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弁理士の資格を目指す場合、どのような勉強や経験が将来的に役立つのでしょうか。弁理士は法律に関係する資格なので、社会科や国語など文系科目を中心に力をいれておけばいいイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。勉強以外にも学生時代にやっておいたほうがいいことも見ていきましょう。
英語はもちろん、アジア系の語学に注目
国際化が進むなか、最近では日本だけで特許を取るということは少なく、最初から海外も視野に入れて特許を取得する事例も増えているようです。そのため、外国語をきちんと勉強しておくと有利だと、話を聞いた弁理士は言います。
高校時代は英語の授業が中心となりますが、実は今、世界で一番商標の出願が多いのは中国という状況になっているそうです。実際に弁理士として働きはじめたときには、必要に応じて中国人の代理人に相談するのでも、もちろん構いません。
ただ、自分でも言葉を理解することができれば、依頼をしてきたお客さんに対して、有効なアドバイスができる場面が増えてくるはずです。
高校時代は、英語以外の外国語に触れる機会は少ないかもしれませんが、図書館などを利用して中国語や韓国語に触れたり勉強をしたりしておけば、将来きっと役に立つはずと、ある弁理士は言います。
ほかにも、人件費という面から最近ではタイやベトナムが注目を集めているほか、ミャンマーの特許制度も整いつつあるのが、世界の情勢のようです。ベトナム語をはじめ、アジア圏の言語に慣れ親しんでおくこともいいかもしれません。
文章作成の能力を磨くために
語学以外の面では、弁理士の仕事は文書を作成する機会が多いので、本をよく読んで文章力を付けることは、大事な取り組みの一つです。
弁理士には特許出願などの関係上、理系が得意であれば有利なケースもありますが、その一方で、文系的な作業が苦手だと苦労する面もあるそうなので、早いうちから文章に慣れ親しむ習慣をつけておくのがいいと、ある弁理士は言います。
特許庁や発明推進協会のホームページを見ると「発明とは」や「特許とは」という読み物がありますので、そういった知識を得つつ文章に触れるのもいいでしょう。
文章力を身につけるけるためには、本を数多く読むことも有効な方法の一つと言えますが、なかなか継続していくのは大変です。そのためには、好きなものであれば続けられる可能性も高まるはずですので、好きな小説を読むことは文章に慣れるという面ではおすすめの方法ではないでしょうか。
理系・文系とよく言われますが、実際には片方だけが得意という人も多く、機械系の研究者から弁理士になる人もいれば、商標や意匠を専門にしている人には文系出身が多くいますので、文系・理系を問わず目指せる職種と言えます。
弁理士という職種は、依頼者の発明の内容を理解する理系的な知識と、書類を作成するという文系的な能力の両方を必要される場面が多いようです。どちらも好きで得意であれば問題ありませんが、そうではなかったとしても、補うために高校時代からできることは多くありそうです。
取材協力先 久門 保子
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