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カメラマンが仕事をするときの心がけ

カメラマンが仕事をするときの心がけ

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カメラマンとして仕事をする際、どのようなことを心がけているのでしょうか。被写体が人なのか、物なのか、外なのか建物のなかなのか、撮影する状況によっても心がけることは変わってくるそうです。あるカメラマンが仕事をするときの心がけについて聞いてみましょう。

相手とコミュニケーションをとって、自分の感性を入れていく

あるカメラマンが心がけているのは、バリエーションを考えて撮るということだそうです。一つの細かいことにこだわり続けて時間を使ってしまうと、何が違うのかと問われたときに説明できないからです。明らかに違うことがわかるように、さまざまなバリエーションで撮影して写真をセレクトしてから、クライアントに選んでもらうようにしていると言います。
また、人物を撮影するときは、なるべく話をするように心がけているそうです。人間は感情が出る生き物なので、どうやっていい表情を撮るかを常に考えていると言います。もし、硬い表情のモデルがいたら「好きなものは何?」「食べ物で何が好き?」などとどんどん話しかけていきます。「●●は好き?」と聞いたときに「好き!」と言った瞬間にとてもいい表情をするので、それを見逃さないように撮り続けるのだそうです。モデルを撮影する場合はお互いに壁を取り払うことが大切だと思っているので、相手から信頼されるように、またフレンドリーな関係でいられるように努力すると話します。絶対に言わないことは「笑って」ということ。これを言っても逆に笑わないので、笑わせるような冗談を言うこともあるそうです。
ある撮影のときに、とてもクールな雰囲気で笑顔が硬いモデルがいたそうですが「最近おもしろいこと何かない?」と聞いたところ「おもしろいこと言って」と逆に言われてしまい、それなりの話をして笑顔を引き出したと言います。苦労ではありませんが、撮影の際の工夫であり、そういう点では、子どもや動物は感情をコントロールできないので大変なのだそうです。
仕事はお互いに気持ちよくできることが一番なので、差し入れをして気を遣うこともあると言います。見知らぬ人が集まって一つの作品をつくりあげる作業は大変です。成功させるためには何か緩衝材となるもの、ワンクッションが必要なこともあり、差し入れはその役目を果たすようです。何か一つおいしいものがあるだけで人間は肩の力が抜けることもあるので、それなりにいいコミュニケーションが取れるように気を遣うそうです。
ものを撮るときも同じで、隣にいるクライアントとのコミュニケーションを大切にすると言います。撮影にお互いの好みの角度がある場合などは、コミュニケーションをとりながら撮影を完了させていくそうです。クライアントはお金を払って仕事を依頼するわけですから、カメラマンが自分のやりたいようにするのではなく、相手が幸せになるような仕事をするべきだと考えるそうです。決していいなりになるのではありません。先方の希望を叶えたうえで、そこに感性を入れることがプロの仕事であり、そうでなければいいものはできないということでした。

きっかけは何でもいい

カメラマンになるきっかけや動機が「女の子にもてたい」とか「可愛い子に会いたい」ということでもいいと、このカメラマンは言います。そんな気持ちが半分あったとしても、仕事を通じてどう自分を表現できるかを考えるようになるから、だそうです。そこがカメラマンの腕の見せ所でありおもしろさなので、自分でなければできない仕事をすること、仕事で居場所を作ることが大切だと話してくれました。

取材協力

羽里彦太郎

独学にてフィルム撮影や現像などを学び、5年ほどフリーカメラマンを経て、2015年に株)Callaisを起業、現在は建築撮影、物撮り、ポートレイトなど幅広い範囲で、企業やベンチャー、外資や代理店などと仕事をしている。

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