私が所属している会社では、主にZ世代をターゲットに、アーティストや地方自治体とコラボして、利用することで「推し活」になるクレジットカードのサービスを展開しています。私は社内デザイナーとして、カード券面のデザインや、商業施設やライブ会場に出展するブースで配るチラシなど販促物のデザイン、ユーザー向けランディングページのリデザインなどを担当しています。スタートアップの企業なので、デザイナーとして裁量をもって他の職種の担当者と協働できることは魅力ですし、作ったデザインに自分でもときめいて、同僚やユーザーからも反応や感想をもらえた時には、自分も周りも楽しくなるものが作れたと感じられて嬉しいです。
小さい頃は、自宅や教室でずっと絵を描いているような子どもでした。進路選択の際には、自分の好きなことが活かせる仕事として「学芸員」に興味がわき、資格が取れる大学を調べました。いくつか大学を見学した中で、「ここなら自分を飾らずに自然体でいられる」と感じて和光大学に進学し、入学後はデザインの勉強もはじめました。この中で、自分がゼロからものを創りあげることが好きだと発見し、最もパフォーマンスを発揮できることはものづくりだと考え、卒業後はWeb制作会社のデザイナーになりました。現職には、推し活層やZ世代というユーザー層にまさに自分がぴったりだったので転職しました。
和光大学には、他学部学科の授業も興味に合わせて選択できる「講義バイキング」のしくみがあります。私は、学芸員とデザイン関係の授業をメインに履修し、加えて元々興味があった絵画やイラストの授業も受けていました。デザインだけを学んでいると、「ネタが尽きる」と思ったので、他学科の経済学や身体に関する授業、変わったところでは火おこしをする授業も選択しました。デザイン関係の授業で、デザインの基礎やソフトウェアの扱い方を学んだだけでなく、他学科の先生から「うちのゼミの冊子をデザインして欲しい」という依頼を受けたこともあり、在学中からクライアントの為のデザインを経験したことで、将来の姿をイメージできました。
ナッジ株式会社 勤務/表現学部 芸術学科/2019年卒/大学卒業後、Web制作会社、フリーランスの後、現職。和光大学の印象について「キャンパス内で勝手にパフォーマンスをしていたり、物を売っていたりと、やりたいことをやっている『変』な人が学内に沢山いたので、私にも環境として合っていました」と語ってくれた。これからデザイナーを目指す人へのアドバイスは「色々な作品を見たり、興味のあることをやったりして、刺激を受けることが何より大切だと思います」とのこと。