私たちの身体は、たくさんの細胞によって作られています。細胞の表面には糖鎖(とうさ)という糖がつながった分子が存在します。この糖鎖は細胞膜のタンパク質や脂質に結合して細胞の表面を覆っています。最近ある種の糖鎖と糖鎖に結合するガレクチンというタンパク質が、破骨細胞の分化に関わっていることがわかってきました。破骨細胞の分化が進むと骨粗しょう症につながる可能性があります。現在私は糖鎖やタンパク質の知識を骨粗しょう症などに対する新しい診断法や治療薬に活用できないか、との視点で、学生とともに研究・実験を行っています。薬学部で行う研究が、新薬の開発に結びつくことはあまりないかもしれませんが、継続中の研究が将来の新薬へのヒントになるかもしれません。そうした可能性を抱きながら学べることが薬学部の魅力なんです。
先生が担当しているのは、免疫学、遺伝子、タンパク質の応用などに関する講義。免疫学の授業では、身体が感染症と戦うしくみから学びます。学生の理解度を確認するために、講義時間中に問題演習の実施と解説を行い、知識の定着に努めることも先生の授業の特徴。また、薬剤師として活躍するにはコミュニケーション力が欠かせません。将来薬のプロフェッショナルとして患者さんや医療関係者と向き合う際には、どのようなスキルが必要なのかを具体的に伝えながら、ヒヤリング力、プレゼンテーション力などを養う指導を行っています。
赤ちゃんのような小さな一歩(ベビーステップ)を積み重ね、小さな目標を少しずつ達成し続けることができればいつかは高い目標に到達します。城西大学薬学部での6年間を通して、高い目標を目指しませんか?
専門:生化学、分子生物学、免疫学、糖鎖生物学
略歴:北海道大学薬学部卒業。北海道大学大学院薬学研究科博士課程修了。帝京大学薬学部助手、帝京大学薬学部助教を経て、2010年城西大学薬学部へ。「薬剤師は薬のプロフェッショナルですが、さらに広くとらえるなら、ヒトに作用する化学物質のプロフェッショナルでもあります。ともに人々の健康と医療・福祉を担う人材を目指しましょう」