知的障害のある方の入所施設で、生活支援員として食事、排泄、入浴、また余暇の工夫など、日常生活をサポートしています。それぞれの意思表示をどうくみ取るかを考えながら働く毎日ですが、利用者さんがそれまでできなかったことをお一人でできるようになることに大きなやりがいを感じます。日々の積み重ねが実を結ぶ瞬間は、利用者さんも嬉しいだろうなと思います。その喜びをみんなで分かち合える瞬間は、何事にも代えがたいですね。
これからの時代は福祉の分野が注目されると思い、福祉全般についてしっかり学べる青陵大学に入学。学んでいくなかで、福祉の学びは行政で活かせると考え、行政に進路を絞って勉強しました。先生方のお話はとても面白く、振り返れば今の仕事に大いに通じていると感じます。たとえば「言葉を使わずに支援するには」という授業。今なら答えられますが、当時はその答えが分からずに悩みました。逆に、当時の学びが今に役立っていることもたくさんあります。あらゆる背景をもったたくさんの方と接するのが福祉の仕事ですから、一般教養なども含め、すべての授業が日々の業務につながっていると実感しています。
福祉職の一番の魅力は、人と人が向き合う仕事だということです。その人その人に合わせた対応をしていく必要があるので、100人いれば100通りの仕事の仕方があり、いろんな働き方ができるということです。また、「異動が多いのでは」と不安に感じる方もいると思いますが、それもこの仕事の魅力の一つ。さまざまな土地で、さまざまな利用者さんの支援を行うことで、自然とスキルアップにもつながっていきますし、人生経験が豊富になるのは楽しいものです。今後も、結果がどうであろうと消極的に考えず、挑戦することを忘れずに支援していきたいと思っています。
新潟県(福祉行政) コロニーにいがた白岩の里 児童部 勤務/福祉心理学部 社会福祉学科(2023年4月より福祉心理子ども学部 社会福祉学科に名称変更)/2020年卒/新潟新津高校出身。大学卒業後、新潟県庁に入庁。長岡市寺泊にある知的障害者総合援護施設「コロニーにいがた白岩の里」児童部に配属され、利用者の自立のための支援を行う。学生時代に恩師よりいただいた「やらずに後悔よりやって後悔」という教えを忘れずに日々励んでいるそう。