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人間科学とはどんな学問?研究内容や学び方などを解説

人間科学

「人間とは何か」について幅広い視点で研究する

人間科学は、「人間とは何か」という問いに対し、人文科学、社会科学、自然科学のあらゆる領域からアプローチしていく学問です。人間に関することならなんでも研究テーマになり得るため、自分や身の回りの人をもっと深く理解したい、人の行動心理が知りたいなど、人に対してなんらかの興味がある人に向いています。卒業後の進路としては、専門分野によっても異なりますが、教育、マスコミ、心理士やカウンセラーといった道が代表的です。

人間科学の学び方

人間についてあらゆる観点から探究

人間科学とは、「人間とは何か」について探究する学問です。人間そのものへの深い理解を目指し、人文科学、社会科学、自然科学のあらゆる領域からアプローチしていきます。人に関することならなんでも研究テーマになり得るため、1つの学問の中に実に多彩な領域があります。例えば、人の体のしくみについて突き詰めたい、人の心について研究したい、人間関係や社会というものについて興味がある、人の運動能力について科学的に解き明かしたい、人の代わりになるロボットを作りたい…これらは一見無関係なようですが、すべて人に関することです。つまり、このどれもが観点によっては人間科学の範疇に入ると考えることができるのです。もちろん、こうしたテーマを専門的に研究しようとすれば、医学や生物学、生理学、哲学、心理学、倫理学、文学、教育学、社会学、スポーツ科学、機械工学やロボット工学など、それぞれに適した専門の学問領域があります。しかし、裏を返せば、人間科学はこれらすべてとかかわりがあるということになります。こうしたあらゆる学問を基礎として、そのうえで人間について考えようとするのが、人間科学という学問なのです。

挑戦のフィールドが広い

人間そのものについての研究は古来より存在しますが、人間科学という学問としての歴史はまだそれほどでもありません。それだけにまだしっかりと体系づけられていないのが現状です。その一方で、体系づけられていないからこそ、何にでも挑戦できる土壌が広がっているといえます。多くの大学では、人間科学部や人間科学科の下に学科やコースを設けています。選択のタイミングは出願時や2年生への進級時など、大学によって異なりますが、いずれにしても、人間科学という大きな枠の中から自分の専門を選んで学びを深めていくことになります。置かれている学科やコースは、心理学、教育学、社会学などが多く、哲学や文学、倫理学や福祉学などがある大学もあります。人間科学を学びたいと考えている人は、人についてどんな観点で探究したいのか、自分の興味を見極めることが必要になるといえるでしょう。

人間に関する知識を幅広く学ぶ

1年次は、広く一般教養を学びます。人間科学は、人に関するあらゆることについて探究する学問ですから、どんな知識でも役立つといえます。大学によってはほかの学部や学科の授業の単位も進級・卒業単位として認めているところもあります。選べる授業の幅が広くなっているのも、人間科学の1つの特徴といえるでしょう。このときに、広く教養を深め、人間科学のさまざまな専門分野について知ることが求められるのです。具体的には、文学、哲学、倫理学、心理学、社会学、論理学、史学、言語学、教育学、人類学、そして数学、化学、生物学、物理学、地学など、文系理系問わずさまざまな授業が設置されています。2年次には、より専門的な学びに入っていきます。進級時に自分の専攻やコースを選択する大学もあります。1年次に得た知識をもとに、自分がより深く学びたい分野を選べるというわけです。少人数授業やグループワーク、フィールドワークなどを行う場合もあり、こうした学びを通じて、興味のある分野への理解を深めていくことができるようになっています。

専門分野に分かれ、それぞれの研究へ

3年次には、多くの人が研究室に配属されることになります。この1年間では、専門分野についてより深く学ぶために、論文を輪読、つまり研究室のメンバー全員で読み込んでいったり、研究方法を身につけるために簡単な研究をしたりします。研究方法は専門分野によって異なりますが、文献や先行研究を調べたり、中にはアンケートをとったり実験をしたりといったことを行う場合もあります。こうして知識と技術を身につけたら、いよいよそれぞれのテーマでの卒業研究が始まります。順調に単位を取得できていれば、4年次はほとんどの時間を卒業研究に費やせるでしょう。人間科学は、「人間とは何か」を突き詰める学問ですから、答えがはっきり決まらないことも多くあります。それだけに難しさもありますが、その中でも1つひとつ根拠を積み重ねて、論理的に自分なりに答えを導きだすというのは、正解がない学問だからこその楽しみだといえるかもしれません。

