたり、複数の職種の施術技術を習得しているセラピストも少なくない。

年収の差は、職場の給与体系や雇用形態、経験や技術によるものが大きい。

年収が高くなるケースは?

技術は常に進化し続けているので、講座などに積極的に参加して最新の技術を学んだり、資格を取得すると年収アップにつながりやすい。

また、固定給ではなく、成功報酬型の歩合給で働く場合、施術した人数や指名人数が多いほど、給与が増える。

店舗で経験を積んだ後、あるいは民間資格を取得後に独立して、業務委託になったり、サロンを開業することも可能だ。

開業してうまくいくとは限らないが、スキルに加え、顧客を獲得する営業能力やコミュニケーション能力が高ければ、年収が上がる可能性がある。

セラピストに向いている人は?

お客さまによろこんでもらえることが仕事の大きなやりがいに
セラピストはお客様と心を通わす接客業なので、人と接するのが好きな人、人の役に立ちた人に向いている。

さらに、学ぶのが好きで向上心がある人、精神的に安定している人、長くイキイキと働きたい人におすすめだ。

人と接することが好きな人

セラピストは、施術のなかで親身にお客さまの話を聞き、気持ちに寄り添いながら心身を癒やす一種の接客業。

人に興味があり、話を聞くのが好きな人、コミュニケーションが楽しいと思える人が向いている。

人の役に立ちたいという思いが強い人

人のために何かをしてあげたり、尽くすのが好きな人はセラピスト向き。

人をよろこばせたり、笑顔にすることにやりがいを感じられるなら、セラピストの仕事の満足度は高い。

学ぶのが好きで向上心がある人

セラピストの施術に必要な技術や情報は日々進化している。

常にアンテナを広げ、学び続ける向上心が欠かせない

現状に満足せず、情報収集やスキルアップを楽しんで継続できる人に向いている。

精神的に安定していて切り替えがうまい人

お客さまの話に影響を受けやすかったり共感しすぎると、施術に集中できない。

セラピスト本人が精神的に安定していることが重要。

どんな話を聞いても動揺せず笑顔でいられる人や、気持ちをすぐ切り替えられる人は、セラピスト向き。

長くイキイキと働き続けたい人

手に職をつけられ、頑張り次第で学歴や年齢など関係なく活躍できるセラピスト。

出産・子育てを経て復職する人も多く、80代で働き続けている人もいて「生涯現役」が可能だ。

「長くイキイキと働き続けたい」という人に向いている。

セラピストを目指す高校生へ

セラピストは、相手に寄り添ったきめ細かな施術やヒアリングで、お客さまの心身を癒やし、健康増進をサポートする仕事。

仕事を通して、自分の人間力やコミュニケーション力などを高められるのも魅力だ。

興味が湧いてきた人は、さらに詳しく調べてみよう。

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ほかにもある! 人の心身にかかわる仕事

リハビリをサポートする仕事も
セラピストのほかにも、人の心身にかかわる仕事はたくさん存在する。

ここでは医学療法、メンタルケアにかかわる仕事の一部を紹介する。

医学療法に関わる仕事

医学療法の専門技術者であり、国家資格取得が必須とされる仕事も多い。

柔道整復師

接骨院、医療施設などに勤務し、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などを改善するための施術を行う。

