観光学とはどんな学問?
観光学とはどんな学問?
観光学は大きく3つのテーマに分けられる
観光学は大きく分けると「産業としての観光」「地域と観光」「文化と観光」の3つをテーマに研究を深めていきます。したがって経営学や社会学、人類学などさまざまな学問領域を横断的に学び、観光という社会現象について多方面から分析します。
観光学と他の学問とのかかわり
研究を深めるためには多様な知識が必要
社会、人、ものと深く関わる観光学はさまざまな学問領域を網羅し、研究が進められていく学問です。それだけに、研究を深めるためには多様な知識が必要となり、勉強を進める中で、それまで想像もしなかったような学問分野に出会えるチャンスにもなりますし、興味の幅が広がる学問ともいえるでしょう。
観光学では何をどのように学ぶか
「産業としての観光」以外の側面を知る
観光学は、「産業としての観光」以外の観光の側面を知り、観光学の全体像を把握するところからスタートします。それをベースに、観光経済学や観光人類学といった観光を切り口としたさまざまな学問分野を学んでいきます。フィールドワークのやりかたを修得し、語学力を身に付けることも重要です。
観光学はこんな人に向いている
観光学部=旅行好きとは限らない
観光学部を志すからといって、みんなが「旅行好き」というわけではありません。そうでない人にはそうでない人なりの視点があります。いずれにしても地理、歴史、英語は重要になるので力を入れておきましょう。テレビ番組など興味をもちやすいものと、勉強をリンクさせると勉強にも興味がもてるようになるでしょう。
観光学を学んだ後の進路と今後の展望
観光業界への就職率が高くない理由
観光業界への就職率は3割~5割と高くありませんが、これは観光学を学ぶ中で興味を広げ、多様な業種に飛び出していくためです。人々の交流が活発になり、異なる文化の人と隣り合わせになることも多いこれからの社会で、観光学の視点が力を発揮していくでしょう。
観光学の先生にきく
観光学ではこんな研究をしています
地域振興に貢献する観光のありかたとは
観光で地域を活性化するには、地域住民や自治体、企業などが一体となって、地域のもつ独特の魅力を見いだし、それを訴求するしくみを整える必要があります。私は「観光政策」という視点から、地域振興に貢献する観光はどうあるべきか、それにはどんなしくみが有効なのかを研究しています。(玉川大学 観光学部 香取幸一教授)
観光における「ホンモノ」と「ニセモノ」
私たちは、戦後に建てられたコンクリート製の城にも歴史や風情を感じたり、満足したりしています。そこでは文化財として「ホンモノ」であることよりも、「都市のシンボル」「写真に撮りやすいスポット」としての価値が優先されているのです。観光におけるホンモノとニセモノの境界線はどこにあるのでしょうか。(立教大学 観光学部 交流文化学科 高岡文章准教授)
観光学のここが面白い
「旅行」の枠にとらわれない研究を
経営の神様といわれた松下幸之助は、観光にはソロバンでははじけない、地域振興や世界平和に貢献できる力があると説いています。まさに観光学は、観光という土俵の上で、幅広い分野を学べる学問なのです。「旅行」という枠にとらわれず幅広く興味をもって学んでいただきたいですね。(玉川大学 観光学部 香取幸一教授)
わかりやすいキーワードを入り口に勉強
「ホテルで働きたい」「世界の文化や世界遺産を見てみたい」、そんなわかりやすくて魅力的なキーワードを入り口に、様々なことに幅広く興味をもって深く勉強していけるのが観光学の魅力です。まだ形が定まっていない部分があるので、自由に発想できる学問でもあります。(立教大学 観光学部 交流文化学科 高岡文章准教授)
もっと先生たちに聞いてみよう
学生たちに写真の魅力と可能性を伝えてくれる先生
エール学園ICT校 観光ビジネス学科林 修二先生
業界の最新情報や学生自身の新たな強みを教えてくれる先生
JTBツーリズムビジネスカレッジ 国際観光ビジネス科(昼間部)観光総合コース高野 雅巳先生
「どの業界でも役立つ観光ビジネス」を教えてくれる先生
川口短期大学 ビジネス実務学科齋藤 篤史教授
観光学の学生にきく
観光学を選んだ理由を教えて!
- 観光と暮らしが両立する街づくりに興味があったから。
- 暮らしやすい街や環境について研究したいから。
- 旅行が好き、観光業に就きたい。
もともと街づくりに興味がありました。観光地としては良いけれど、観光客のマナーやモラルが悪くて治安や環境が悪くなり、住民が離れてしまう街があります。住んで良し、訪れて良しの街を造るには、どのようなことが必要なのかを学びたいと思ったからです。
(観光学部 まいさん)
私は多様化する生活に興味があります。日本は少子高齢化による労働力の減少で外国人に頼らざるを得ない状況です。また外国人労働者問題、多文化共生など、さまざまな問題があります。マイノリティに属する人たちを含め、みんなが暮らしやすい街や環境を考えたいと思ったからです。
(現代教養学部 国際社会学科 毎日眠いさん)
観光がとても好きで、観光に関する学科にも興味がありました。将来、観光業に就きたいと思っているため、観光学を中心に選びました。
(外国語学部 観光交流文化学科 Rさん)
時間割と授業内容を教えて!