人に興味があるなら向いている

人間科学は、どんな形でも「人」というものに興味をもっている人に向いています。例えば、人がどうして非合理的な行動をとるのか気になる、組織をうまくまとめる方法が知りたい、自分のことをもっと深く理解したい、家族や友人など身の回りの人の心に寄り添ってあげられるようになりたいなど、具体的なものでもぼんやりしたものでも、それが人に関することならば、人間科学の分野なのです。もし、人間について、その体のしくみや心理、行動など、何かしら疑問に感じたり興味を抱いたりしているなら、人間科学はぴったりの学問といえるでしょう。人間科学はまだ歴史が浅く、体系が確立されていない学問です。そのため、斬新なテーマでも挑戦しやすい土壌があるのです。その一方で、あらゆる学問とつながりがあるため、ほかの学問の手法や研究を借りて、研究に生かすことができます。独自の観点から何か新たな発見をしたいと考えている人にとっては、非常に挑戦しやすく、またやりがいのある環境が整っているといえるでしょう。

複数の学問で迷っていたら、人間科学もひとつの選択肢

人間科学が対象とするのは、人そのもの、そして人に関すること全般です。そのため1年次には幅広く一般教養を学び、基礎的な知識を網羅的に身につけていくことになります。具体的な専攻やコースを2年次への進級時に選択できる大学もあるなど、大学に入学してから自分の興味関心を見極める猶予があるともいえるでしょう。もし、今、複数の学問で迷っているのなら、人間科学を選択するといいかもしれません。例えば、心理学と社会学で迷っているといった場合、どちらも人間科学に含まれる分野ですから、一般教養科目などで学べます。そのうえで、2年次に改めて専攻を選ぶことができるかもしれません。あるいは、仮に2年次に専攻が選べなくても、人間科学ならその両方についてある程度専門的な学びもできるのです。もちろん、その場合には大学選びの段階でしっかり調べる必要がありますが、複数の分野で迷っているときには、人間科学という選択肢を考えてみてもいいかもしれません。

人間科学 学びのフィールド

人間に関するあらゆることを科学的に解き明かしていこうとするのが人間科学です。遵って、どんな学問も人間科学とは密接にかかわっているといえます。代表的なのが、心理学や教育学、社会学です。人の心や成長、集団としての人について研究するこれらの学問は、人間科学の中に含まれるといってもよいでしょう。また、文学や哲学、倫理学など、人の考えや行動について解き明かそうとする学問も同様です。ほかにも、生物学や人類学、生理学やスポーツ科学など、人が対象となり得る学問については、そうした領域においては人間科学と重なります。

<自然科学・工学系>

●人類学
生物としての人類の特徴や、他の霊長類と人類の違いを考えることなどを通して、人間とは何かを考える。

●生命科学
生命の神秘を科学的に明らかにすることを通して、人の生命について考える。

●人工知能・ロボット工学
計算機や機械で人間の脳や体の機能を模倣することを通して、人間の脳や体の仕組みを考える。

●人間工学
人間の体や精神の特徴を理解した上で、労働環境や生活環境など、人をとりまく空間やモノを設計する。

<人文科学系>

●哲学・歴史学
哲学では人間や社会とは何かについて、人間の内面から考える。歴史学では、人間が時代の流れをどう捉えてきたかや、時代時代の考え方の研究などを通して、人間や社会とは何かを考える。

●心理学
人の心の動きや行動について研究することを通し、人間について考える。

<社会科学系>

●社会学
人間が作ってきた社会、社会の中の人間について考えたり、社会の特徴を考えることから、人間の本質に迫る。

●法学
人権とは何かなど、法律の側面から人間について考える。

人間科学とは

人間科学とはどんな学問?

人間科学は、「人間とは何か」という問いに対し、人文科学、社会科学、自然科学のあらゆる領域からアプローチしていく学問です。人間に関することならなんでも研究テーマになり得るため、その広がりは大きく、挑戦のフィールドも多い学問だといえるでしょう。

・人間についてあらゆる観点から探究

人間科学とは、「人間とは何か」について探究する学問です。人間そのものへの深い理解を目指し、人文科学、社会科学、自然科学のあらゆる領域からアプローチしていきます。人に関することならなんでも研究テーマになり得るため、一つの学問の中に実に多彩な領域があります。例えば、人の体のしくみについて突き詰めたい、人の心について研究したい、人間関係や社会というものについて興味がある、人の運動能力について科学的に解き明かしたい、人の代わりになるロボットを作りたい…これらは一見無関係なようですが、すべて人に関することです。つまり、このどれもが観点によっては人間科学の範疇に入ると考えることができるのです。
もちろん、こうしたテーマを専門的に研究しようとすれば、医学や生物学、生理学、哲学、心理学、倫理学、文学、教育学、社会学、スポーツ科学、機械工学やロボット工学など、それぞれに適した専門の学問領域があります。
しかし、裏を返せば、人間科学はこれらすべてとかかわりがあるということになります。こうしたあらゆる学問を基礎として、そのうえで人間について考えようとするのが、人間科学という学問なのです。

