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情報学のここが面白い

すべてのものがインターネットにつながるIoTは、社会を大きく変えます。情報学はその行く末を見極め、リードする役割を担っていると言えるでしょう。(青山学院大学 社会情報学部 飯島泰裕教授)

※このコンテンツは2018年の取材に基づき構成しています

IoTの行く先を見極め、リードする

情報がものから遊離する

すべてのものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)時代の足音が、日に日に高まっています。IoTは、20世紀後半に始まったデジタル化の究極の姿。コンピュータですべてのものの情報を集められ、どこにいてもコントロールできる時代です。それは、私たちが経験したことのなかった現象を引き起こそうとしています。
例えば、ここに一本のボールペンがあるとします。このボールペンには「インクが出る」「赤色」「こすると消せる」「軽い」「上着の左のポケットにある」といった特徴があります。これは、このボールペンについて回る情報です。また、これを紙の上で滑らせると、インクのしみが紙につきます。それが一定のルールに従って動かされると文字となり、これもまた情報としての価値をもつようになります。
今までは、これらの情報は、すべてボールペンと一緒にありました。その特徴も、書かれた文字も、ボールペンのある場所にあって、せいぜいそのボールペンの所有者の頭の中で、アナログ状態で運ぶくらいしかできなかったわけです。ところが、ボールペンとインターネットがつながるようになると、どこにいったかわからなくなっても「ここにあるよ」とボールペン自身が発信するようになる。また、文字を書けば、そのとたんにスキャニングされてクラウド上に情報として記録されるようになる。つまり、ものから情報だけが遊離して、一人歩きするようになるのです。
将来、探し物をする時間はなくなり、どこにいてもものを動かすことができるようになる。そうなれば、非常に生産性が高い世界が実現し、人間は労働から解放されるかもしれません。そこをゴールとすれば、今はまだ情報社会の入り口付近をうろうろしているだけに過ぎません。本番はいよいよこれからです。

飯島教授は「人はこれからどう生きていくべきか、その指針を作りたい」と語る

時代の曲がり角で

IoTが進めば社会も姿を大きく変えます。今経済は、需要と供給のバランスからできている市場資本主義の形をとっていますが、生産性や効率性がIoTによって限りなく高まっていくと、いずれ、ものを作るためのコストは限りなく低くなり、ゼロに近づくという予測が立ちます。今はとんでもない値段で売られている高級車も、二束三文で作れるようになるでしょう。そうなると、その車の独自性も普遍化して、どこにでもあるものになる。そのとき、その車を欲しいと思う人はいるでしょうか。早晩、ものを私物化するという文化は廃れて、いかにものを共有できるかという仕組みの中に人類は飛び込んでいくはずです。
そうなれば、多くの企業は利益を上げられないのでなくなってしまい、給料をもらって生活するという働き方もなくなるかもしれません。あまりにも劇的な変化で、もちろん、社会がそこまで一足飛びにたどり着けるものではありませんし、越えなければいけないステップがいくつもあります。
ただ、その兆しは、すでに見え始めています。その好例が学生の就職に関する考え方です。ほんの10年前までは大企業に就職できれば成功だと多くの学生が認識していました。しかし、今はそう単純には考えにくい。どんな大企業も就職すれば一生安泰ということはありませんし、その会社がいつ揺らぐかもわからない、それほどに世の中は多様化へと進んでいるのです。就職指導をしていて、学生が希望する就職先への思いの変化を肌で感じます。
これからの時代どういう価値観をもって社会人になればいいのか、どういう仕事観をもって学生時代を過ごせばいいのか。そこを考えるのも社会情報学の役割です。学生の就職先や嗜好、世の経済状況などのデータを分析して、新しい時代はこういう生き方をしていけばよいと示せたら、ノーベル経済学賞も夢ではないかもしれません。

取材協力:青山学院大学 社会情報学部 飯島泰裕教授

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