武蔵野赤十字病院で、管理栄養士として主に外来の患者様へ栄養指導を行っています。生活習慣病は、偏った食事や運動不足によって引き起こされるものですが、他の病気と違うのは心がけ一つで予防できること。病気の前段階の方、健康な方にも適用できるような手立てとして、私たち管理栄養士の仕事があるんだと思います。この仕事は、患者様との二人三脚だと思います。管理栄養士が指導して、患者様にきちっと守っていただく。しっかり指導通りに過ごしていただいて、例えば糖尿病の方でしたら血糖値などが改善されると嬉しいですね。患者様から「鈴木さんの指導が分かりやすかったから守れました」と言っていただけると、喜びもひとしおです。
親戚が重い糖尿病にかかったとき、管理栄養士の方の指導通りに食事を変えたら、数値が良くなって病態が安定した、という話を聞きました。それまで「症状を改善するには手術か薬しかない」と思っていたので、その話を聞いて「食事を変えることで、症状を改善できるんだ!」と衝撃を受けたんです。もともと、将来は人の役に立てる仕事に就きたいと考えていたので、管理栄養士に興味が出て、調べるうちに「この職に就きたい」と思ったんです。この話を聞いたのは、高校3年生の夏。学校選びの時期としては少し遅くなってしまったものの、自宅通学ができて通いやすい学費設定の大学を探しました。そこで見つけたのが、人間総合科学大学だったんです。
先輩との距離が近かったのでテストの問題について教わったりしましたし、先生との距離も近かったからわからないことを質問しやすかったです。先生の中には、学生と同じ目線に立ってとてもフレンドリーに接してくれる先生もいらっしゃいましたね。それと国家試験対策として、4年生になってからは毎月模試を受けていました。みんなで模試を受け、同じ目標に向かって切磋琢磨していたので、勉強に対するモチベーションを最後までキープできました。今思うと勉強するには最適な環境でしたし、こうした環境が整っていたことが管理栄養士の国家試験合格につながったんだと思います。学生時代に学んだこと全てが、今の仕事で役立っていますね。
武蔵野赤十字病院 栄養科勤務/人間科学部健康栄養学科/2012年卒/埼玉県立川越初雁高校を卒業後、人間総合科学大学に入学。学生時代は、趣味の車を買うためにアルバイトで忙しい日々だったが、その分1日2時間の勉強時間を必ず設けていたという。現在、武蔵野赤十字病院で管理栄養士として働く鈴木さんに今の目標について聞いてみた。「病院に担ぎ込まれてすぐの患者様は、口から食事をとれない方がほとんど。そうした患者様に必要な栄養価を計算し、使用する栄養剤について的確に判断できる『NST専門療法士』の資格取得を目指しています。取得には実務経験が5年以上など、様々な条件があるので研究や論文発表をしながら経験を積んでいきたいです」。