・挑戦のフィールドが広い

人間そのものについての研究は古来より存在しますが、人間科学という学問としての歴史はまだそれほどでもありません。それだけにまだしっかりと体系づけられていないのが現状です。その一方で、体系づけられていないからこそ、何にでも挑戦できる土壌が広がっているといえます。
多くの大学では、人間科学部や人間科学科の下に学科やコースを設けています。選択のタイミングは出願時や2年生への進級時など、大学によって異なりますが、いずれにしても、人間科学という大きな枠の中から自分の専門を選んで学びを深めていくことになります。置かれている学科やコースは、心理学、教育学、社会学などが多く、哲学や文学、倫理学や福祉学などがある大学もあります。人間科学を学びたいと考えている人は、人についてどんな観点で探究したいのか、自分の興味を見極めることが必要になるといえるでしょう。

人間科学とほかの学問とのかかわり

人間に関することならなんでもテーマになるため、文系理系問わずあらゆる学問とかかわりをもっているといえます。代表的なのは心理学や教育学、社会学で、これらは人間科学の中に含まれるという考え方もあります。ほかにも、生物学や生理学、スポーツ科学、医学や工学系の分野まで、人間科学の分野は広がります。

・あらゆる学問とかかわりがある人間科学

人間に関するあらゆることを科学的に解き明かしていこうとするのが人間科学です。遵って、どんな学問も人間科学とは密接にかかわっているといえます。代表的なのが、心理学や教育学、社会学です。人の心や成長、集団としての人について研究するこれらの学問は、人間科学の中に含まれるといってもよいでしょう。また、文学や哲学、倫理学など、人の考えや行動について解き明かそうとする学問も同様です。
ほかにも、生物学や人類学、生理学やスポーツ科学など、人が対象となり得る学問については、そうした領域においては人間科学と重なります。

・人間科学は文理融合の学問

ほかの学問とどんなつながりがあるのか、具体例をあげてみましょう。
例えば医学は、病気の原因や症状、治療法について研究する学問ですが、人間の体のしくみや病について知るという観点から見れば、人間科学的な側面をもっているといえます。また、脳死を死と判断するかといった問題や、安楽死や尊厳死などの問題は、「人間とは何か」という人間科学の問いに深くかかわる問題といえるでしょう。精神医学の分野では、人の心を扱うという点で人間科学とのかかわりはより深くなります。
工学系の分野とのかかわりも密接です。デザイン工学や情報工学では顕著ですが、人が使うものは、人にとって使いやすいものでなくてはいけません。ほかにも、どんなものなら使いたいと感じるか、どんなインターフェースなら魅力的だと感じるかは、人の心を解き明かすことで見えてきます。また、人間に近いAIやロボットを作ろうとすれば、人の脳のしくみみや体の動きについて知らなくてはなりません。
このように、一見関係がなさそうに思える学問でも、人間がかかわっている以上、少なからず人間科学とかかわる部分があるのです。大学においては、人間科学と名のつく学部や学科は多くの場合文系に分類されますが、実は、文系理系問わずあらゆる学問と繋がり合う、文理融合の学問なのです。

人間科学の先生に聞く(取材協力:大阪大学人間科学部 綿村英一郎准教授)

人間科学ではこんな研究をしています

社会という枠組みの中で、他人とかかわることによって人の心理や感情、行動がどう変わるのかといったことを研究する社会心理学。その中で私たちが焦点を絞っているのが、裁判員裁判です。人はどのように量刑を決めるのかといったテーマや、事件や事故が起こったときのマスコミの非難対象の変遷などを研究しています。(大阪大学人間科学部 綿村英一郎准教授)

・集団の中での人の心理を解き明かす

人間科学の中でも、社会心理学を専門に研究しています。社会心理学とは、社会、つまり他者との関係の中で、個人の思考や感情、行動がどうなるかを研究する分野です。皆さんも覚えがあると思いますが、誰かと一緒にいるときには、気遣いをしたり周りの目を気にしたりすることで行動が変わったり、知らず識らず意見が引っ張られていたり、あるいはいつもならとるはずのない行動をとってしまったりといったことが起こります。1人でいるときと集団でいるときとでは、その心理に大きな違いが現れるのです。さらに、その集団の大きさや、他人なのか友人なのか、といった構成によってもまた変わってきます。
こうした心理、行動の変化について、実験やアンケート、データ分析などによって解き明かしていこうとするのが、社会心理学です。

