Problem
人気観光地「しまなみ海道」
の課題とは?
上矢さん
「しまなみ海道」は広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶサイクリングロードで、瀬戸内海に浮かぶ島々の美しい風景を楽しめるとして世界中のサイクリスト達が訪れる人気観光地です。
上矢さん
周辺地域の経済を支える観光コンテンツでありながら、核となるレンタサイクル事業がデジタル化されておらず、利用者の顧客情報や行動履歴などの貴重なデータが把握できていないという課題がありました。また利用者にとっても、アナログな予約方法やキャッシュレス決済未対応など、利便性が低い状況だったんです。
Solution
地域経済の好循環を生み出した
「観光DX」とは?
【取組1】レンタサイクル貸出業務のオンライン化
上矢さん
まずはレンタサイクルの貸出業務をオンライン化し、キャッシュレス決済システムを導入しました。現場スタッフの負荷が大幅に減って生産性が向上したと共に、利用者はリアルタイムで借りられる車種や台数を確認しながら予約できるようになり、現地でもスムーズなレンタルが可能になりました。
【取組2】サイクリング周遊アプリで、観光客の周遊促進と観光戦略を立案
水谷さん
さらにこのシステムで得た顧客データを活用し、コース検索や旅程作成のほか、利用者の位置情報や走行距離・時間に応じて近隣の観光情報を提供できるスマートフォンアプリも開発しました。このアプリによって利用者は周遊型の観光を楽しめるようになり、消費拡大にもつながっています。
Find & Result
アプリ等で取得したデータから
見えてきた
新たな観光戦略の兆し
水谷さん
アプリ内のGPS機能のデータで面白い発見がありました。とある場所で30分以上滞在する利用者が多いのでなぜだろうと分析してみたところ、海外でバズっている景観スポットだったんです。地元の方も知らないような場所で新たな観光の種が生まれているとわかりワクワクしましたし、こうした情報をさらに活用できないかと検討しているところです。
しまなみ海道の観光DXの成果
①レンタサイクルの貸出業務の効率化
レンタサイクルの予約システム及びキャッシュレス決済システムを導入したことで貸出にかかる時間が短縮され、利用者の満足度向上に寄与すると共に、現場スタッフの生産性向上につながった。
②レンタサイクル利用者の訪問地点数の増加
スマートフォンアプリを通じて、時刻・位置情報・走行距離・走行時間に応じてPUSH通知や音声等で飲食店や観光施設等の観光情報を案内することで、サイクリングルート外のスポットへの立ち寄り回数が増加し消費の拡大につながった。
③レンタサイクルの売上増加
レンタサイクルの予約システムやスマートフォンアプリの導入により旅行者の利便性や満足度を向上させたことで、レンタサイクルの料金を改定しても貸出台数を維持することができ、前年比45%以上の売上増加を達成した。
近年のインバウンド増加に伴い、急成長を続ける日本の観光産業。
経済成長と地域創生の切り札とされていますが、人手不足や
オーバーツーリズムなど様々な課題を抱えているのも事実です。
そんな中、デジタル技術を活用して観光産業の変革を目指す
「観光DX(デジタルトランスフォーメーション)」が注目されています。
通信事業者ならではのインフラと技術を活かして観光DXに取り組む、
NTTコミュニケーションズのお二人に、國學院大學 観光まちづくり学部の
学生が話を伺いました。
國學院大學
観光まちづくり学部 3年
野中 遥生さん
國學院大學
観光まちづくり学部 3年
小松 美穂さん
NTTコミュニケーションズ
株式会社
水谷 日香梨さん
NTTコミュニケーションズ
株式会社
上矢 剛さん
「観光DX」とは観光地が抱える課題を、AlやloTなど様々なIT技術を駆使してそれらのデータを活用することで解決し、観光客の満足度や利便性を向上させたり、地域の消費拡大につなげたりといった新たなビジネスモデルを創出するための取り組みです。人手不足、オーバーツーリズムの改善や、地方創生につながる取り組みとして注目を集めています。
「しまなみ海道」は瀬戸内海を挟む広島県尾道市と愛媛県今治市をつなぐサイクリングロードで、サイクリングの聖地とも言われ、世界中からサイクリスト達が訪れています。そのためレンタサイクル事業は観光の大きな柱となっています。しかし、WEB予約ができない、キャッシュレス決済に対応していないなど、観光客の利便性が低い状態でした。そんな状況を打破すべく、NTTコミュニケーションズが最先端のICT技術とアイデアによって「観光DX」を実現しました。