法務技官として、少年鑑別所で非行少年の心身鑑別を担当しています。面接を重ねて家庭環境・交友関係等について聞いていくと、少年のものの考え方が分かってきます。その考え方が非行にどのように影響しているのかを検討する作業は、難しくもありますがやりがいを感じます。忘れられないのは、職場の先輩と一緒に少年の面接に臨んだ時のこと。私には淡々と話していた少年が、「寂しかったんだね」という先輩の一言を聞いた途端に明るい表情に一変しました。話を聞くだけで精一杯の私とは違い、先輩は非行に走った少年の心情に寄り添っていたのです。今は私一人で面接をしていますが、言葉には出ない背景まで意識することを心がけています。
在学中は、「ロールシャッハ・テスト」や「WAIS(知能検査)」「TEG(性格検査)」などの心理検査を体験しました。北星で実際に体験できていたので、現在の職場で実際に心理検査を取ることになった際も比較的スムーズに実践することができました。犯罪心理学の講義は、教授が元法務技官ということもあり特に印象に残っています。また、単位取得や就職活動において、目先の楽しさを優先して楽な方に逃げると、失敗して後悔するのは自分自身だと実感し、将来を考えて努力を重ねることの大切さを学ぶことができました。
北星学園大学は、公務員試験対策が充実していると思います。大学で公務員予備校講師による講義を受けられますし、就職支援課ではエントリーシートや面接を何度も見ていただけるので、就職活動の際にとても心強いと思います。私はインターンシップ参加後である大学3年の9月頃から公務員を志望したので、他の公務員を志望する学生よりもスタートが遅かったと思います。また、法務技官という職業はネットや書籍でも情報が少なく、先が見えない不安を感じていました。そのような中で、就職支援課に公務員試験や法務技官について相談し、勉強方法等を教えていただきました。
札幌少年鑑別所 勤務/社会福祉学部 福祉心理学科 卒(福祉心理学科は2023年4月より心理学科に名称変更)/2020年卒/心理学を活かせる職場・仕事を探していたところ、大学に来ていたインターンシップの案内を目にし、参加したことがきっかけで法務技官を目指すようになったという中田さん。仕事をする上で、常に自分を客観的に見て、中立な立場にいるよう心がけているという。法務技官は、鑑別所に限らず少年院や刑務所で勤務することもあるため、いろいろな施設で経験を積みたいと考えているとのこと。