最近ではスポーツトレーナーやパーソナルトレーナーとして活躍している柔道整復師も増えている。

高校卒業後、柔道整復師の養成課程のある専門学校、大学で受験資格を取得し、国家試験に合格する必要がある。

<国家資格>

柔道整復師

◆柔道整復師について詳しく知る

 あん摩マッサージ指圧師

もむ、なでる、さする、叩くといった手技をメインに筋肉をほぐし、血流やリンパの流れを改善する専門職。

高校卒業後、あん摩マッサージ指圧師の養成課程のある専門学校、大学で受験資格を取得し、国家試験に合格する必要がある。
 
<国家資格>

あん摩マッサージ指圧師
 
◆あん摩マッサージ指圧師について詳しく知る

 鍼灸師

鍼(はり)や灸(きゅう)を使って全身のツボや筋肉に刺激を与え、自然治癒力の向上、病気の改善や予防、健康回復を目的に施術を行う医療技術職だ。

高校卒業後、鍼灸師の養成課程のある専門学校、大学で受験資格を取得し、国家試験に合格する必要がある。

はり師ときゅう師は別々の資格だが、両方を同時に受験・取得する人が多い。
 
<国家資格>

はり師・きゅう師
 
◆はり師・きゅう師について詳しく知る

カイロプラクター

背骨を中心とした身体の関節を手技療法で調整することで、痛みの軽減、関節の可動域を広げる、自然治癒力を目指すカイロプラクティックを行う専門家。

公的資格はないが、マッサージや整体分野の国家資格や民間資格を取得しながら働く人も多い。
 
◆カイロプラクターについて詳しく知る

メンタルケアに関わる仕事

心の病に悩む人への精神的なケアを行う仕事。

資格がなくてもできる仕事と、民間資格、国家資格が必要な仕事を計3種類紹介する。

心理カウンセラー

心理カウンセラーとは、一般企業や学校、医療機関などさまざまな場所で、心の悩みやストレスを抱えた人の相談に乗り、解決に向けてサポートをする仕事。

必須の資格はない。
 
◆心理カウンセラーについて詳しく知る

臨床心理士

臨床心理士とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の心の問題にアプローチする”心“の専門家

臨床心理士指定大学院を修了し受験資格を取得し、臨床心理士の民間資格に合格する必要がある。
 
<民間資格>

臨床心理士
 
◆臨床心理士について詳しく知る

公認心理師

「公認心理師」とは、保健医療や福祉、教育などの幅広い分野で、心理学に関するさまざまな専門的知識と技術を用いて、指導や助言、サポートを行う専門家。

公認心理師カリキュラムを持つ4年制大学の学部を卒業後、特定の期間で2年以上の実務経験を積むか、公認心理師カリキュラムをもつ大学院に入学・修了し国家試験に合格する必要がある。
 
<国家資格>

公認心理師
 
◆公認心理師について詳しく知る

関連する学問をcheck!

興味・関連のある学問分野なら学ぶのも楽しい
人の心身をケアする仕事に興味のある人におすすめの学問を紹介。

大学・学部で学べることも多いので、関連する学問を調べてみよう。

人間科学

「人間とは何か」という問いを、人文科学、社会科学、自然科学のあらゆる領域からアプローチする学問。

心理学、社会学、教育学を3本柱に多角的に分析することで、人間をより深く理解できる。

 ◆人間科学について詳しく知る
人間科学を学べる学校を探す

保健・衛生学

実習や研修を積み重ね、病気の予防、健康の維持・増進について幅広く学ぶ学問。

医学・生物学的な研究に、社会学、心理学、福祉学などの視点を加え、体系的に研究することができる。

 ◆保健・衛生学について詳しく知る
保健・衛生学を学べる学校を探す

心理学

人間の心の動き、行動や言動、思考がどのような原理で動いているかを科学的に研究する学問。

意識や行動のメカニズムを探る文学部系とカウンセリングや臨床心理など実践的分野を扱う教育学部系がある。
 
◆心理学について詳しく知る
心理学を学べる学校を探す

生活科学

人間の生活をより快適で豊かなものにするため、生活に関するあらゆることを科学的に研究する学問。

衣食住、環境、福祉、コミュニケーションや情報など、研究対象は多岐にわたる。

◆生活科学について詳しく知る
生活科学を学べる学校を探す
 

ここまで人の心身に関わる仕事や学問について紹介してきた。

興味関心が高まったら、この機会にもっと詳しく調べてみよう。
 
きっと、進路選択のヒントがみつかるはずだ。

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取材・文/スタディアプリ編集部 取材協力・監修/一般社団法人日本リラクゼーション業協会・渡邉欽也(メディロムグループ 関東セラピスト教育チーム マネージャー) 構成/寺崎彩乃(本誌)
 

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