産学連携を通した企画開発、デザイン、展示などを必修授業として行っている御茶の水美術専門学校。化粧品事業を始めとするビューティーカンパニー、株式会社資生堂の出題に取り組んだ高根さんにお話を伺いました。
大企業の既存商品を企画に使用することへの不安はとても大きかったです。企業ヒアリングの前に「クリーン&ビューティのコンセプト」とはなにかをチームで話し合い、入念な市場調査を行いましたが、最終的には担当者との会話の中に企業が抱える課題解決のためのキーワードがあることに気づきました。その気づきを基に、主観だけではなく客観的な視点を持つことを大切にして、Z世代の気持ちに響く企画を考えました。
企業は「外から内へ。内から外へ。」という「美のループ」を提唱しています。そこでZ世代のSNSで発信する習慣に美のループを絡めることができないか、さらに化粧水を使い切った後に空容器に詰め替えをしてもらうにはどうすればいいか、に重点を置きました。話し合いの末たどり着いたのが、パッケージのメモリに工夫を凝らすことで化粧水がなくなるまでの時間経過と肌の調子を可視化して、使い切る楽しみにつなげました。
アイデア出しは質より量。ノート1冊を埋めるほどのリサーチ力は、プランニングにもデザインにも必要不可欠です。商品はパッケージに限らず、説明が難しいものほどその良さも意図も伝わりにくいと感じています。今回、説明がしやすく明解なモノ、名前やパッケージで世界観が伝わるモノの方が、商品の良さを広く伝えやすいと実感しました。今後なにかを発信するときには、レスポンスや反響をいただける企画を考えていきたいです。