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僧侶になるにあたって、役立つ勉強や経験にはどのようなものがあるでしょうか。やはりそれなりの修業が必要であり、宗派によっても違うかもしれませんが、基本的な僧侶の仕事はどの宗派でもほぼ同じです。高校生でもできる勉強内容や経験について見てみましょう。
古文や漢文、小論文を勉強しておく
僧侶になるために、古文や漢文を勉強しておくと仕事がやりやすくなります。お経を読んだり、戒名を書いたりする場合に、難しい漢字を使っていることがあるからです。ただ、今後はITの発達により、ピッとスキャンするだけでどんな難しい漢字も読めて書けるようになる時代がやってくるでしょうから、必須ということではありません。もし、古文や漢文が好きだとか得意であるならば、そのまま勉強を続けていってはどうでしょうか。僧侶の仕事がしやすく、比較的スムーズに進められるでしょう。
塔婆*(とうば)を書くことも僧侶の重要な仕事の一つなので、書道ができるとよいでしょう。きれいな字で書いた塔婆のほうが見た目もいいですし、檀家さんによろこばれるからです。
また、小論文などの勉強をしておくと役に立ちます。僧侶は人前で話をしたり、伝えたりすることが多く、役割の一つでもあります。話をする場合は起承転結が大切で、着地点がない話をすることは相手にとってストレスになりかねません。思いついたことを話すのではなく、伝えたいことをきちんと伝えられる話し方を身につけるためにも、小論文を勉強しておくことをすすめます。
また、英語ができるに越したことはありませんが、スキルはAIに任せてしまうことも可能な時代です。それよりも、何を伝えるか、内容を重視しましょう。
*卒塔婆(そとうば)とも言います。
好きなことを頑張って続ける大切さ
僧侶になるためには修業が必要です。ただ、修業をすればなれるものではなく、人の気持ちを尊重し、話を聞く姿勢など、勉強よりも経験が役立つことが多くあります。
自分に何ができるのか。自分は何が好きなのかをよく考えてみましょう。一つでも好きなことがあれば、それを頑張って続けることはとても大切です。役に立つ、立たないという観点ではありません。自分にとって興味があることがあれば、まず続けること。好きなことであれば、やり続けることが可能なはずです。
檀家さんと直接話をしたり講話をしたりする場合、相手を尊重して話を聞くことは必要ですが、僧侶として一番困るのは話を続けることができないときです。当然、知らないことは話せませんから、情報を無理やり仕入れる必要はありません。でも、好きなことを続けていた経験があれば、いつでも話を続けることができます。スポーツでも、そば打ちでも、本や漫画を読むことでも構いません。実際に経験したり、体験したりしたことで、自分に引き出しをつくっておくこと、つまり人生経験が豊かであることがのちに必ず役立つのです。
ちなみに、僧侶になるにあたって体力があるに越したことはありませんが、特に筋肉隆々でなくとも僧侶は務まります。何より、自分はどういう僧侶になりたいのか、をじっくり考えておきましょう。
取材協力先 友光 雅臣