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手話通訳士になるには
手話通訳士になるためには、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが実施する手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)に合格することが必要です。手話通訳士の資格がなくても手話通訳の仕事をすることはできますが、政見放送や裁判などの場では、この資格がなければ手話通訳することはできず、資格をもつことで活躍の場を広げることができます。手話通訳士の受験資格は20歳(受験日の属する年度の3月31日までに20歳に達する者を含む)以上ですが、学歴などは関係ありません。ただし、手話通訳士の仕事は、医療機関、教育機関、企業などあらゆる場所、場面で必要とされるため、幅広い知識や高いスキルがないと務まらないものです。そのため、目安として3年程度の手話通訳経験がないと、受験合格は困難といわれています。
手話通訳士の学校の選び方
手話通訳士を目指すための学校として、大学・短大の福祉関係の学科、手話通訳のコースをもつ専門学校が候補となります。手話通訳士の受験資格は20歳(受験日の属する年度の3月31日までに20歳に達する者を含む)以上で、学歴は問われません。しかし、進学することで福祉に関する知識を身につけられたり、実習を通じて福祉の現場に触れることができたりするので、将来手話通訳士として活躍するために役立つ経験ができるでしょう。また、手話通訳士は、裁判、病院、結婚式などさまざまな場面で幅広い年齢層の人と仕事をする職業なので、学生生活を通じてあらゆる人生経験を積むことも、手話通訳士としての仕事の幅を広げてくれるはずです。
手話通訳士に求められる人物は?適性を知る
常に人とかかわって仕事をするのが手話通訳士です。そのため、「人が好き」「人とコミュニケーションをとることが好き」という人が向いています。また、手話通訳するうえでは、会話をする人たちに対して中立な立場で思いやりの気持ちをもって接することが大切です。両者が話をきちんと理解できているかにも注意を払い、もし理解できていないようであれば必要に応じてケアをするなど、状況を把握して瞬時に判断する力や、相手が不快に感じないようなコミュニケーション力も必要です。
手話通訳士の必要な試験と資格は?
手話通訳士の資格を得るためには、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが実施する手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)に合格する必要があります。これは、厚生労働大臣の認定により1989年から始まった試験です。年1回開催され、学科試験と実技試験があります。学科試験では、障がい者に関するあらゆる法律や福祉、聴覚障がい、手話、日本語のことなど、聴覚障がい者と接したり、手話通訳をしたりするうえで必要となる深い知識が問われます。一方、実技試験では、聞取り通訳と読取り通訳を行います。第34回の試験では、市民対象の教養講座の聞取り通訳や手話講習会での読取り通訳など、実際に手話通訳を行うシーンを想定した問題が出されています。近年の合格率を見ても10%程度と、取得が難しい資格です。手話通訳をするために必須となる資格ではありませんが、難易度の高い試験に合格することで、確かな知識や技術を証明することができます。
手話通訳士を目指せる学校の学費(初年度納入金)
大学・短大
初年度納入金
118万円
~ 136万
1500円
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
専門学校
初年度納入金
108万円
~ 115万円
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
※
記載されている金額は、入学した年に支払う学費(初年度納入金)です。また、その学費(初年度納入金)情報はスタディサプリ進路に掲載されている学費(初年度納入金)を元にしております。卒業までの総額は各学校の公式ホームページをご覧ください。
手話通訳士の仕事内容
手話という言語を用いて、聴覚障がい者と、聞こえづらさのない人とのコミュニケーションが円滑に進むようにサポートをします。手話とは、独立した一つの言語であり、手振りや顔の表情、口の動きなどによって表現する伝え方の手段です。手話通訳士は、日常会話をはじめ、講演、交渉、手続きなど、あらゆるシーンで手話通訳を行い、聴覚障がい者のコミュニケーションを支えます。医師との会話、銀行との契約など、場合によっては人権やプライバシーに大きくかかわるような重要な場面での手話通訳も行うため、その責任は非常に大きなものです。「聞こえない」ことによって聴覚障がい者に不利益が起こらないように、また聴覚障がい者が主体的に社会参加できるように、あらゆる場面で手話通訳を行ってサポートしていくことが手話通訳士の仕事です。
手話通訳士の気になる?年収・給料・収入
働く地域や会社、正規・非正規などの働き方によって給料はさまざまです。市区町村の役所・役場や企業、福祉関連施設で正規職員・社員として働いている場合は、ある程度安定した給料を得ることができます。一方、自治体や福祉関連施設などの非正規職員の場合、求人情報サイトなどの情報を参考にすると時給1000円~2000円あたりが相場のようです。手話通訳派遣センターや団体などに登録している場合、地域や団体などによって金額は異なります。基本的には手話通訳にかかった時間に応じて料金が設定され、首都圏などでは最初の1時間は7000円~8000円ほど、それ以降は1時間ごとに料金が加算されていくような体系が見られます。非正規職員・社員として働く人が多い状況もあり、「手話通訳士の仕事だけで生計を立てるのは難しい」という意見も聞かれますが、近年では手話通訳士の活躍の幅が広がり、状況も変わりつつあるといえます。実際にフリーランスとして活躍し、生計を立てている人が少なからず出てきていますから、専門性を高めることで今後は手話通訳士として食べていける人が増えていくと考えられるでしょう。(出典:「費用」(東京手話通訳等派遣センター))
手話通訳士の就職先・活躍できる場所は?