・人はどのように人を裁くのか

その中でも私が研究しているのが、裁判での量刑判断についてです。日本では2009年に裁判員制度が始まり、一般人、言い換えると法律の素人が裁判に参加するようになりました。では、法律について詳しくない、これまでの判例についての知識もない人々は、どのように刑を決めるのでしょうか。なかでも、死刑と終身刑のように、人の生死にかかわる判断の場合、その決定にはどんな心理が働くのかといった点に注目しています。
さらに、事件や事故が起こったときのマスコミの報道についても研究しています。事件が起こったとき、マスコミは単に事実を報道するだけでなく、その被告を厳しく非難することがあります。まだ罪を犯したと決まったわけではなくても、そうだと決めつけたような報道はよく目にするところです。しかも、マスコミが非難するのは何も罪を犯したとされる側だけではありません。被害者がバッシングされることも少なくないのです。また、これが事故だった場合も、なんらかの非らしきものをみつけると、鬼の首でも取ったようにその一点に非難が集中することがあります。こうした非難対象の変遷はどうして起こるのか、どのように変遷していくのかといったことを明らかにしようと、研究しています。

人はどのように人を裁くのか
社会心理学について語る大阪大学人間科学部 綿村英一郎准教授

人間科学のここがおもしろい

個人だと合理的な判断ができるのに集団だと非合理的になってしまうなど、普段私たちが取る行動を掘り下げ、そのおかしさに気づけるのはおもしろさのひとつです。こうした人間のある意味で愚かな部分を知ることで、反対にポジティブな側面への理解も深まっていくと考えています。(大阪大学人間科学部 綿村英一郎准教授)

・人間の愚かさや賢さ、おもしろさを感じられる

一つは、人のおもしろさやおかしさ、あるいは愚かさや賢さといったものを垣間見られることではないでしょうか。私の専門である社会心理学でいうと、例えば1人なら合理的な行動が取れるにもかかわらず、集団になったとたんに非合理的な行動をしてしまうことがあります。客観的に、冷静に見るとおかしな行動だとわかるのですが、そのときはそれが正しいと感じてしまう、あるいは正しいとは思わなくてもそれに従ってしまうのです。
集団というのが想像しづらければ、恋人や、そうでなくても好きな相手といるとき、あるいは、大勢の前で発表するとき、サッカーW杯で盛り上がっているときなど、具体的なシチュエーションを考えてもらうとわかりやすいかもしれません。変にかっこつけようとして逆に変な行動をとってしまったり、緊張してかえって大きなことを言ってしまったり、周りの熱狂にのせられて、普段は見ないサッカーに熱狂してみたり、非合理とまではいかなくても、どうしてそんなことをするんだろうという場面は日常にたくさんあることに気づくのではないでしょうか。もちろん、反対に、集団だからこそ英断を下せるということもあります。
私の研究は、集団になると発生する怠けや、事件や事故が起こったときのマスコミの非難対象の変遷など、人の負の面に着目したものです。その根底には、ネガティブな面を理解することで、ポジティブな部分への理解にもつながるのではないかという考えがあります。人のおかしさや愚かさについて知ることが、ひるがえって人のおもしろさや賢さを知ることにもなるのではないかと思うのです。それが、人間科学を学ぶ楽しさの一つではないでしょうか。

・多様な人が集まるからこそのおもしろさ

人間科学は、広く、人間のことを理解しようとする学問です。ですから、同じ学問を学ぶ人の中にも、さまざまな興味の方向性をもった人がいます。自分と違う考え方や物の見方をもった人にたくさん出会い、切磋琢磨しながら学びを深めていけるのは、人間科学ならではの特徴かもしれません。

人間科学の学生に聞く(取材協力:大阪大学人間科学部 学生)

人間科学を選んだ理由

人の行動分析に興味があったのですが、それだけでは学部を絞りきれずにいました。そこで、人間に関することを幅広く学べる人間科学部を選択。1年間は興味のある学問を広く浅く学び、そのうえで専門を選ぼうと考えました。(大阪大学人間科学部 学生)

