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ショコラティエの1年目はどうだった?

ショコラティエの1年目はどうだった?

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チョコレートはとてもデリケートな食材なので、小さなミスや作業がすべてを台なしにしてしまう危険性があります。そのため、新人ショコラティエは一つひとつの工程を完璧にマスターすることが求められますが、ショコラティエとしてデビューした後、どんなことに気をつけていけばよいのでしょうか。

教えてもらった作業を次は完璧にできることが最低条件

新人ショコラティエは、先輩から指示された計量業務と補助業務を担当しながら、チョコレート菓子作りの基本を学んでいきます。最初は簡単なことから覚えていきますが「これは簡単だから」と安易にとらえないようにしましょう。
それはなぜかというと、小さなミスが時間をかけて作ったチョコレート菓子を台なしにしてしまう危険性があるからです。新人ショコラティエは、一つひとつの工程や作業を正確にマスターし、一度教えてもらったことは、次に完璧にできるようになることが大切です。
例えば、先輩ショコラティエから「43度まで温度を上げて」と指示されたときのポイントは「43度まで温度を上げる」こと。とてもシンプルですが、このときの温度は42.5度でも44度でもダメなのです。わずかに温度が違うだけで最高品質のチョコレートを完成させることはできないからです。また「300gを計って」と指示を出されたときも「1gくらい多くてもいいや」といういい加減な感覚では、ショコラティエはつとまりません。
さらに、一度したミスを二度繰り返さないことも大切です。学生時代に先生やご両親に同じことで二度三度怒られた経験がある人は、周囲の人に言われたことを守り、同じ理由で怒られないことがショコラティエにとっての基本姿勢と認識しておきましょう。
指示されたことを忠実に守っていく……。こうした繰り返しの中で、早い人はショコラティエになって半年から1年目で、簡単な作業は一人で任されるようになります。

与えられた仕事を確実に全うする新人ショコラティエ

新人ショコラティエの1年目は、先輩から指示された計量業務と補助業務を担当しながら、さまざまなことを見て覚える時期です。新人にいきなり難しいことを任せることは少ないので、まずは与えられた仕事をきっちり全うする日々が続きますが、単純作業が続くからこそ集中力や根気が必要です。
また、ちょっとした勘違いでミスを犯してしまうこともあるので、ときには先輩から叱られることも覚悟しておきましょう。そのときにくよくよせず、どうしたら次はミスしなくて済むかを前向きに考えていくことも、ショコラティエにとっての大切な素養です。
そこで、集中力や根気を維持し、前向きな姿勢を保つ秘訣として、自分だけの「メモ」を用意するようにしましょう。チョコレートお菓子作りの基本を学んでいる時期は覚えることがたくさんあるので、ポケットに入るサイズのメモ帳を用意して、ポイントや忘れてはいけないことを常にメモしていくようにしましょう。その日に書いたメモを1日の終わりに復習するようと、同じミスを繰り返さないようになりますし、メモの数が増えれば増えるほど、自分が確実にステップアップしている実感を得ることができます。

取材協力・監修

宮原美樹※2020年8月26日更新

手作りチョコレート専門店 ショコラティエ・ミキ オーナー・シェフ・ショコラティエ。 チョコレートメーカーで開発業務に携わったあと、2006年ショコラティエ・ミキをオープン。 2008年にはフランスで開かれた「サロン・ドゥ・ショコラ」に出展。2009年 著書『CHOCOLATE BOOK』(主婦の友社)刊行。 2013年、2014年 フランスの最高峰のショコラ専門ガイドブック『LE GUIDE』に、日本を代表する10軒のショコラティエとして掲載される。

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