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弁護士の歴史を知ろう

弁護士の歴史を知ろう

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戦前、弁護士は、現在の法務省に該当する監督官庁の下に置かれた上、国家の立場にある裁判官や検察官よりも低い地位とされていました。しかし、諸先輩方のたゆまぬ努力や活動により、戦後、国民主権が規定された日本国憲法が制定され、弁護士法が改正されたことなどに伴って監督官庁がなくなり、検察官や裁判官とも同じ研修を行い対等な立場になりました。国家を裁判で訴えることが出来る立場にある弁護士に監督官庁があるのは適切ではない、弁護士に自治を認めるべきだという意見などから、監督官庁がなくなり、国家の監督下に置かれるという立場ではなくなったのです。

戦前と戦後で弁護士の立場が変わった

▼戦前の弁護士
1945年の終戦まで、日本の弁護士は、裁判官や検察官に比べ低い地位に置かれていました。当時は、国家のほうが国民よりも高い立場にあるとされていたため、民間の立場にある弁護士は、公務員で国家の立場である裁判官と検察官と同等ではありませんでした。
これは、実際の裁判でも立ち位置の差が表れていて、裁判官と検察官は弁護士より一段高い位置にいたまま裁判を進めていました。弁護士は、今の法務省にあたる省庁である司法省の監督下に置かれていました。

▼戦後の弁護士
戦後、国民主権が明記された日本国憲法が制定され、戦前戦後をまたいで活躍した先輩弁護士の方々の絶え間ない努力により、弁護士法が改正されました。弁護士法の改正で変わったのは、弁護士のことは弁護士たちですべて決める「弁護士自治」が盛り込まれた点でした。これにより、戦後、弁護士は国家と対等な立場となりました。
また、弁護士は国家賠償訴訟など、国民の人権を守るために国家に対して裁判を起こすことのできる立場にあることから、国の監督下にあることが不適切とされ、監督官庁が存在しなくなりました。
実は日本のあらゆる専門資格職業の中で、唯一監督官庁が存在しないのが弁護士です。医師は厚生労働省、公認会計士は金融庁、司法書士は法務省と、それぞれの士業は監督官庁がついているのです。

さらに変わってきた弁護士の役割

現代では、弁護士が国家と対等な立場であるだけでなく、国や自治体の機関に多くかかわるようになりました。
仕事の仕方もさまざまで、国や自治体に任期つきで出向する人もいれば、案件ごとに業務委託で仕事をする人もいます。国だと各省庁に、自治体だと都道府県庁に赴いて仕事をします。
具体的には、国の機関には法改正前のタイミングや、法令や規則を守るコンプライアンス問題などで入ることが多いです。一例を挙げると、文化庁では著作権関係の法整備を、経済産業省ではビッグデータの活用指針や技術的な結びつきが増える業界内のガイドライン作成をします。
弁護士は、これまで国家と戦い、国民の人権を守ってきた歴史があります。戦後、国家の監督下から離れ、国に対して裁判を起こせるようになっただけでなく、現代においては、国や自治体にも弁護士がかかわることで、多くの国民が影響を受ける社会の仕組みや法整備、組織の運営に貢献する役割をも担っているのです。

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