体力やパフォーマンスの維持・向上のために必要となるスポーツ栄養学を研究
「健康増進や競技力向上のために、栄養管理を学問的にサポートするのがスポーツ栄養学です」と語る鈴木志保子教授
運動をおこなっている人たちの栄養管理を考えるスポーツ栄養学
スポーツ栄養学というのは、病気の治療や回復を目的にするのではなく、元気にイキイキと生活するために、体力やパフォーマンスの維持・向上のために必要となる栄養学です。トップアスリートをはじめとした限られた人々のための学問と思われがちですが、実は部活動に打ち込む小・中・高校生や、メタボの解消や予防のために運動をしている社会人の方、健康のために週2回のウォーキングをしている高齢者などもその研究の対象になります。
人間は体を維持するだけでも、エネルギーや栄養素をとらなければなりません。運動によって活動量が増えれば、エネルギーや栄養素の不足が起こらないように、より多くのエネルギーや栄養素をとらなければなりません。
ところが、いまの日本では、エネルギー源となる糖質、たんぱく質、脂質の摂取不足によるエネルギー不足に陥っている人たちが増えています。「空前の健康ブーム」と一部でいわれてはいますが、まちがった健康観が蔓延しているためだと考えています。
エネルギー不足に陥っている発育期の子どもたち
たとえば、小・中学校では、発育期にある子どもたちの過度な運動という問題が起きています。
部活動をがんばったのなら、その分たくさん食べればいい、と思うかもしれません。
しかし、胃の大きさは決まっているので、食べる量には限界があります。エネルギーの摂取量が消費量に比べて少なければ、発育に影響を及ぼしてしまいます。重要なのは、体の発育に必要なエネルギーや栄養素が、食事を通じてきちんと確保されているか、なのです。
とくに競技へ本格的に取り組んでいる子どもの場合、もっともっと練習して強くなろうと本人や周りも望みますから、練習量が増え、エネルギー不足という状態に拍車がかかってしまう可能性が高くなります。
発育期では一般に、身長が伸びればそれに応じて体重も増えていくものですが、競技をしている子どもたちの間では、身長が伸びているのに体重が増えないという例がたくさんあります。身長が伸びているのに体重が増えないということは、中身の充実がうまくいっていないことを意味します。体はエネルギー不足で常に飢餓状態にさらされている状態と考えられ、高層ビルを建てているのに鉄筋が少ないスカスカのビルを建てているようなものなのです。
発育期のエネルギー不足は、子どもの将来にも影響する
こうした状態が続くと、女子の場合は大人になってからの不妊にもつながりかねない危険性があります。発育期にエネルギー不足の状態になると、子宮卵巣の発育が遅延し、初潮遅延や無月経の状態になります。身長が伸びているにもかかわらず体重が増えない、または、身長が伸びているにもかかわらず食べる量が変わらないということがあれば、エネルギー不足になっていると考えましょう。こうした問題があることを、スポーツ指導に関わる指導者や保護者など、子どもの周りにいる大人にももっと知ってほしいと思っています。
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藍野大学 医療保健学部理学療法学科
高田 昌寛先生

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日本工学院八王子専門学校 スポーツ健康学科(2年制)
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山口県立大学 看護栄養学部
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健康と生活・社会の仕組みを学び、将来に活かす
藍野大学 医療保健学部健康科学科
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