平安時代に開湯した温泉郷「湯村温泉」にある宿「ゆあむ」にて、料理長として腕を振るっています。DAICHOを卒業後、懐石料理の名店へ就職。7年目を迎えた頃、縁あって「ゆあむ」で社長の目に留まり、当時26歳ながら料理長として迎えられたのです。2013年の就任以来、私が心掛けていることは、日本海の海鮮、但馬地方のお肉や野菜など、地元の食材が持つ本来の味をたっぷり引き出すこと。その上で温かいものは温かいうちに、一番おいしい状態で提供して喜んでいただくことです。DAICHOで身につけた基本を守りながら、ひと手間加えた新しい仕事で、常連のお客様にも毎回新鮮な感動を味わっていただけるよう努めています。
子どもの頃に観た料理のテレビ番組がきっかけで興味を持ち、自宅で料理をつくるようになりました。家族から「とってもおいしいよ!」「上手だね!」と言ってもらえるのが嬉しくて、どんどん夢中になっていったんです。小学5年生くらいの頃にはレパートリーも増えていて、親子丼が得意だったことを覚えています。中学、高校時代も好きなことと言えば料理で、将来は調理人になろうと決めました。たくさんある調理学校からDAICHOを選んだ最大の理由は、調理実習が毎日あることです。先生との距離も近く、質問しやすい雰囲気もお気に入りでした。スポーツ大会などのイベントを通して友人もでき、今も良きライバルとして切磋琢磨しています。
入学当初は中国料理に興味がありましたがクラス担任が日本料理の先生でアルバイト先が割烹料理店だったこともあり、和食の素晴らしさに目覚めました。入学から半年ほどは和洋中の基礎を学び、コース選びで和食を専攻。日本料理の基本と言えば大根の「かつらむき」と卵の「だし巻き」。DAICHOには「チェックテスト」と呼ばれる基礎技術のテストがあり学び残しがないよう先生が丁寧に指導してくれました。ふぐ免許証(ふぐ取扱登録者証)の取得に向けて座学と実技も講習を受けるのですが高級食材を惜しげもなく練習に使わせていただいたことに感謝しています。もちろん資格だけでなく、毎日実習によって体得した数々の専門技術も私の財産です。
湧泉の宿「ゆあむ」 勤務/調理師科 卒/26歳にして全36室を有する温泉宿の料理長に抜擢されたOさん。チャンスにひるまず挑めたのは、学生時代と就職先の懐石料理店で腕を磨いてきた自信があったからだそう。「DAICHOで受講した年間700時間以上もの調理実習が料理人としての土台を築いてくれました。国家資格取得に必要な調理実習時間(390時間)の約2倍近くも素材や包丁に触っているわけですから、段取りなどもカラダが覚えている感じ。新しいメニューづくりには、和洋中のすべてを学んだ経験が活かされています。今はDAICHOに調理と製菓を学ぶWライセンスシステムというコースがあると知り、このコースならさらに料理の幅が広がるはずです」。