ショコラティエが登場するマンガやドラマ【スタディサプリ進路】

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2014年に放映された人気テレビドラマによって、ショコラティエという職業が世間に認知され、憧れの職業の上位にランクインするようになりました。この作品の影響もあり、この10年ほどでチョコレートを取り巻く環境や、チョコレート菓子を作る世界が大きく変化してきました。ここでは、どのような変化が起きたかをご紹介しましょう。

『失恋ショコラティエ』で人気が高まったチョコレート菓子職人

水城せとなさんによる『失恋ショコラティエ』は、2009年に第1巻が小学館より刊行された人気コミック。7巻刊行時点で累計発行部数250万部超のベストセラーとなり、2014年には『失恋ショコラティエ』という同タイトルで、テレビドラマ化されました。
── 製菓学校に通う爽太は、1歳年上の先輩・紗絵子に高校時代から憧れ、チョコレート好きな紗絵子を喜ばせるため、ショコラティエになることを決意します。紗絵子が大好きなパリの有名パティスリーで修業を積んだ爽太は、クリスマス直前に勇気を振り絞って紗絵子に告白します。そんな爽太の告白にあっさりOKを出した紗絵子ですが、その直後に元彼とヨリを戻し、結婚を決めてしまった紗絵子。でも、そんな紗絵子のためにウェディングケーキを用意した爽太ですが、心労がたたって倒れてしまいます。そんな爽太を心配したショコラティエの同僚は、紗絵子に冷たくあたりますが……。
ドラマでは、主人公・紗絵子の小悪魔的なかわいらしさはもちろん、紗絵子に対するひたむきな思いを断ち切れない青年ショコラティエ・爽太のひたむきさと、二人の恋の行方から目が離せない人が続出。
そして何より、ショコラティエが主人公の人気ドラマが放映されたことで、ショコラティエの名前が一気に認知され、ショコラティエに憧れる人が急増。同時期にカカオやポリフォノールの健康効果が広まったことも手伝って、チョコレートやショコラティエに対する日本人の意識が一気に様変わりすることになったのです。

この10年で大きく変化したショコラティエを取り巻く環境

ショコラティエはチョコレートを作る専門職……となんとなく認識されていますが、正式にショコラティエの仕事は、次のように定義されます。
「ショコラティエとは、クーベルチュール（製菓用チョコレート）を使ってチョコレート菓子を作る専門職」
コミック『失恋ショコラティエ』が刊行される2009年前の東京では「オーナー・ショコラティエ」は30人に満たなかったという事実があり、その一人であり、現在も東京でショコラトリー（チョコレート専門店）を経営するショコラティエはこう言います。
「10年前はすでにケーキ職人のパティシエという言葉は広く認知されていましたが、フランス語のチョコレート職人を意味する〈ショコラティエ〉という言葉は、まだ日本社会に浸透していませんでした。そのため、約10年前は日本にはショコラティエという肩書をもった人が数えるほどしかいませんでしたし、チョコレート専門店もとても数が少なかったんですよ。でも、『失恋ショコラティエ』がテレビドラマ化されるなど、さまざまな要因によってショコラティエという職業が認知されるようになったことで、一躍ショコラティエが人気職種に。それから短い年月の間に、ショコラティエの肩書をもった人が増え、今ではあちこちでチョコレート菓子専門店のショコラトリーを見かけるようになりました」
この言葉通り、この10年間で製菓専門学校にショコラティエ学科が新設されるなど、ショコラティエを取り巻く環境は大きな変化を遂げてきたのです。

取材協力・監修

宮原美樹※2020年8月26日更新

手作りチョコレート専門店　ショコラティエ・ミキ　オーナー・シェフ・ショコラティエ。チョコレートメーカーで開発業務に携わったあと、2006年ショコラティエ・ミキをオープン。 2008年にはフランスで開かれた「サロン・ドゥ・ショコラ」に出展。2009年著書『CHOCOLATE　BOOK』（主婦の友社）刊行。 2013年、2014年フランスの最高峰のショコラ専門ガイドブック『LE GUIDE』に、日本を代表する10軒のショコラティエとして掲載される。

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