
家政婦としての驚くべき仕事ぶりにメディアも注目
経験が活かせ、勉強できる時間をもてる仕事はないかと考えた上で、家政婦になることを決意。仕事や育児などで忙しい家庭に訪れ、冷蔵庫にある食材で1週間分のつくりおきをします。片づけまで含めて3時間。フランス家庭料理に加え、和洋中やエスニック、デザートまでなんでも手がけ、要望があれば15品以上用意します。最初は家政婦という肩書に抵抗があったんですが、『おいしかった』『子どもとゆっくりできた』などと、言葉にして喜んでもらえる姿に、『こういうことがやりたかったんだ』と気づけたんです。食を人に頼むということは信頼関係が大切。お母さんのように家族を思って料理がつくれるのは、とても幸せなことだと感じています。
料理に接するようになったのはごく小さい頃。共働きでしたが、暇さえあれば料理本を見て手づくりする母の楽しそうな姿を見ていると、自然とつくることも食べることも大好きになっていました。よく面倒を見てくれた祖母からは、お茶やお花、絵を教えてもらい、日本の文化も好きになりました。そんな環境の中、母と祖母の影響を受けて、料理を仕事にしたいと考えるようになり、実家の山口から大阪の辻調理師専門学校を目指そうと心に決めました。高校は進学校でしたが、大学で4年間、明確な目的もないままに勉強するよりも、自分が好きなことを追究したくて。迷いはありませんでした。

取材当日につくっていただいた「農家の野菜スープ」
日本料理が学びたくて入学したのですが、初めて食べたフランス料理に心を奪われました。なかでも印象的だったのは、野菜のスープ。高級なイメージを覆すほどの“ほっ”とする味で、こんな素朴な一面もあるんだと、フランス料理との距離がぐっと縮まりました。日本料理と同じく、周辺の歴史や文化も面白くて。高校までの勉強は嫌いだったのに、知りたい気持ちがかきたてられてフランスに関する本を読み漁り、バイトをしながらフランス語も習いに行きました。当時はすべてが楽しくて新鮮。取りつかれたように、はまっていき、卒業後は辻調グループフランス校へ進学しました。

フランス校時代

フリーランス/調理師本科(1年制)/1999年卒/辻調理師専門学校からフランス校へ。1999年に卒業後、東京・四ツ谷の老舗フランス料理店やビストロなどで修業を積む。結婚を機に2015年、家政婦として仕事を開始。“予約がとれない伝説の家政婦”としてメディアから注目され、出版したレシピ本は続々ベストセラーに。出演したテレビ番組では、軒並み高視聴率を記録。現在も家政婦を続けつつ、「つくりおきマイスター養成講座」のレシピ監修・講師や、食品メーカーのレシピ開発など多方面で活動中。
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