主な就職先に自治体などの行政機関、福祉関連の施設があります。非正規社員・職員として働く人の数も多いようです。そのほか、行政や民間の手話通訳派遣センターなどに登録して働くケースもあります。また、フリーランスとして活躍している人もいます。派遣センターなどに登録している人やフリーランスの人は、その都度発生する手話通訳の仕事の依頼を受けて働きます。手話通訳士は聴覚障がい者のコミュニケーションを支える仕事なので、聴覚障がい者が誰かと話したり、誰かの話を聞いたりといった状況が発生するあらゆる場所で仕事をすることになります。医療・福祉・教育・司法など携わる領域も多岐にわたり、毎日違う場所で、違う人と仕事をしています。
- 市町村役所
- 障害児関連施設
- 障害者福祉施設
- その他行政機関
- 都道府県庁
- 病院
- 福祉関連相談所
- ボランティア団体
手話通訳士のズバリ!将来性は?
2016年に障害者差別解消法が施行(2024年に改正)され、障がいのあるなしにかかわらず、誰もが暮らしやすい社会を作ろうという動きが広がっています。全国的にも手話言語条例が制定され始め、言語の一つである手話を普及させ、聴覚障がい者が暮らしやすい環境を整える動きが徐々に広がっています。聴覚障がい者の社会参加の進展が広がっていくなかで、手話通訳士においては、聴覚障がい者の日常生活のコミュニケーションを支えるという役割に加え、聴覚障がいのある専門家の仕事を支える役割も出てきています。今後は、手話通訳のエキスパートとしてより高度な知識や技術が求められる場面が増えていくと考えられます。
手話通訳士のやりがいを聞いてみよう
「聞こえづらい」ために困っている人を手話通訳によって手助けできるのが手話通訳士の大きなやりがいです。手話通訳によってコミュニケーションがスムーズにとれるように、また、必要な情報を得られるようにサポートしていくことで聴覚障がい者を支えていきます。また、手話通訳士は聴覚障がい者が必要とするだけでなく、「聴覚障がいのある人とコミュニケーションをとりたいけど、手話がわからない」と困っている聞こえづらさのない人にとっても必要な存在です。人々から頼られるというよろこびはもちろん、手話通訳することでその人たちが笑顔になったり、生き生きと活躍したりする様子を目にしたときも「この仕事をしていて良かった」と感じると言います。さらに、仕事を通じてあらゆる人に会ったり、普段は入れない場所に行ったり、知らない分野の知識を得られたりと、自分の世界を広げ、自分自身を成長させることができるのもこの仕事の魅力です。
手話通訳士の志望動機を教えて!
「聴覚障がいのある人が家族や友人にいた」など身近に手話を使う人がいたことがきっかけで、「聴覚障がいのある人とコミュニケーションがとりたい」という気持ちから手話を習得し、徐々に「手話通訳士になって、聴覚障がいのある人の役に立ちたい」と目指すようになった先輩が多いようです。自分の努力によって専門性を高めることが、助けられる人の幅を広げることにつながるので、「役に立ちたい」「困っている人を助けたい」という気持ちの強さが大事になるでしょう。
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手話通訳士の就職先
勤務先は、自治体、公共機関、各種福祉施設、医療機関など。就職の面接や講習会の通訳、メディアへの出演など、活躍の場が増えている。
手話通訳士をとるには
手話通訳士の受験資格
手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の受験資格は、年齢が20歳以上の者(受験日の属する年度の3月31日までに20歳以上に達する者を含む)。
手話通訳士の合格率・難易度
合格率
13.3%
第33回(2022年度)
資格団体
社会福祉法人 聴力障害者情報文化センター
電話:03-6833-5003
URL:http://www.jyoubun-center.or.jp/
手話通訳士になるには?
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手話技能検定の就職先
公的機関、公共機関、企業の窓口などで活躍が期待できる。上級になると手話通訳士をめざす人も多く、就職の面接や会議、講演会における通訳など活躍の場は広がる。ボランティアとして活動する場合も多い。
手話技能検定をとるには
手話技能検定の受験資格
7級~3級までは制限なしで、4級以上になると問題を理解するために、小学校4年生程度の日本語の能力が必要。2級以上は下位級取得が条件となる。
手話技能検定の合格率・難易度
合格率
【筆記試験】66.1%(3級)、74.1%(4級)、97.6%(5級)、95.2%(6級)
2022年 第56回
資格団体
特定非営利活動法人 手話技能検定協会
電話:03-5642-3353※電話でのお問い合わせは休止中。
URL:http://www.shuwaken.org/