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農学

農学

農業に関わる理論と技術を研究し、環境保全に寄与する

食料となる穀物や野菜、動物、さらには住居や衣服となる植物など、私たちが生活のために利用するあらゆる生き物を対象に、その生産から販売の各過程について研究するのが農学です。育てて消費するというだけでなく、それが将来にわたって持続可能になるよう、さまざまな角度から探究していきます。農業実習や加工実習、フィールドワークなど、実体験を通じた学びが多いのも特徴です。卒業後の進路としては、食品関係の企業に就職する人が多数を占めますが、流通や販売についても学ぶため、そうした強みを生かす道もあります。

農学の学び方

農学の研究対象は、生活に必要なすべての生命
農学は、私たちの食糧となる穀物や野菜、牛や豚などの家畜、さらには魚、また、住居や衣服となる木材や木綿、そして装飾品として使われる花や真珠といった生き物を飼育・栽培し、それらをそのまま、あるいは加工して利用するといったことについて研究する学問です。農業というと、耕作や畜産などがイメージされやすいですが、実はその対象は多岐にわたり、私たちの生活のために利用されるすべての生命を生み出す活動が、農学という学問に含まれるといっていいでしょう。
目指すのは、将来にわたって持続していける手法
農学の最大の目的は、こうした生命を生み出し利用するだけでなく、それが将来にわたって持続可能となるようにすることです。命は、何もないところからは生まれません。無計画に消費し続けていれば、いつかは使い尽くしてしまいます。その種が絶滅してしまえば、同じものは二度と生まれません。また、気象条件などが良く豊作になっても、需要に対して供給が多過ぎれば収穫物は無駄になってしまいますし、需要と供給の量がかみ合っていても、流通や販売の経路が整備されていなければ利益にはなりません。あらゆる条件をクリアして初めて持続可能なシステムが整うのです。そうした体系を作り上げるには、作物や家畜の育て方といった生産の部分だけでなく、加工、流通、販売、環境、そして未来を担う人材育成など、さまざまな領域を研究し、最適な方法をみつけだす必要があります。その役目を果たすのが農学です。つまり、生活に利用するあらゆる生命の生産から販売、そして後進の育成まで、その全般を研究する学問というわけです。これを細分化すると、農芸化学や農業経済学、農業工学といった学問分野に分類できます。農学は、私たちの衣食住を支えるだけでなく、流通や経済といった社会的な活動や、他の種を守ることにも貢献することのできる学問。命を育み、守り、そしてつないでいくための手法を追究するという、私たちの生活に欠かすことのできないものなのです。
幅広い学習内容で研究テーマも多彩
1、2年次は生物学や化学といった基礎科目から、経済学や栄養・食物学、環境科学や教育学に関することまで網羅的に学び、さらに、生産、加工、流通、販売、そして教育といった知識を身につけていきます。その学びは幅広く、農業について多角的に理解を深めることになります。学年が上がるとより専門的な授業が行われるようになります。そして、3年次から研究室に配属され、学びを深めながら、4年次までじっくり研究をするというのが一般的です。学びが広いだけに、農作物の品種改良、水産物の養殖、発酵や調味料などの食品加工、食品の需要と供給のバランス、環境汚染など、その研究テーマは実に多種多様にあります。何にでも挑戦できる環境が整っているともいえますが、その分、自分の興味ある分野をしっかりと見きわめていくことが重要になります。
実習や体験型の授業で理解を深める
農学を学ぶうえで欠かせないのが実体験です。農業実習や加工実習など、多くの大学ではたくさんの実習が設けられています。さらに、フィールドワークなど、流通や販売について、現場で学べる機会もあります。実際に体験し、肌で感じることで、それぞれの過程の仕組みや流れについて深く理解し、また、農学の全体像を把握することができます。座学で知識を詰め込むだけではなく、自分で体を動かすことで、初めて本当に生きた知識が身につくのです。大学によって、どんな施設、設備があるか、どんな実習、体験ができるのかは大きく異なります。田畑や牧場のある大学もあれば、大きな生簀で養殖の実験をできるところもありますし、発酵食品を実際に作れる施設を有している大学もあります。自分が惹かれる研究ができるかどうか、あるいは実習ができるかどうかはその大学の環境によって大きく変わってきますから、大学を選ぶときにはこうしたポイントもしっかり確認するようにしましょう。また、農学は私たちの衣食住に関するものを扱う学問ですから、その対象は身の回りにたくさん存在します。毎日の食事や来ている洋服、住んでいる家、そしてスーパーに並ぶ加工食品やその保存方法、売れ行きや値段など、見渡してみると、あらゆるところに学びを深めるヒントは転がっています。普段の生活の中でも意識してみることで、より理解を深められる学問といえるでしょう。
生活を豊かにする手法を探る
自分たちの衣食住がどのように支えられているのかといったところに興味がある人には、農学は最適です。農学系の学部や学科では、私たちが食べるものはもちろん、着るものや住む場所、装飾品といったものがどのように生み出され、どのように私たちの手元に届くのかといった仕組みを学ぶことができます。より専門的な学びになると、そこからさらに踏み込んで、それらをより効率的に生産したり、新しい製品を生み出したりする方法であったり、流通や販売といった切り口から経済発展に貢献するような仕組みを作り出したり、農学的な観点から環境問題について考えたりと、さまざまなテーマで学び、研究することができます。これらはすべて私たちの生活に密接にかかわる問題です。これらの問題を解決することは、そのまま生活をより豊かにすることにつながっているのです。そういった意味では、自分や人々の生活をより豊かにしたい、その方法を探ってみたいという思いをもっている人にとっても、農学は非常にやりがいのある学問だといえます。
生き物についての学びを実社会に生かす
生き物が好き、あるいは生き物に興味があるということで、農学を選ぶ人も少なくありません。生き物を対象とした学問には、ほかにも生物学やバイオ・生命科学、医学や獣医学などがあります。生物学は基礎科学で、ほかの応用科学の基礎となる知識体系の構築を目指す学問です。また、バイオ・生命科学は、生き物を細胞や分子のレベルで研究し、それを食品や医学に活用します。医学や獣医学は、人や、ペットや家畜を中心とした動物の健康や病気の治療について研究します。こうした類似の学問と比較すると、植物や動物を育て、そしてそれをさまざまな形で利用する農学は、生き物により深くかかわることができ、より自分たちの生活に密着したテーマを学べるといえるでしょう。生き物が好きというなかでも、実際に生き物に触れて学ぶことや、学んだことを生活に生かす、あるいは実社会に役立てるといったことに重点をおいて考えるのならば、農学は最も近い学問といえるでしょう。

