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音楽療法士が仕事に就くとき悩んだことは?

音楽療法士が仕事に就くとき悩んだことは?

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音楽療法士の働き方には非常勤が多いこともあり、「音楽療法士として食べていけるのか」と不安に思う方が多くいます。音楽療法士は仕事に就くときにはどのようなことを考え、音楽療法士の道を選んだのでしょうか。さらに、非常勤で活躍する場合、音楽療法士以外の収入源をどのように確保しているのでしょうか。

音楽療法士の仕事以外にも収入源があると安心

音楽療法士の仕事以外にも収入源があると安心

音楽療法士を目指す方の多くは「音楽療法士の仕事だけで食べていけるだけの収入があるのか」と不安に思うことが多いようです。たしかに音楽療法士の資格取得後に、介護士などの資格を取得し、介護の仕事と音楽療法の仕事を兼務している人も多い印象があります。
音楽療法士一本でやる人が少ない理由としては、その働き方に非常勤が多いことが挙げられるでしょう。ただ、募集の数は少ないものの、常勤の勤務もあります。常勤で勤務する音楽療法士は、音楽療法士の仕事だけで問題なく生活できているようです。
私は、もともとピアノ教室を運営していたこともあり、現在でもピアノ教室の講師や大学での講演、さらにピアノリサイタルなどもやっています。音楽療法士の仕事以外にも収入源があると安心ではありますね。

正解がないからこそ模索し続けなければならない

私自身は、そこまで音楽療法士の仕事に就くときに悩んだことはないほうかもしれません。学生のころ、心理学にとても興味があり、音楽家の道とどちらに進もうか迷ったことがありました。音楽療法の存在を知ったときに「今まで培った音楽の技術を生かして、学生のころに学びたかったことが勉強できる」と迷わずに飛び込みました。ピアノ教室を運営していた30歳の時に「音楽療法」に出会い、さらにシンポジウムで恩師を紹介してもらって、音楽療法士になるために大学で単位を取得し受験資格を得ました。
音楽療法士になるまでの過程ではそこまで悩むことがなかった私ですが、逆に音楽療法士になってからは、常に「これでいいのか」と試行錯誤の毎日なので悩みっぱなしかもしれません。
音楽療法士になりたてのころ、先輩音楽療法士の仕事を見学させてもらったことがあります。自閉症の子どもが部屋の片隅でもくもくと遊んでいるなか、部屋の対角線上の隅っこでその先輩音楽療法士がひたすらピアノを弾いているだけの状態が一時間近く続いていたのです。当時の私は何をしているのかわからなかったのですが、なにもかも拒否してしまいがちなそのときの自閉症の子どもにとって、その音楽療法士と“同じ空間に共存していること”は、“相手を受け入れていること”にほかなりません。また、その子どもに受け入れやすい音量・テンポ・曲調も考え抜かれたピアノ演奏だったのです。とはいえ、その子どもが実際どのように感じているのか教えてくれるわけではありませんし、どのように感じていたのか今でも分かりませんが、その後の子どもの変化がよいほうに向かっていくことで証明されていくのです。
対象者と接するなかで、「この音楽療法でいいのか」「この方針は間違っていないのか」というような迷いや悩みは今でも日々痛感しています。ずっと模索し続けなければいけない仕事なのかもしれませんね。

取材協力

富山 美由紀

音楽教室「ミュージック・コア・ミユキ」主宰。日本音楽療法学会認定音楽療法士、同学会関東支部幹事、身延山大学特任講師。2017年に日本で初めて開催された第15回世界音楽療法大会において研究発表を行った。

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