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土地家屋調査士の歴史を知ろう

土地家屋調査士の歴史を知ろう

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石高制、年貢など、長く続いた江戸時代の封建的な土地制度が廃止され、土地の私的所有が認められた明治時代。その後、変わりゆく時代の中で、どのようにして現在の土地家屋調査士が誕生していったのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。

明治政府に認められた土地の所有権

明治政府が土地の私的所有権を認めたことで、地租(土地)、家屋(建物)税が国政運営の重要に財源になりました。
そのため、各地の税務署に土地調査員が派遣されましたが、日本全国の土地を一律に正確に調査・測量することは難しかったようです。その後も無申告による脱税が起きたり、すでに申告されたものにも不備が多かったりしたため、各税務署署長の依頼を受けた土地調査員が配置され、土地建物の調査、測量、申告手続きをおこなうようになっていきました。これが、今日の土地家屋調査士の始まりとも言われています。
さらに昭和2(1927)年、法制定運動が起こり、のちに法務大臣になる署長・植木庚子太が、信州松本税務署管内に散在していた約240名の土地調査員を招集し、土地調査員に国家資格を与えることで業界の刷新を提唱します。
その後、長野県が主体となって全国運動を展開。昭和16(1941)年に土地調査員の嘱託制度の免許(資格)制度改正の請願書を初めて国会に提出することになります。第二次世界大戦に突入したことによって、「土地家屋調査士」の制定公布は昭和25(1950)年7月1日になったものの、戦後は土地家屋調査士にかかわる制度が急速に整備されていくことになりました。

若手の土地家屋調査士資格取得者の活躍が待ち望まれている

土地家屋調査士の年代構成(平成 27 (2015)年 4月1日現在 )
「土地家屋調査士白書2016」より
土地家屋調査士の年代構成(平成 27 (2015)年 4月1日現在 )
「土地家屋調査士白書2016」より

昭和25年の「土地家屋調査士」の制定公布後、統計として残っている最も古い土地家屋調査士数の数は、昭和32(1957)年の1万776人と言われています。
昭和32年以降、土地家屋調査士数は増え続け、平成12(2000)年に1万8699人のピークを迎えますが、それ以降は微弱ながら減少し続け、平成27(2015)年には1万7017人になっています。
さらに、昭和27(1952)年の土地家屋調査士の年代構成を見てみると、20歳代から40歳代の割合が30.6%を占め、50歳代から80歳代が全体の69.3%を占めていることがわかります。こうした数字から、現在は土地家屋調査士の高齢化が問題になっています。
しかし、この問題を逆の見方で見れば20歳代から40歳代の数が少ないため、若手が活躍できる範囲が広いことを示していることになります。実際に土地家屋調査士の業界内では、若手の資格取得者の活躍が待ち望まれています。

取材協力

力石洋平

主に都内の土地家屋調査士事務所にて勤務しながら資格学校に通い調査士試験に合格。 土地家屋調査士登録後、さまざまな土地、建物の測量、登記業務に関わる。資格指導校で講師として、また法務局の筆界調査委員としても活躍している。

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