農学 学びのフィールド

農学は、食料となる植物や動物、住居などに利用する木材、さらにいえば装飾品となる真珠など、私たちが利用するあらゆる生命を研究対象としています。ですから、牛や豚、鶏といった家畜に関して研究する畜産学や、漁業や養殖に関する水産学、そして林業に関する森林科学などは、広い意味での農業に内包されます。また、単に作物を育てて出荷するというだけでなく、生産から販売までの過程すべてが農学の領域には含まれていますから、例えば流通や販売なら経済学、加工に関しては栄養・食物学、そして気象などの条件については環境科学といった学問が関連します。また、人材育成という面では、教育学も関係するといえるでしょう。

<農学>
●園芸学
果実、花弁といった対象ごとに、細密な研究をする。
●造園学
都市緑地計画などを環境を計画、デザインし、人と自然が調和する環境を研究する。
●緑地・環境学
人類の生存にかかわる環境問題について考察する。
●昆虫学
害虫の駆除についての研究や有用昆虫についての研究をする。
●植物生理学
植物(作物)を生産するうえで欠かせないエネルギー代謝・物質の輸送と伝達などを解明する。
<農業工学>
●農業土木学
農地の整備やかんがいのための水利構造物開発など生産基盤の整備を考える。
●農業機械学
農業機械や施設を少しでも向上させるための研究をする。
<農業経済学>
●農業生産経済学
農作物の原価計算や農業会計の原則を確立する仕組みを学ぶ。
●農業生産学
動物、植物、家畜の生産とその周辺の農業経営合理化の方法などを研究する。
●農家経済学
地域の規模を考え、そこから見た農業計画を考察する。
<農芸化学>
●生命工学・応用生命科学
分子・細胞レベルから固体レベルにいたるあらゆる手法で生命現象を解明する。
●応用生物学・応用生物科学
蚕糸など天然素材の研究を基盤としながら、遺伝子工学や細胞工学などバイオテクノロジーの分野に領域を広げて研究する。


