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救急救命士の楽しいことと大変なこと

救急救命士の楽しいことと大変なこと

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人の命に触れるような場面で働くことが多いのは、救急救命士という職種の特徴の一つです。緊張感あふれるような状況で働いていて、楽しいと感じたり、大変だと思ったりすることには、どのようなものがあるのでしょうか。消防署で働く救急救命士の体験談をもとに見ていきましょう。

患者が快復したときや出産が無事終わったときは最高

救急救命士の業務では、例えば心肺停止などの重い症状の患者が快復してお礼を言いに来てくれたときなど、うれしいと感じる瞬間がいくつかあるそうです。
また、基本的には怪我や病気で苦しんでいる人に直面するシーンが多くなってきますが、その中で出産現場に立ち会い、無事に赤ん坊が産まれたときは、救急救命士として数少ないハッピーな現場になるとのことです。
そんな喜ばしい現場ではありますが、赤ん坊を取り上げることができるまでが大変だそう。無事に取り上げられれば最高な気分に浸れますが、取り上げるまではものすごくプレッシャーを感じ、「うまくいかなかったらどうしよう」「首にヘソの緒が絡まってしまったらどうしよう」など、さまざまな不安が頭をよぎるそうです。無事に出産できたときは、かなり幸せな気分になると言います。
話を聞いた救急救命士によると、どのような現場であれ、やったらやっただけ結果が出て、人の命の尊さを実感できることが、資格を取って救急救命士という仕事をしてよかったと思える瞬間とのことです。
さらに、重篤な患者を搬送した先の病院でドクターから「うちの病院に連れてきてくれてよかった」という言葉をかけられると、自分の判断が間違っていなかったと実感できると言います。

失敗してしまったときにどう折り合いをつけるか

救急救命士という立場上、危機的な状況に置かれた人に応対することが多く、もちろん助けたいという気持ちを強くもって救護活動に従事していますが、残念ながら助けられないケースもゼロではありません。
どれだけ一所懸命に処置をしたとしても助けることが難しいときには、大変さやつらさを感じてしまうようですが、いかにして自分で克服していくかも、救急救命士として働いていくなかでは重要と、ある救急救命士は話します。
残念な結果になったときは、自分がやったことがよかったのか悪かったのかを振り返り、ドクターにも確認して最善を尽くしたことを確認できたら、次につなげていけるように気持ちを切り替えることも大事だと言います。
人それぞれの考え方にもよりますが、同じような体験をもつ救急救命士の先輩に話を聞いてもらうなど、スイッチを切り替えることが、困難な状況や精神状態を乗り越えていくためには必要だそうです。
ある救急救命士によれば、「こうすればよかった」などの反省は常にしつつ、「やれば助けられる」という成功体験の存在が、救急救命士を続けられることにつながっていっているのではとのことです。

取材協力先 張替 喜世一・喜熨斗 智也

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