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学芸員の1年めは、美術館や博物館をはじめとして就職した場所によって業務内容が異なります。作品や資料の収集、管理などの専門業務には、どのように携わっていくのでしょうか。ここでは美術館に就職した学芸員の話をもとに、どのように1年めを過ごしていくことになるのかを紹介していきます。
1年めは展覧会の手伝いが中心
自治体が運営する美術館も企業の美術館もそうですが、学芸員も公務員や社員として採用されますので、4月には一般的な会社と同じように、新人研修が実施されます。
新人の業務は、先輩が担当する展覧会の手伝いとして資料を集めて整理したり、作品の画像を集めたりなど、実際に展覧会の準備の作業をしながら教えてもらうことが中心となります。
展覧会の開催に当たっては、作品を貸し出すだけでなく、自分の美術館の展示用として、ほかの美術館に借りにも行きます。借りに行くときはマナーのような、業界的独特のルールがいくつかあり、先輩に同行して教えてもらいます。
また、資格を維持するために特別な講義などはありませんが、美術館では、館がある土地生まれの作家や縁のある作家など、その館が特化している分野を扱ううえで知っておくべき専門知識について、1年めに勉強することが多いそうです。
最初の1カ月くらいの間、仕事があまり忙しくないようであれば、自分の勤める美術館がどのような館で、どのような作品を扱っているのかという資料を読んで勉強します。
貴重な美術作品を扱うだけに覚えることが多い
学芸員という資格は、さまざまな価値ある作品を扱いますので、覚えておくべきルールがたくさんあります。
最も基本的なこととして、作品を触るときは必ず白手袋をはめ、作品を傷つけないように爪を短くしておくほか、女性で髪型がロングヘアーの場合、作品につかないように短く結ぶことが前提となります。化粧も薄めを心がけ、男女問わず、香水もつけてはいけません。においなどが作品に移ってしまうことを避けるためです。
ただ、これは館の方針によるところも大きく、現代美術を中心に扱うような館では、ここまで厳しくないところもあるようです。
さらに、ほかの美術館を訪れた際は相手から「いいですよ」と言われない限り、自分から勝手に作品を触ってはいけないなど、守らないといけないルールがいくつかあります。
作品を壊してしまわないように作品の扱い方や梱包のしかた、運び方などに関しても、学芸員1年めに教わることになります。
少し細かいところでは、日本美術などには専用の木箱に入った作品があります。その箱の紐の結び方にも決まりがあります。1年めであっても業務に慣れてくれば、1人で作品の貸し借りに立ち会うケースもあります。
専門的な知識はもちろんのこと、作品に関するマナーや扱い方、運び方など、美術館ならではの覚えるべき事項が、いろいろとあるようです。
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