精神科の病棟看護師として4年間働いたのち、現在は母校の千葉科学大学で助手として働かせていただいています。看護師として様々な方の人生観に触れ、気持ちに寄り添った対応を心掛けるなかで、自分の中にも様々な気持ちが湧き出てきました。大変な状況に置かれている方に対して必要な看護を考えていくためには、気持ちでの対話を心掛けても充分でないことも多く、どうすればよりよい看護ができるか日々考え続ける必要がありますが、その分得るものは大きいと感じます。
看護師を目指したきっかけは、先生の勧めで、社会参加し自立していくために必要だと考えて進路を決めました。就職の際に精神看護を選択した理由は、大学での実習を経て興味がわいたのと、人の気持ちや思いとじっくり向き合ってみたいと考えたためです。実際に看護師として働くことで、本当の意味で「人を助けようとする」ことが、こんなにも自分を豊かにさせることへの驚きがありました。他者の気持ちや自分の気持ちに興味がある、考えたい方にとって、とても実りある仕事です。自分に適正があるかや将来像が描けるか、具体的なイメージを持って進路を選択してみてください。
現場での実習を通して、一人の方に対してあれだけ深く複数の視点から考えた経験がそれまでなかったので、患者さんの人生観や生活、気持ちを深く考えてみることの難しさを感じました。そんな経験が積み重なって自分の人生観や看護観につながっていると思います。看護や勉強のことだけでなく自分の悩みについても学生同士で相談しあう場面が多かったので、仲間との結束力が自ずと強くなりました。学生時代の友人とは今でも交流が深く自分の財産ですし、看護師としてチームで仕事をするうえで必要なことを学ぶことができたと思います。
千葉科学大学 勤務/看護学部 看護学科/2018年卒/千葉科学大学看護学部看護学科を一期生として卒業。現場経験ののち、現在は千葉科学大学看護学部に精神看護学領域の助手として勤務し、看護師を目指す後輩たちを指導している。キャリア選択に迷ったときには「教員や大人、友人に相談し、他者目線での助言を複数受けると、自分にとってより良い環境選択ができる可能性があります」とアドバイスをくれた。