キャンパスライフの参考に、観光学部1年生の時間割をチェックしてみましょう。
英語を中心に世界遺産や観光論など、観光学の全体像を把握するところからスタートします。
1年次は、主に英語を中心に、ホスピタリティーや観光分野に関する基礎を習得します。2年次にも引き続き語学を中心に、観光学の基礎と応用を学んでいくのが一般的です。
3年次になると、ゼミナールが始まります。研究テーマを設定し、専門性を深めます。就職活動を始める学生も増えていきます。4年次には、ゼミナールで研究テーマの追究とともに卒業論文に取り組んでいきます。
観光学ではこんなテーマで学べるよ!
- 観光地と近代建築をテーマに街づくりを研究。
- 神社を紹介するSNSアカウントやウェブサイトを制作。
- 「忍者」について、実際の施設を訪れ調査を実施。
近代建築と観光をテーマに研究を進めています。京都には伝統的建造物群保存地区に加えて、近代建築が多く立ち並んでいます。この一見アンバランスな街づくりに疑問を抱きました。疑問をひとつずつ解決すべく研究を重ねています。
(国際観光学部 国際観光学科 かなさん)
「京都スピリチュアルツーリズムプログラム」を勉強しています。京都にある神社を巡って神職の方に話を聞いています。「神道の本質を知ってほしい」「神社を身近に感じてほしい」という意見を受けて、神社を紹介するSNSアカウントやウェブサイトを制作しました。
(国際貢献学部 グローバル観光学科 M.Mさん)
私は「忍者」について研究しました。忍者関連の施設に実際に行ってみて、オーナーや訪れた外国人に話を聞きました。外国人の感想には「日本文化を感じられた」という声がある一方、否定的な声もありました。そうした声を拾い集め、何をもって忍者とするか、いわゆる真正性に差があることに気づきました。
(観光学部 S.Rさん)
観光学で楽しかった演習やテーマを教えて!
- 交換留学生との異文化コミュニケーションが刺激的。
- おみやげの生産国と販売国の矛盾を考察した。
- 観光と環境、オーバーツーリズムについて考えた。
印象に残っている授業は「異文化コミュニケーション」です。交換留学で来た外国人と合同で行われるため、とても刺激的でした。それぞれの国の人が日本との文化の違いを直々に教えてくれたので、異文化についてとても理解が深まりました。
(外国語学部 観光交流文化学科 Rさん)
私が一番印象に残っているのは「おみやげ論」です。おみやげは観光の消費の3割以上を占めると言われています。講義では「なぜベトナムで中国のおみやげを売っているのか」「マトリョーシカはどこの国でも売っている」など、身近で気になる話題も多く、親しみをもって学ぶことができました。
(観光学部 H.Sさん)
観光と環境に関する授業が印象に残りました。オーバーツーリズムなど、観光が賑わうことで環境が汚染されてしまうといった問題があります。グローバル社会の中で今後も観光は大切です、一方で良い環境を守っていく必要もあると思います。とても考えさせられる授業でした。
(国際観光学部 国際観光学科 かなさん)
観光学を学んでみてどうだった?
- 観光学は幅が広くとても興味深い学問。
- 海外でのインターンシップで、地域振興に興味をもった。
- 観光学を学ぶなかで視野が広がり、他の分野にも興味が湧いた。
観光に関することばかり学ぶと思っていたのですが、実際はマーケティングに近いことを学んでいます。すべてが観光学に関係していると気づくと、幅が広くとても興味深いです。実際に学んでみて、人間関係の大切さに気づきました。また、人間関係が悪いとき、どのように対処すればいいのかという対応力も身につきました。
(外国語学部 観光交流文化学科 Rさん)
留学を通して、語学力が上達しました。また、オーストラリアでのインターンシップの経験から、地域振興に興味が湧いたので、これからもっと研究してみたいと考えています。これまでの学びで観光学がいろいろな分野につながっていることを知り、視野が広がりました。
(観光学部 観光学科 T.Mさん)
これからはもっとインバウンド(訪日外国人旅行)を大切にしていかないといけないと思いました。また、「観光学」という名前だからといって、単純に観光だけを勉強するのではなく、いろいろな興味を満たせる学問なのだと思います。私は視野が広がったことで、現在はブライダル関係の仕事にも興味が湧いています。
(観光学部 観光学科 匿名希望)
記事はスタディサプリ編集部が観光学を学ぶ学生に対して独自に行ったアンケートへの回答をもとに構成しており、実際の履修内容は各学校により異なる場合があります。各学校についての詳細な情報は学校ページにてご確認ください。
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