農学とは

どんな学問?
食料となる穀物や野菜、動物、さらには住居や衣服となる植物など、私たちが生活のために利用するあらゆる生き物を対象に、その生産から販売の各過程について研究するのが農学です。育てて消費するというだけでなく、それが将来にわたって持続可能になるよう、さまざまな角度から探究していきます。
・農学の研究対象は、生活に必要なすべての生命
農学は、私たちの食料となる穀物や野菜、牛や豚などの家畜、さらには魚、また、住居や衣服となる木材や木綿、そして装飾品として使われる花や真珠といった生き物を飼育・栽培し、それらをそのまま、あるいは加工して利用するといったことについて研究する学問です。
農業というと、耕作や畜産などがイメージされやすいですが、実はその対象は多岐にわたり、私たちの生活のために利用されるすべての生命を生み出す活動が、農学という学問に含まれるといっていいでしょう。
・目指すのは、将来にわたって持続していける手法
農学の最大の目的は、こうした生命を生み出し利用するだけでなく、それが将来にわたって持続可能となるようにすることです。命は、何もないところからは生まれません。無計画に消費し続けていれば、いつかは使い尽くしてしまいます。その種が絶滅してしまえば、同じものは二度と生まれません。また、気象条件などが良く豊作になっても、需要に対して供給が多過ぎれば収穫物は無駄になってしまいますし、需要と供給の量がかみ合っていても、流通や販売の経路が整備されていなければ利益にはなりません。あらゆる条件をクリアして初めて持続可能なシステムが整うのです。
そうした体系を作り上げるには、作物や家畜の育て方といった生産の部分だけでなく、加工、流通、販売、環境、そして未来を担う人材育成など、さまざまな領域を研究し、最適な方法をみつけだす必要があります。その役目を果たすのが農学です。
つまり、生活に利用するあらゆる生命の生産から販売、そして後進の育成まで、その全般を研究する学問というわけです。これを細分化すると、農芸化学や農業経済学、農業工学といった学問分野に分類できます。
農学は、私たちの衣食住を支えるだけでなく、流通や経済といった社会的な活動や、ほかの種を守ることにも貢献することのできる学問。命を育み、守り、そしてつないでいくための手法を追究するという、私たちの生活に欠かすことのできないものなのです。
ほかの学問とのかかわり
生産、加工、流通、販売のすべての工程を学び、栄養・食品学や経済学、環境科学などの知識も身につけていくことになります。また、生き物を扱う学問には、生物学やバイオ・生命科学、医学、獣医学などがありますが、そのなかでも農学は、私たちの生活に一番身近なテーマを扱う学問だといえます。
・経済、食品、環境など、あらゆる要素がかかわる
農学は、食料となる植物や動物、住居などに利用する木材、さらにいえば装飾品となる真珠など、私たちが利用するあらゆる生命を研究対象としています。ですから、牛や豚、鶏といった家畜に関して研究する畜産学や、漁業や養殖に関する水産学、そして林業に関する森林科学などは、広い意味での農業に内包されます。
また、単に作物を育てて出荷するというだけでなく、生産から販売までの過程すべてが農学の領域には含まれていますから、例えば流通や販売なら経済学、加工に関しては栄養・食物学、そして気象などの条件については環境科学といった学問が関連します。また、人材育成という面では、教育学も関係するといえるでしょう。
・生き物を扱う学問の違い
生き物を対象とした学問といえば、生物学やバイオ・生命科学、医学、獣医学などが挙げられます。これらの共通点は、生き物に関して、多彩な知識を身につけ、深い理解をしていくということです。その研究は、環境問題や生態系といった地球規模のスケールから、分子のスケールまでにわたります。
それぞれの違いは、どんなことを目指すかというところにあります。まず農学は、人間が生き物を利用することに役立てるのですから、その対象は人間が利用する生き物に限ります。また、生産、加工、流通、販売といった一連の流れの研究を通じて、持続可能な供給システムを構築しようとします。