・興味の方向が変わっても対応できる

高校時代に大学名でなく、何を学ぶかに焦点をおいていたので、どの学部でどんなことを学べるかをあれこれ探りました。そこで浮かび上がったのが心理学だったのですが、「心理学部」というくくりになってしまうと、どうしても学びの幅が狭くなってしまうと思い、より広く学べる人間科学部を選ぶことにしたんです。また、仮に進学してから興味の方向が変わったとしても、多彩な領域のある人間科学部ならある程度対応できるだろうと考えたためです。それもこの学部を選んだ理由の一つでした。進路を選ぶのは高校3年生の自分ですが、実際に大学生活を送るのは未来の自分。4年間、充実した時間を過ごせる家を探すような感覚で、納得できる学部や大学を選びました。

・幅広く基礎を学んでから専門を決定

人の行動を分析したいという思いはあったのですが、それだけでは経済学、心理学、社会学などさまざまな学問に当てはまってしまい、進路が絞りきれずにいました。そこで、どれか一つに絞るのではなく、そのすべてに触れられる人間科学部を選択しました。どんな分野で、どんなふうに学びを深め、研究していくかについては、それぞれの基礎を学んでからでも遅くはないと考えたんです。多くの分野を学んだ中で興味をもったのが社会心理学だったというわけです。研究室もそれに合ったものを選択し、人と人とのかかわりによって生まれる行動やその心理について研究しています。

こんなふうに人間科学を学んでいます

1年次には人間科学に関するあらゆる分野を横断的に学び、2年次の後半に専攻を決めます。1年半基礎を学ぶ期間があったおかげで、いたずらに学びの幅を狭めることなく、本当に興味のある分野に出会えたと感じています。同じ研究室でも研究テーマはさまざまで、いつも刺激を受けています。(大阪大学人間科学部 学生)

・興味を見極め、徐々に専門分野へ

1年次に幅広い分野を学習します。私の大学では人間科学部の中に4つの学科目があるのですが、そのすべてを横断的に学び、またそれぞれの基礎を身につけていきました。2年次の後期にはその学科目の中から自分の専攻を選び、より専門的な学びに入ります。1年半の基礎的な学びの中で自分の興味を見極め、選ぶ機会があるというのは、学びの幅を広げておきたかった私にとってはとてもいい環境でしたね。専攻が決まってからは演習や実験形式の授業もあり、その中で研究の方法やより深い知識を習得することができました。
 今は、「人は人をどのように裁くか」といったテーマで研究しています。その人自身の判断基準と、役割を与えたときの基準とではどんな違いがでるか、法や倫理が定める「こうあるべき」という基準と人の行動を比べるとどうなるかなど、一つのテーマでも興味はつきません。また、同じ研究室内でも実に多種多様な研究テーマがあり、そのどれもが独自性に富んでいますから、いつも刺激を受けています。

興味を見極め、徐々に専門分野へ
行動心理について発表する学生(大阪大学人間科学部)

実際に人間科学を学んでみて

研究のために行った実験で痛感したのが、人間を対象とすることの難しさです。実験方法を考えるだけでも不確定な要素が多く、文字通りの試行錯誤の毎日。答えが決まる問題ではないので大変になるんです。それでも何かを生み出したりみつけ出したりといったよろこびは大きいと感じています。(大阪大学人間科学部 学生)

・答えの出ない問いに立ち向かうおもしろさ

集団パフォーマンスについて、なかでもユニフォームの効果やファンとアンチの心理についてあれこれ考察しています。この学びで痛感させられるのが、人間を対象とした研究の難しさとおもしろさです。例えば、2つのチームにそれぞれ色の異なるビブスをつけてもらっていろいろと取り組んでもらうという実験をしたことがあるのですが、思うような結果が得られませんでした。チームのメンバー構成や種目、そもそもビブスという簡易的なものはユニフォームとして効果を発揮するのかなど、不確定な要素が多すぎて、一体何が行動に影響しているのか、分析できるようなデータが得られなかったんです。それでも一つのことを知るためには、人間の心理の複雑さを考えて、実験方法を熟考する必要があることがしっかり学べました。
また、実験やアンケートをするとき、被験者はどうしても「被験者」としての役割を感じてしまいがちというのも、この研究では念頭に入れておかなければならないことを思い知らされました。人間は無意識のうちに、いつもとは違う行動をしたり、相手が求める回答をしようとしたりしてしまうことがあるのです。
理系の学問であれば、実験のたびに同じ答えが出ることを繰り返していけば結果が得られますが、人間科学は答えの出ない問いに立ち向かう学問です。それだけに壁にぶつかることも多いですが、それを乗り越えたときのよろこびはその分、大きいものになりますよ。

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