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やわらかな遺伝子
マット・リドレー/著 中村桂子/訳 斉藤隆央/訳

遺伝子はいつでも人間の味方

才能、悪事、病気。どれも生まれつき? それとも育った環境ゆえ? 英国の科学ライターが生命科学、文化、人類史、教育学、あらゆる方面の知見を俯瞰し、ついに「生まれは育ちを通して発現する」と決着した。でも、忘れないでほしいのは、遺伝子はいつでもあなたが生きやすい方向にオン/オフされるということだ。

「遺伝子の川をわたる」の他の本

DNAは時間の中を流れつづける
遺伝子の川
女王蜂に変身するスイッチ!
生まれつきの女王蜂はいない DNAだけでは決まらない遺伝子の使い道

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20万年間、何を望んで歩んできたのか

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23動物はこんなふうに生きている

子どものころの<なぜ>こそ、貯金しよう

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24植物はあなどれない

大好きな植物と心中する男

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25地球は虫の王国

ファーブルを知らないなんて損してる!

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26小さな巨人・微生物

生物の先生も知らない、小さな巨人の世界

ほんの一滴の池の水にいくつものプランクトン。菌類は無数。微生物が「命あるもの」の大半を占めることが、顕微鏡の進化で見えてきた。教科書が多細胞生物ばかりなのはマズイ。「ハリーポッターしか読まずに英文学を語るのと同じだ」と菌類の大家は断言する。想像力の翼を広げる美しい図版多数。

28ゲノムは編集される

生物学の最先端はゲノム編集

ブタの膵臓を無害化して人に移植し、糖尿病を治す。ゲノム編集の新技術クリスパーの賜物だ。背景には巨大IT企業のクラウドサービス戦略があった。腐りにくいトマト、肉量を増やした牛、アレルギーを起こさない卵も市場に出回る寸前だ。熾烈な特許争いの舞台裏まで、最旬のレポート。生物学の最先端はゲノム編集だ!

29「いのち」をつくってもいいですか?

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