生物学は、あらゆる生物を対象とし、その知識は生態系の保存に役立てられます。ほかの学問は応用科学ですが、生物学は基礎科学です。
バイオ・生命科学は、生き物のしくみを細胞や分子のレベルで解明し、私たちの生活に役立てようとする学問です。この技術は、遺伝子組み換えによる品種改良や、医学・薬学などに役立てられます。
医学と獣医学は、人や、それ以外の動物について、その健康や病気の治療法を研究する学問です。獣医学の場合、主にペットや家畜が対象となります。
同じ、生き物を対象とした学問にもさまざまありますが、そのなかでも農学は学びの幅が広く、また、私たちの生活に一番密着した学問だといえるでしょう。
何をどのように学ぶか
まずは、生物学や化学といった基礎科目と合わせて、生産から販売にいたるまでの各過程について網羅的に学びます。学年が上がるごとに学びは専門的になりますが、そのテーマは実に多彩です。また、農業実習や加工実習、フィールドワークなど、実体験を通じた学びが多いのも特徴です。
・幅広い学習内容で研究テーマも多彩
1、2年次は生物学や化学といった基礎科目から、経済学や栄養・食物学、環境科学や教育学に関することまで網羅的に学び、さらに、生産、加工、流通、販売、そして教育といった知識を身につけていきます。その学びは幅広く、農業について多角的に理解を深めることになります。
学年が上がるとより専門的な授業が行われるようになります。そして、3年次から研究室に配属され、学びを深めながら、4年次までじっくり研究をするというのが一般的です。学びが広いだけに、農作物の品種改良、水産物の養殖、発酵や調味料などの食品加工、食品の需要と供給のバランス、環境汚染など、その研究テーマは実に多種多様にあります。何にでも挑戦できる環境が整っているともいえますが、その分、自分の興味ある分野をしっかりと見きわめていくことが重要になります。
・実習や体験型の授業で理解を深める
農学を学ぶうえで欠かせないのが実体験です。農業実習や加工実習など、多くの大学ではたくさんの実習が設けられています。さらに、フィールドワークなど、流通や販売について、現場で学べる機会もあります。実際に体験し、肌で感じることで、それぞれの過程のしくみや流れについて深く理解し、また、農学の全体像を把握することができます。座学で知識を詰め込むだけではなく、自分で体を動かすことで、初めて本当に生きた知識が身につくのです。大学によって、どんな施設、設備があるか、どんな実習、体験ができるのかは大きく異なります。田畑や牧場のある大学もあれば、大きな生簀で養殖の実験をできるところもありますし、発酵食品を実際に作れる施設を有している大学もあります。自分が惹かれる研究ができるかどうか、あるいは実習ができるかどうかはその大学の環境によって大きく変わってきますから、大学を選ぶときにはこうしたポイントもしっかり確認するようにしましょう。
また、農学は私たちの衣食住に関するものを扱う学問ですから、その対象は身の回りにたくさん存在します。毎日の食事や着ている洋服、住んでいる家、そしてスーパーに並ぶ加工食品やその保存方法、売れ行きや値段など、見渡してみると、あらゆるところに学びを深めるヒントは転がっています。普段の生活のなかでも意識してみることで、より理解を深められる学問といえるでしょう。
こんな人に向いている
私たちの衣食住に密接にかかわる学問ですから、それらに興味がある、あるいはそうした切り口から生活を豊かにする方法を探りたいという思いがある人には、農学が向いているでしょう。また、生き物が好きで、なおかつ大学での学びを実生活や実社会に生かしたいと考えているなら、農学はぴったりの学問です。
・生活を豊かにする手法を探る
自分たちの衣食住がどのように支えられているのかといったところに興味がある人には、農学は最適です。農学系の学部や学科では、私たちが食べるものはもちろん、着るものや住む場所、装飾品といったものがどのように生み出され、どのように私たちの手元に届くのかといったしくみを学ぶことができます。
