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ドッグトレーナーとして、仕事をし始めた最初の1年間はどのように過ごすのでしょうか。勤務する先によっても違いがありますが、ドッグトレーナーは見習いから始めるパターンが多く、初めはやはり勉強からになります。あるドッグトレーナーの1年めを紹介しましょう。
1年めはとにかく勉強すること
1年めは、見習いからスタートするため、まずは掃除と散歩、片付け、雑務などをこなしていきます。預かった犬を散歩させながら、その犬の状態を見極めることも大切です。愛情を込めてなでることで、また、顔つきや行動を見るだけで、プロは小さな変化を見逃さないものです。イボができているとか、今日は目やにが多いとか、耳の汚れが目立つ、など注意して見ていればわかるようになるので、犬とふれあいながら、しっかり観察できるように修業をします。
散歩をしながら簡単な訓練も行いますが、ドッグトレーナーは芸を教えるのではなく、犬と人間がお互い幸せに暮らせるようにお手伝いをする仕事です。そのため、吠えたり、噛んだりという問題行動をさせないように訓練をしていきます。
ただ、新人のドッグトレーナーは犬に対するトレーニングはできますが、飼い主を交えたしつけのレッスンを担当することはできません。飼い主が犬とどう生活していくかを教えることはとても難しいからです。そこで、先輩ドッグトレーナーのレッスンを見学して勉強します。どのような言い方をして、どのようなプログラムを組み、飼い主であるお客さまに対してどのような起承転結を作って説明しているのかを自分なりに整理していく必要があるのです。
飼い主に理解してもらうことを学ぶ
犬がほかの犬と一緒に遊ぶことや、グループレッスンを受けられるようになるためには、基本的なことができなくてはなりません。「待て」は最低でも20分できることが条件になります。20分と聞くと長いと思うかもしれませんが、犬の98%は1時間の「待て」ができるとあるドッグトレーナーは言います。あきらめる、我慢する、その心を育てるのです。
もし、自制がきかない犬になったら、犬も飼い主も不幸です。TPOに合わせて対応できる精神力を育ててあげないと、神経質になりストレスに弱い犬になってしまいます。犬が生まれながらにもっている性質や性格はありますが、訓練で直すことができるのです。
例えば、やさしくておとなしく頭もいい子だけれど神経質な犬がいたとすれば、その犬の弱い部分を重点的に訓練します。神経質なところを鍛えるために特別なプログラムを組むのです。散歩に行くならば人の多い駅前に連れていく、大きな音が鳴る花火大会に連れていく、子どもが多いキャンプに連れていくといった工夫をします。
それに対して、もし飼い主が「うちの子は大きな音が苦手だし、人ごみは嫌いだから」とかばってばかりいたとしたら、犬はいつまでたっても音に敏感でびくびくしたままになり、ストレスが溜まっていくことになります。飼い主は犬をかわいがっているつもりでも、犬を苦しめる結果を招いていることもあるのです。愛情の方向をどう犬に向けるのかを飼い主に理解してもらうことが大切です。1年めは、ドッグトレーナーの仕事をとにかく実践で学ぶと言ってよいでしょう。
谷野孝光
「人と犬、両方の幸せを!」をモットーに、飼い主の耳の痛いことを言い続けて20数年。犬との共生社会の実現に向けて、犬数千頭とその飼い主にふれてきたドッグトレーナーです。生涯飼育のお手伝いをするべく犬の幼稚園、保育園、美容院、ホテルを営み、社会に貢献することを目指しています。
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