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音楽療法士が仕事をするときの心がけ

音楽療法士が仕事をするときの心がけ

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さまざまな病状や問題を抱えている対象者と接することの多い音楽療法士は仕事をするときにどのようなことを心がけているのでしょうか。また、医療ではなく音楽で寄り添うからこそ気を配っていることはあるのでしょうか。ここでは音楽療法士が対象者と向き合い、音楽療法をするうえで心がけていることを聞きました。

ハートは熱く、頭はクールに

心がけ「ハートは熱く、頭はクールに」
心がけ「ハートは熱く、頭はクールに」

「ハートは熱く、頭はクールに」
これは、音楽療法士になるための面接試験のときに面接官の方に伝えた言葉です。音楽療法の仕事に限らず、人間関係やどのような仕事においてもすべてのことに当てはまると考えていて、私のポリシーでもあります。
情熱だけではどうしても客観的な視点がおろそかになりがちです。自己満足にならないよう、対象者に何がどのくらい必要なのかを見極めるために、冷静な目と頭で常に音楽療法に臨みたいと考えています。
さらに、焦らずに時間をかけてゆっくりと対象者に向き合うことも意識しています。ターミナルケア(病気などで余命が少なくなってしまった方に行う医療ケア)を必要とされる方と最初に話したタイミングでは多くの場合、精神的に落ち込み、ふさぎ込んでしまっていることがあります。誰に対しても心を開かず“拒否”の状態で、音楽療法どころか会話すら難しい状態のことも少なくありません。でもそこから、最初は小さなボリュームで控えめな音楽を流していると、だんだんと音楽のある環境に慣れてきたり、心がほぐれて自分の話しをしてくれたりするようになることがあります。すると、ほんの少しずつですが気持ちも前向きになってきて、「少しだけ足を動かしてみよう」とか「その次は歩くトレーニングに参加してみよう」とか、本当に少しずつでも変化がみられるようになります。
音楽は五感のなかでも、適切に選曲すれば“受け入れやすい”アプローチができるものだと思います。触れられることはとっさには拒否できませんし、視覚は目の錯覚でだまされることもあります。しかし、聴覚は思い出などの記憶とともに、直接感情に訴えかけられるものですよね。

「治療しているのではなく遊んでいるんだ」と楽しんでもらう

私は普段、対象者には音楽療法と言わずに、「みゆき音楽教室」と伝えている現場があります。その理由としては、私は治療をしているつもりであっても、対象者には「音楽で楽しく遊んでいる」という気持ちで気軽に参加しやすい環境を作りたいからです。
特に高齢者は、介護施設に入所することで自己評価が低くなりがちです。「なぜ子どものように童謡を歌ったり、こんなことをやらないといけないんだ」と感じてしまえば、音楽療法自体に嫌気がさして来なくなってしまいます。そうすると、自分の家や部屋に閉じこもりがちになり、体の機能が悪化して、精神面にも悪影響が及びます。そうなってしまうことのないように、音楽とは直接関係のないクイズで知的好奇心を満たし、楽しんでもらったりすることもあります。また、童謡ではなく、その対象者が好きなジャンルの音楽を聞いたうえで、音楽療法に利用することも多いです。多くの高齢者は、「ももたろう」のような童謡よりも、“民謡”の方が元気よく手拍子をしてくれることもあります。目的は「ももたろう」を歌うことではなく、手拍子で体を動かすことなので、対象者が楽しめる方法を常に模索しています。

取材協力

富山 美由紀

音楽教室「ミュージック・コア・ミユキ」主宰。日本音楽療法学会認定音楽療法士、同学会関東支部幹事、身延山大学特任講師。2017年に日本で初めて開催された第15回世界音楽療法大会において研究発表を行った。

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