より専門的な学びになると、そこからさらに踏み込んで、それらをより効率的に生産したり、新しい製品を生み出したりする方法であったり、流通や販売といった切り口から経済発展に貢献するようなしくみを作り出したり、農学的な観点から環境問題について考えたりと、さまざまなテーマで学び、研究することができます。
これらはすべて私たちの生活に密接にかかわる問題です。これらの問題を解決することは、そのまま生活をより豊かにすることにつながっているのです。
そういった意味では、自分や人々の生活をより豊かにしたい、その方法を探ってみたいという思いをもっている人にとっても、農学は非常にやりがいのある学問だといえます。
・生き物についての学びを実社会に生かす
生き物が好き、あるいは生き物に興味があるということで、農学を選ぶ人も少なくありません。生き物を対象とした学問には、ほかにも生物学やバイオ・生命科学、医学や獣医学などがあります。生物学は基礎科学で、ほかの応用科学の基礎となる知識体系の構築を目指す学問です。また、バイオ・生命科学は、生き物を細胞や分子のレベルで研究し、それを食品や医学に活用します。医学や獣医学は、人や、ペットや家畜を中心とした動物の健康や病気の治療について研究します。
こうした類似の学問と比較すると、植物や動物を育て、そしてそれをさまざまな形で利用する農学は、生き物により深くかかわることができ、より自分たちの生活に密着したテーマを学べるといえるでしょう。生き物が好きというなかでも、実際に生き物に触れて学ぶことや、学んだことを生活に生かす、あるいは実社会に役立てるといったことに重点をおいて考えるのならば、農学は最も近い学問といえるでしょう。
卒業後の進路と将来の展望
食品関係の企業に就職する人が多数を占めますが、流通や販売についても学ぶため、そうした強みを生かす道もあります。また、貿易や環境問題、乱獲の問題など、日本、そして世界の農業がさまざまな課題を抱えている現代。これらの課題を解決していくためにも、農学はますます重要になっていくでしょう。
・食品関係を中心に幅広い就職先が
農業や漁業、林業といった職業に就き、生産の現場で活躍する人もいます。農学の学びは生産から、加工、流通、販売と幅広いため、それ以外にもさまざまな道があります。例えば、食品に関する学びから、管理栄養士の資格を取得する人もいますし、食品加工業など、食品関係の企業に就職するのも一つのコースのようになっています。
しかし、流通・販売に関する学びは、小売・卸業などで生かせますし、製品を販売する企業ならどこでも活躍できる道があるといえます。学びを通じてマーケティングの知識を身につけ、広報系の職種に就く人もいます。また、生き物を扱う分野だけにその研究は時間がかかることが多く、もっと研究したい、さらに突き詰めたいという思いから大学院に進学する人も少なくありません。
農学は、農業などの生産分野だけでなく、私たちが利用するあらゆる生命に関して、その生産から販売まで、そのシステムを研究し、将来にわたって持続可能な方法を構築しようとする総合的な学問です。それだけに卒業後の進路も多彩なのです。
日本の、世界の農業を支えていく
農業や漁業を営む人々の間では、「家業を継ぐというのが当たり前」と考えられていた時代もありました。しかし、国内農業人口の減少や、海外の安い製品の流入、TPPの問題など、現代の日本の農業を取り巻く環境は決して安泰とはいえません。事業として継続させていくには、農学をはじめとする専門的な知識をもっていることが重要になってきています。
また、水質汚染や地球温暖化やそれによる異常気象、また、乱獲による生態系の変化は、農業にも大きく影響を及ぼします。これまで獲れていた魚が獲れなくなったり、作物の収穫量や時期の予想が困難になったり、過剰な豊作や不作に陥ったり、あるいは、その種が絶滅の危機に瀕するなど、私たちの生活にもダイレクトに響く難問が山積みになっています。これらは、地球規模の問題です。日本だけでなく、地球規模で、農業の持続可能性を考えなくてはならない時代になっているのです。
農学は、ただ農業に関する知識を得るだけでなく、日本の、そして世界の農業を、ひいては人類の生活を守り、そして豊かにするための学問。大学で農学を学ぶことの意義はこうしたところにもあるのです。

