難関試験として知られる司法試験への挑戦を目標に、
國學院大學に入学したと語る法学部4年の三浦夕佳さん。
向上心にあふれる仲間たちと高め合い、
日々学びに打ち込むなかで、
その目標はもう一つの難関である
国家公務員総合職(キャリア官僚)へと変わりました。
そして今、夢へと大きく前進した三浦さんに、
4年間の成長の軌跡を伺いました。
法学部 法律学科 法律専門職専攻4年
東京都立富士高等学校 卒業
三浦 夕佳
三浦さん: 私は当初、卒業後の進路として法科大学院への進学や司法試験予備試験への挑戦を考えていたので、国家公務員総合職一本に絞った対策が本格化したのは2年次の後半以降です。ただ、いずれにしても、大学4年間を就職や試験対策だけに費やすのではなく、本来の目的である法学の勉強に打ち込みたいという強い思いがありました。
三浦さん: 中学時代に通っていた塾に司法試験に合格した講師がいらして、授業の合間に裁判官・検察官・弁護士の法曹三者について話を聞く機会がありました。この話をきっかけに検察官という仕事に漠然とした憧れを抱いた私は、大学では法学を学び、検察官になるために必要となる司法試験に挑戦しようと考えるようになったのです。大学受験の際は幾つかの大学の法学部を検討しましたが、國學院大學法学部の法律専門職専攻では「少人数教育」が徹底していて、法曹界を目指す学生も多く学んでいることから、私が理想とする“法学をしっかり学べる環境”があると思い、入学を決めました。
三浦さん: それは、入学してすぐに実感しました。法科大学院や司法試験予備試験を本気で目指す学生が多く、志を持つ学生が集まっているので、ここであれば仲間と切磋琢磨しながら頑張れると確信しました。私と同じような考えでこの専攻を選んだ友人も多いようですね。3年次には、法律専門職専攻の仲間4人と法学部の「法学会懸賞論文」にもチャレンジしました。ちょうど、国家公務員総合職採用試験に向けた対策が佳境を迎える時期ではあったのですが、仲間と何時間も議論を重ねた末に一本の論文を書き上げた時に味わった達成感は、何ものにも代えがたいものがありました。
一方で、「少人数教育」という面でも、満足度はとても高いです。例えば法律専門職専攻では、憲法や刑法、民法など各専門に特化した「応用演習」を3・4年次に開講しています。私が受講した「会社法応用演習」は学生が7名だったことから、少人数ならではの密度の濃い活発な議論を中心に、判例研究を学ぶことができました。また、教授との距離も近く、些細な質問にも一つひとつ丁寧に応じてくださったので、苦手分野の克服にもつながりました。
三浦さん: 1年次後期から2年次後期にかけて、アクティブ・ラーニング型授業の「刑事訴訟法」を受講しました。教授からの鋭い問い掛けに学生が一人で答えなければならない場面も多く、私も入念な準備をして毎回授業に臨んでいました。この授業で私は論述トレーニングに力を入れていたのですが、熱量が高い仲間たちとディスカッションや発表を重ねていく授業を通じて、抽象的な考えを具体的な言葉にしてアウトプットする論述の力を磨くことができたと感じています。初年次としてはハードルの高い内容ではあったものの、法学を学ぶための土台をこうして早い段階で築けたことは、結果的には自分にとって大きなプラスになりましたね。
三浦さん: 入学後に母を通じて「K-PLAS」というキャリアプログラムが大学にあることを知り、法律専門職専攻の友人たちもこれに関心を持っていたことから、私も「K-PLAS 国家公務員総合職コース」の受講を決めました。しかし最初から、このプログラムで最終目標に掲げる国家公務員総合職を目指していたわけではありません。まず念頭にあったのは、中期目標となっている宅地建物取引士と行政書士という2つの国家試験の取得でした。この2つの資格は公務員試験対策の基礎力になるだけではなく、法学の「憲法」「民法」「行政法」の基礎力アップにもつながると考えたのです。そして順調に2つの資格を取得したあと、2年次の12月に「K-PLAS」の奨学生選考試験に挑戦しました。この時点でもまだ、卒業後の進路として司法試験を目指すことを考えていたのですが、その後、奨学生選考試験に合格したのを機に、目標を国家公務員総合職一本に絞りました。
三浦さん: 2年次に「K-PLAS」の講師の方と、国家公務員総合職に内定した國學院大學の先輩から、それぞれ話を伺う機会がありました。お二人の話を通じて国の政策の企画立案に携わる国家公務員総合職の仕事の魅力をあらためて認識し、さらに国家公務員総合職であれば、法案の作成にも携わることができると知ったのです。法律そのものの作成に携わる仕事というのは、今こうして大学で法学を専攻する私がまさにやりたい仕事なのではないか。そう気づいたことが、国家公務員総合職への思いを後押ししました。
三浦さん: 「モチベーションの高い仲間と切磋琢磨できる」「ステップアップしながら継続できる」「手厚い指導を受けられる」の3点です。たった一人の孤独な闘いではなく、自分と同じように頑張っている仲間とともに互いに刺激を与え合いながら勉強に打ち込める環境は、モチベーションを維持するうえでも大きかったです。また、「K-PLAS」の仲間からは数々の気づきも得ました。国家公務員総合職コースには法学部だけではなく文学部の学生もいたことから、政策立案のグループワークでは異なる専門領域の考え方や視点に触れることができました。さらに、宅地建物取引士、行政書士へのステップアップ、自分の思考力を磨くというステップアップはもちろん、「K-PLAS」の講師や学内のキャリアサポート課職員の皆さんがさまざまな局面で最後まで惜しみなく支援してくださったのは、本当にありがたかったです。
三浦さん: 『六法全書』は覚えるものではありません――。入学式で法学部の教授が語ったこの言葉が、今も印象に残っています。入学時の私は、法学はまず条文を丸暗記する学問なのだと勘違いしていました。だからこの言葉を聞いた時も「では、法学って何を勉強するのだろう……」と、少し戸惑いました。しかし、その後学んでいくうちに、『六法全書』は慣れてくれば使いたい条文はどこにあるのかというのが自然と分かるようになりました。そのうえで法学を学ぶことの意味を自身に問い直すと、法律の解釈や判例の流れを根底から理解し、現状の法律の問題点を洗い出し、改正の必要性について熟考を重ねることなのだと気づいたのです。そして今ある法律を絶対視するのではなく、法律も変わっていくものなのだと理解できたことが、成長の原点になったと受け止めています。
三浦さん: 私は國學院大學で学び、人との出会いに本当に恵まれてきたと感じています。なかでも法律専門職専攻と「K-PLAS」を通じて、高め合える仲間たちと出会えたことで、充実した4年間を過ごすことができました。皆さんもそんな出会いに期待して、ぜひ國學院大學にいらしてください!