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弁護士は一般的に3年もあれば一人で一通りの仕事ができるようになる場合が多いので、3~5年で独立する人も増えてくるようです。もちろん弁護士になってすぐに独立する方もいます。ただ、独立の時期は、働く都市の規模によっても少し差があり、都市部の方が、比較的独立の時期が遅いと思います。独立には主に2パターンあり、個人事務所を開くか、共同経営者になるかです。企業や官公庁内の弁護士の場合は、例えば法務関係部署の課長や部長になるなど、組織の枠組みに応じてステップアップすることになると思います。
独立について
▼独立の時期
弁護士は、独立しようとする人が多いです。進路を決める際に、会社員は苦手だなと思ったり、自分の力で仕事をしていきたいと思ったりして弁護士という道を選んだ人が多いので、いずれは独立、という選択が自然にされるのです。
独立の時期は働き始めてから3~5年経ったあたりが多いですが、働く都市の規模によっても少し差があり、都市部のほうが、比較的独立の時期が遅いようです。その背景を、ある弁護士はこう分析しています。
「都市部のほうが、独立が遅い理由の一つとしては、大型の訴訟など複雑で規模が大きい業務や、法人の案件が多いということがあるように思われます。あまりにも若い弁護士だと、すぐに独立しても、このような案件などに携われる機会は少ないですし、法人の仕事がつきにくいため、自分の勉強や経験のためにも比較的長く事務所に所属する人が多いと思います。ただ、あくまでも「比較的多い」というだけであって、都市部でも個人の方のご相談を多く取り扱っている事務所や企業相手でも早期に独立している弁護士の方はいますし、都市部でなくとも規模の大きい案件や法人の案件が多い事務所はあります。重要なことは、どのような事務所に所属しているか、自分が何をやりたいか、ということです」
遅くとも、40歳ごろまでには、多くの弁護士が独立します。ただし、子育てなどを含む家庭の状況や、人を雇ったりすることを考えずにどこかに所属していた方が、気が楽だと思う、などの理由で、独立をしない人もいるようです。
▼独立のパターン
独立には二つのパターンがあります。
一つめは個人事務所を開く、二つめは共同経営者となり法律事務所を運営することです。共同経営は、事務所から仕事や給料をもらうのではなく、自ら仕事を取ってお金を稼ぎ、事務所の運営にかかわる家賃、光熱費、印刷機のリース代、秘書の人件費といった経費を納めるものです。
個人事務所と共同経営の割合ですが、個人事務所のほうが圧倒的に多いと思います。ただ、都市部のほうが共同経営の事務所が多いように思います。
企業・官公庁常駐弁護士のステップアップ
企業や官公庁に常駐する弁護士のステップアップは、会社員や公務員の出世と似ています。
法務に関係する部署の課長や部長になるなどして、所属する組織の制度に応じてキャリアップします。最近は法務部長にとどまらず、法務担当役員と呼ばれるゼネラルカウンセル、最高法務責任者であるCLOなど、経営層にまで法務の役職者が設けられる事例も増えています。
ただし、今のところは、どこか一つの会社で定年を迎える弁護士はあまり多くなく、ある程度経験を積むと、企業を辞めて法律事務所の事務所業務に戻ったり、別の会社に転職したりするパターンのほうが多いようです。
「理想とする弁護士像」へ近づくために
企業や官公庁の弁護士であれば、出世などの概念がある一方で、事務所業務を行う弁護士は独立独歩で自由に仕事をするため明確に一律にキャリアップと呼べるものはありません。しかし、「理想とする弁護士像」を多くの弁護士が持っています。弁護士それぞれが様々な理想とする弁護士像を持っていると思いますが、よく話に出てくる要素を大きくわけると主に三つの要素があると思います。
一つは、売り上げの立つビジネス派弁護士。二つめは、ある分野の専門家や第一人者と呼ばれる学者肌、研究者肌の弁護士。三つめは、社会貢献のために活動する弁護士です。
第一人者の基準と言われると難しいですが、例えば、ある法律の法改正の際に委員として関わったり、当該分野で多くの著名な裁判にかかわっていたり、信頼のある本や解説書を書いていることなどが挙げられると思います。
どの弁護士の方も、上記どれか一つだけを重視しているということは、あまりないと思います。弁護士の方それぞれが、上記3つの要素やその他の要素などを自分なりに解釈して、当該要素をもち、自分なりの理想とする弁護士像をもっているのだと思います。
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