山口市と県との協定により2021年に設立されたばかりの「山口県乳幼児の育ちと学び支援センター」で働いています。乳幼児期の教育・保育の専門家「幼児教育アドバイザー」と一緒に県内の幼稚園や保育園を訪問したり、研修の運営をしたり、現場で働く保育者の先生たちを支援するのが私の仕事です。もともと私自身が保育士として実践していたことを、国の動きや方針、日本の教育現場における潮流などから理論的に学び直すことができ、とても新鮮な気持ちで日々過ごしています。次に保育・教育の現場に戻って保育士や幼稚園教諭として働く際に「こんなことをやってみたい!」といったアイデアを、自分の頭の引き出しにたくさん貯めているところです。
昔から小さい子のお世話をするのが好きで、中学生の時には保育士になろうと決めて高校から保育を学べる学校に進みました。実は、私は保育園が好きではない子どもだったんです。だからこそ保育園に行きたくない子の気持ちにも寄り添いながら、楽しい園生活を過ごしてもらうための手助けがしたいと思うようになりました。短大卒業後は、私立保育園で2年間働いたのちに新たな挑戦として、山口市の採用試験を受けて無事合格。2つの公立保育園で3年ずつ勤務し、山口県乳幼児の育ちと学び支援センターへ出向のお声がけをいただいて現在に至ります。目の前でどんどん変化していく子どもたちの成長を見届けられるのが、保育の仕事の醍醐味ですね。
付属幼稚園での実習で、「こんな先生になりたい!」と思えるほど尊敬できる先生との出会いがありました。子どもへの関わり方がとても丁寧で、子どもというよりも一人の人間として接していて、一人ひとり声のかけ方を変えたり、保育者が関わるべき大事な場面では自然にすっと寄り添われる姿など、本当に素敵な先生だなと思い、今でも目標にしています。学科のゼミでは研究大会に向けて準備を重ねながら、対立する意見をまとめるのに苦心したこと、直前に起きたトラブルを何とか乗り越えたことがよい経験になりました。授業やサークル、バイト、趣味など、忙しかったけれど楽しいこともたくさんあり、すごく濃密な2年間でした。
山口県乳幼児の育ちと学び支援センター 勤務/保育学科 卒/2014年卒/短大卒業時に、保育士<国>と幼稚園教諭免許状<国>の両方を取得し、保育現場での勤務を経て現職。最近感じるのは「保育士は成果が見えづらいけれども、大切な仕事。子どもの自己肯定感を高めるためにも、保育士自身や保育士をめざす学生のみなさん自身の自己肯定感を高めてほしい」とのこと。また、子どもが好き・保育や教育職志望という高校生に向けて「たとえば、スプーンからお箸への移行など、子どもの発達の順番やその背景といった理論を学ぶことで子どもとの関わりがもっと楽しくなりますよ!」というアドバイスもいただきました。