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ナレーターは自分の声で表現すること、そして自分の話す言葉で人に物事を伝えることが楽しいと話す方が多くいます。さらに、チームとして多くの人と番組を作り上げるやりがいもあるといいます。一方で、生活が不規則になってしまうなどの大変な面もあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
楽しいことは、時代の流れの中で生きていることを実感できること
そもそも、ナレーションをすること、そして演じることが好きなので「とにかく仕事そのものが楽しい!」と思うことが多いと、とあるナレーターは話します。さらに、情報やニュース番組であれば、常に最新の情報に触れ、時代の流れの中で生きていることを実感できることも楽しいことの一つです。また、世に出る前の情報をいち早く知ることができるのもワクワクする瞬間の一つだといいます。仕事を通していろんな分野の知識が増えることでより次の仕事に生かしていくことも楽しいことではないでしょうか。
また、ナレーターは個人では完結しない仕事です。チームで多くのスタッフが携わって完成する作品の最後の最後に必要とされるのがナレーターの仕事で、リレーでたとえるならアンカーのようなポジションです。そのため、ナレーションのできが、作品のできを左右することもある緊張感とやりがいは常にあります。伝えなければならない情報をありのまま伝えるには、ナレーターが自身の五感をフル活用して、表現する力が必要で、その力量が求められ、現場の方々や視聴者に喜んでもらえ、また次の仕事に繋がることは大きなよろこびでもあります。このように、作品と自分のナレーションが一体となって、人に伝わり何かを感じてもらえたら何よりうれしいと感じると、とあるナレーターは話します。
大変なことは不規則な生活&睡眠時間が取れないこともある
一方、大変なことはどのようなことでしょうか。まず、拘束時間が長い仕事が多いこと、そしていくつもの仕事が重なると睡眠時間が取れないことがあることです。
さらに、生放送でナレーションをおこなう場合、原稿が数十秒前に差し込まれ全く下読みもできずに本番になることも多くあります。他にも、原稿の直しが、手書きの汚い文字で走り書きされたもので、解読に苦しみながら本番に突入することもあります。普段から理解力を高め、情報を仕入れ続けることが必要です。
また、常に緊張が伴う仕事でもあります。特に生放送などは絶対にやり直しができないため、常に緊張感との戦いでもあり大変だと感じる、とあるナレーターはいいます。また、ナレーターの仕事はけっして自分のペースだけでは仕事を進めることができません。ナレーションをおこなう時間と場所は必ず決まっています。「自分で働く時間を決めたい」「この時間は働きたくないな……」そんな考えが少しでもあると、なかなかナレーターだけで食べていくことは難しいといるでしょう。
多くのナレーターは不規則な時間や長時間の仕事を大変だと思ったことはないといいますが、「安定していないこと」が一番大変なことだと多くのナレーターはいいます。突然番組が終わってしまったり、テコ入れでナレーターが代わることになったりするためです。
野﨑 千華(ナレーター/フリーアナウンサー)
元南日本放送アナウンサー。放送局退社後、養成所を経てナレーター、フリーアナウンサーとして活動。声優事務所やナレーター事務所に所属し、テレビ番組やCMナレーション、情報番組では生ナレーションにも携わる。2018年よりフリーランスで活動中。
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