農学の先生に聞く(取材協力:近畿大学 農学部水産学科 澤田好史教授)

こんな研究をしています
クロマグロをはじめとする水産資源の養殖技術の開発や、品種改良などに取り組んでいます。養殖技術がいっそう向上し、さらに品種改良によって育てやすい品種などが作れれば、生態系に影響を及ぼすことなく、人の需要に合わせた安定供給ができるようになります。それを目指して、日夜研究しています(近畿大学 農学部水産学科 澤田好史教授)。
・世界初のクロマグロの完全養殖に成功
マグロ、なかでもクロマグロは日本人にとって身近な食べ物ですが、太平洋のクロマグロは絶滅危惧種に認定されるなど、その数は年々減少しています。日本人の食生活が、生態系に危機をもたらしているのです。日本を含め、各国の政府は漁獲量に制限を設けるなどして対応していますが、それは私たちの食生活を大きく変えることになります。そこで、需要に合わせた安定供給のために多くの研究者が取り組んできたのが養殖。クロマグロをはじめ、日本のほとんど全ての養殖種を対象に養殖技術の開発に取り組む近畿大学の水産増殖学研究室では、長年クロマグロの養殖を研究に取り組み、2002年に世界初となる完全養殖に成功しました。完全養殖とは、養殖した魚が成魚となり、それが親となって、産卵、そこから孵化してまたそれが親となりといった、いわゆる天然の魚に頼らずに持続的な養殖を行うことです。この完全養殖の技術が確立され、安定供給ができるようになれば、私たちは食生活を変える必要がなくなります。そして、クロマグロと、それを取り巻く生態系も守ることができるのです。
現在、完全養殖に成功したものの、孵化から1カ月ほどで9割が死んでしまうなど、まだまだ課題は山積みです。こうした数々の課題の解決を目指し、日夜研究をしています。
・品種改良でより安定した供給を
魚などの水産資源は、長い間海から獲ってくるのが当たり前でした。しかし、現代では、スーパーにいけば天然ものと養殖ものが同じくらい並んでいます。それだけ養殖技術が発達した証と言ってもいいでしょう。そして、それによって可能となってきたのが、水産資源の品種改良です。これまで、農作物や畜産物に関してはさまざまな品種改良が行われてきましたが、それは畑や牧場、厩舎などの限られた範囲で育てられていたからです。もし自然界で品種改良をしたら、そこの生態系はたちまち崩れてしまうことになります。当然、海の中でも同じです。しかし、水産資源を生簀や水槽で育てることができるようになった今、これらの生き物も、農作物や畜産物と同じように、生態系に影響を与えることなく品種改良できる環境になってきたというわけです。品種改良を重ねて、病気に強いものや成長の早いものを作れればそれだけ供給は安定しますし、トロばかりのクロマグロなんていうものも生み出せるかもしれません。その可能性を探って、遺伝子レベルでの研究を進めているところです。
持続可能な食糧供給のプロセスを確立することで、人の食生活を守り、生態系も保護する。そんな意義ある研究です。
農学のここが面白い
生き物を相手にする学問ですから時間はかかりますし、思いどおりにいかないこともあります。しかし、成果が出たときの達成感は困難な分だけ大きいものになりますし、人類に貢献する研究はやりがいがあります。今、農学においては日本の若者が世界で活躍できる時代。ぜひ、野心をもって取り組んでほしいです(近畿大学 農学部水産学科 澤田好史教授)。
・生き物相手だからこその難しさ
農学の難しさでありおもしろさでもあるのが、生き物相手の研究だということです。当然、一回の実験をするにも時間がかかりますし、思いどおりにことが運ぶとは限りません。一度うまくいったとしても、次にうまくいくとは限りません。研究の成果を出そうとすると、途方もない時間がかかるのです。また、せっかく手法が確立できたと思っても、同じ生き物でも時や場所によって違う特性をもつことがあるのです。
さらに、農学が追い求めるのは、私たちの生活を支える生命の生産と安定供給です。江戸時代は捨てられていたというトロが、今では高級な部位とされているように、消費する人間側が求めるものも、当然時代や場所によって変わってきます。
これだけ変化に富んだものを扱うだけに、その研究は一筋縄ではいきません。しかし、だからこそ、何かひとつでも答えをみつけたときには、大きな達成感を味わうことができます。また、生活に密着した学問だけに、その研究が人々の幸せに直結するというのも、やりがいを感じられるところです。もし、需要に合わせて、安定した供給ができるようになり、しかもそれが将来にわたって無理なく続けていけるものであれば、私たちの生活の悩みはひとつ消えることになります。そしてそれは、自分の周りだけでなく、日本、そして人類への大きな貢献となるのです。
・農学を通じて世界にはばたく
2013年、ユネスコの無形文化財に、和食が登録されました。そのすばらしさが、世界的に評価され、認められたということで、日本の食は今、世界から注目されているといっても過言ではないでしょう。つまり、今こそ、日本から、食文化、ひいては農業や農学について広めていけるチャンスだと私は感じています。
環境問題や乱獲、貿易問題などで世界の農業が課題に直面する現代、長い歴史と研究の中で高い農業技術をもっている日本こそが、その解決に向けて先頭を切っていけるのではないでしょうか。農業の問題を抱える国や、これから農業を発展させていこうとする国など、世界中に活躍の場は広がっています。そして、今を生きる皆さんだからこそ、こうした場で活躍していくことができるはずだと確信しています。

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