國學院大學の経済学部では、
実践的に学ぶアクティブ・ラーニング科目が充実して
います。
なかでも1年次後期に開講する「基礎演習B」
では、
企業・団体の課題を解決するためのプロジェクト
に新入生が挑戦します。
2021年度は、大手航空
会社の協力のもと全138チームが参加。
クラス予選
を経て、代表に選ばれた6チームが
決勝となる12月の
「プレゼンテーション大会」に進出しました。
ここで最優秀賞に輝いたチームから小泉さんと
松谷さん、
先輩の「学生FA」※として、1年生チーム
をサポートした土屋さん、
彼ら3人に、今回の
プロジェクトについて話を聞きました。
※「学生FA(ファシリテーター&アドバイザー)」。
1年生のグループワーク型授業「基礎演習」を先輩学生がサポートする制度。
経済学部 経営学科2年
小泉 優茄
2021年度「プレゼン
テーション大会」の最優秀賞
チーム「グラスホッパー」の
メンバー。
2021年度「プレゼンテーション大会」の最優秀賞チーム「グラスホッパー」のメンバー。
経済学部 経済学科2年
松谷 直樹
2021年度「プレゼン
テーション大会」の最優秀賞
チーム「グラスホッパー」の
メンバー。
2021年度「プレゼンテーション大会」の最優秀賞チーム「グラスホッパー」のメンバー。
経済学部 経営学科3年
土屋 勇稀
先輩の「学生FA」として、
2021年度に小泉さん、
松谷さんらの1年生クラスを
担当。
先輩の「学生FA」として、2021年度に小泉さん松谷さんらの1年生クラスを担当。
小泉さん: 初めの頃は少し苦労しました。飛躍するイメージは縁起がいいと思い、チーム名を「グラスホッパー(バッタ)」にしたのですが、出だしはつまずいてばかりで…。最初のリサーチ段階では、分担をせずに個々が好きなように調べた結果、調べた内容がどれも似たり寄ったり。チームに4人いる意味が無かったんですよね。
松谷さん: でも、そうこうするうちに、皆の意見をまとめるのは小泉さんが一番上手いと分かったんです。ここから、それぞれの強みを活かしたゆるい役割分担ができたことが、活動が軌道に乗るきっかけになりました。4人のうち他のメンバーは、ひとりはリサーチ力、もうひとりはアイデア力が抜群。そして私がチーム全体を引っ張っていく。こうして良い流れができ、グループワークがスムーズになりました。
土屋さん: 彼らのクラスの「学生FA」だった私が、チーム分けをしました。強いリーダーシップを発揮するカリスマ・リーダーがいるチームもありました。でも、いまだから明かすと、チーム「グラスホッパー」には、そういう学生はひとりも入れませんでした。その代わり、協調性のある学生4人が集まった、皆で協力できるチームにしたつもりです。まあ多少、他のチームにはないような人選だったかもしれませんが(笑)。授業が終わったあとも集まって、熱心に話し合う彼らの姿を見るたびに、自分が期待した通りのチームになっているなと、確信しました。
松谷さん: 1年次から、こんな有名な企業のプロジェクトに取り組めるのかと、嬉しくなりました。まず私たちのチームではSDGs向上のために取り組む課題として、「食品ロス」を選びました。その上で、空の旅には欠かせない機内食に着目し、この製造過程で生じるロスを削減できる提案をしようと決めたんです。こうして「コンビニとコラボした冷凍弁当の販売」など3つの解決策を提案することにしました。
松谷さん: それが実は、私たちは勘違いをしていて、中間発表でクラス代表が決まると思っていたんです。実際はクラス代表を決める予選が、中間発表のあとにありました。そんな勘違いのまま、斬新なアイデアで勝負してくる他チームを横目に「このままじゃ絶対にマズい!」と、めちゃくちゃ焦りました。ここで対等にやり合うには、しっかりリサーチして、根拠を固めるしかないという気持ちで臨んだのが中間発表でした。
小泉さん: そんなこともあって、中間発表の段階から完成度の高い内容で臨むことができました。いま思うと、この勘違いがあったからこそ、中間発表、そしてクラス内予選を順調に突破できたのかも(笑)。でも、私たちのプレゼン内容へのフィードバックでは、先生と土屋先輩から、ターゲット層の絞り込みや参考文献について、かなり鋭い指摘をもらいました。
土屋さん: 「学生FA」としてクラスを担当したばかりの頃は、1年生が皆、自分の後輩なものですから、クラスの全員がただただ、かわいくて(笑)。聞かれると何でもハイハイという気持ちで手取り足取り教えていたんです。でも、自分たちで試行錯誤しないと1年生の成長にはならない。そう気づいてからは、アドバイスはしても答えは与えないように努めました。
松谷さん: 本当に頼りになる先輩です。相談をすると、いい方向性を示してくれるんです。それがすごく励みにもなりました。クラス代表に決まってから、最終の「プレゼンテーション大会」までの2週間の準備期間中に、土屋先輩から弱点を突くような指摘を山ほどもらいました(笑)。でもそのおかげで、本番では審査員からどんなに厳しい質問が来ても大丈夫というところまで、内容をブラッシュアップできました。
松谷さん: もちろんです。しかも、どのチームも意外性や説得力にあふれる発表をしていて、正直圧倒されました。私たちは基本重視のプレゼン内容だったので、他のチームを見てしまうと、最後まで優勝の自信は無かったです。
松谷さん: 「えっ! 本当に?!」と、チーム全員で互いに顔を見合わせました(笑)。
小泉さん: 「プレゼンテーション大会」に参加した6チーム以外の学生は、オンラインで見ていたのですが、終わってすぐに、別の教室にいた土屋先輩が息を切らしながら走って来て、私たち一人ひとりと握手をしてくれて(笑)。
土屋さん: あの時は、「よくぞ、ここまでやってくれた!」という気持ちでいっぱいでした。あんなに頑張って、皆で協力していたのをずっと見ていたので、なおさら胸が熱くなりましたね。さらに私自身も、すごく貴重な経験ができたと思います。そもそも大学で「プレゼンテーション大会」のようなおもしろい授業があるなんて、高校時代はまったく予想もしていなくて。1年次の「プレゼンテーション大会」も、2年次の「学生FA」も、國學院に来てやっぱり良かったなと実感した、経験になりましたね。