中華料理というと、脂っぽい、味が濃いというイメージがあるかもしれません。しかし、実は野菜をふんだんに使っており、コースなら上品に頂けますし、最近は「町中華」が脚光を浴びているなど、実に多彩な面を持つ料理です。包丁やフライパンを使い分ける他の料理と異なり、調理器材もいたってシンプル。基本的に中華包丁は1丁、片手鍋一つであらゆる食材に対応していく点も面白いです。私はこれまでプロ野球選手に提供する料理を作ったり、結婚式のメニューを新郎新婦のお二人と決めたり、出張シェフをしたり…と、あらゆる経験をしてきました。店舗が変わっても会いに来てくださるお客様もいて、料理とは人と人を結び付けるものだと改めて実感します。私は仕事が料理で、趣味も料理。そんな人生は非常に楽しく、日々充実しています。
授業では2つのことを大切にしているという小林先生。「1つ目は“たくさん手を動かす”。2つ目は“時間を意識する”。現場でモノをいうのは実践ですし、手早さやスピードが求められます。この2つが身についていないと、どうしても未熟に見えてしまいますから、今から意識して身につけておくと、職場でも即戦力だと評価されると思います」とアドバイスをする。味付けや盛り付けなどはその店舗によって異なるため、就職しても役立つ技術を優先的に教え、あらゆる職場に順応できるように授業をしているという。
チームで働きたいならホテル、少人数で腕を振るいたいなら町中華、集中して没頭したいなら調理工場…と、自己分析をして、自分の性格に合う、自分らしく働くことのできる就職先を一緒に探しましょう。
専門:中国料理/実家が中華料理屋を営んでおり、中学生のころから店の手伝いに奮闘。高校卒業後東京ドーム後楽園飯店で勤務。野球関係者や野球ファンにも愛される同店で、様々な著名人の舌をうならせてきた。その後東京ドームホテルのオープニングを経験し、品川プリンスホテル、明治記念館など都内の様々な有名店で腕を振るい、30年に渡り中国料理に携わる。2022年より東京誠心調理師専門学校の講師に。