入社後2年間は自動車整備に携わり、その後自動搬送ロボットのプロジェクトに配属され、トヨタ記念病院で使われている自動搬送ロボットの製作を担当しました。薬剤や医療機器を運搬することで看護師の業務効率化につながります。開発当初から携わっていたため、完成したときの感動もひとしお。病院に届けた際に「ロボットが来た」「待っていた」と笑顔で喜んでもらえたときにやりがいを感じました。納品後も使い心地や問題点などを聞き、不具合の修正や設計の変更を現地で行いました。利用者の意見をフィードバックし、ロボットを改良することでさらに使いやすくなるところに、モノづくりの楽しさを感じることができます。
4年間、自動車に関する知識や技術を学びました。特に成長につながったのは、「故障探求」というトラブルシューティングの授業です。故障の原因を見つけるだけでなく、その状態がなぜ生じたのか、「なぜ」を5回繰り返し原因の根本を追及します。自動車の仕組みをしっかり理解していないとできないのですが、原因を深堀りする力や、分からないことは自主的に調べて対応していく向上心は、この授業を通して身に付けることができました。ロボット分野では新しい知識が必要となりますが、ボルトを締める順番など自動車と似ているところもあり、「故障探究」を通して身に付けたこうした力が、今の仕事にしっかりと活かされていると実感しています。
自動搬送ロボットの製作に携わるなかで、動きを制御するプログラムや電気制御の仕組みについて興味を持つようになりました。今はプログラムや電気に関する知識や技術を独学で学んでいますが、将来、小さい頃から好きな自動車に役立つソフトウェアや電気制御の開発に携わることを目標にしています。ハイブリッド、電気、水素自動車など新しいスタイルの車が次々と登場している自動車分野では、プログラムや電気に関する高度な知識や技術は強みになります。まだまだ経験不足ですが、学生時代に学んだ自動車の電気分野についての知識や技術をさらに高めて、未来の自動車開発に関わっていきたいと思います。
株式会社トヨタエンタプライズ 勤務(現派遣先:トヨタ自動車株式会社)/高度自動車科 卒/2016年卒/小さい頃から自動車が好きで、自動車の整備を学びたいと思い、トヨタ名古屋自動車大学校へ入学。2年間自動車整備科で学び、3年次に高度自動車科に編入しました。学ぶうちにエンジンの開発に関心が移り、トヨタエンタプライズに入社。越岡さんは、分野選びのポイントとして「最初は広い視野で分野を選び、そこからどんな力を身に付けたいか明確にしてください」と語ってくれました。