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大学教員の20年後、30年後はどうなる?

大学教員の20年後、30年後はどうなる?

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大学教員の仕事はAIの進化により何か影響を受けることはあるのでしょうか。教育の現場では、授業や学生への指導をAIにまかせることはまだまだ考えられないようですが、20年後、30年後に想定されている少子化へは、すでに危機感をもって対策している大学が多くあります。

AIの進化により雑務が減ると、大学教員は授業と研究に専念できる

未来のイメージイラスト
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大学教員のメインの仕事は教育と研究です。これらはいずれも、すべてをAIにまかせることができるわけではありません。大学教員の仕事がAIの進化により楽になることがあるとすれば、事務処理などでしょうか。
大学教員は授業で使用する資料や、研究のための助成金である「科研費」に応募するための書類の作成、新しい授業が始まる前にはシラバス作成などに手間がかかります。これらの煩雑なペーパーワークをAIに手伝ってもらうことができれば、教育や研究により多くの時間を割くことができます。
研究の分野では、学生の希望に沿った研究の資料を探す手伝いをしてくれることも期待できるかもしれませんが、それは理念として難しいかもしれません。研究環境を下支えしてくれること自体は、私個人としては大歓迎ですが、教育は人が人を育てるものでもあるので、最終的には人間が動かないといけないのではないかと考えています。

少子化への危機感はすでにある! 生徒の争奪戦が始まっている

大学教員の20年後、30年後を考えたときに、AIの進化以外に考えられることでは「少子化」があります。むしろ、AIの進化により得られるメリットよりも、少子化によるデメリットのほうが大学経営には大きな影響があるのではないでしょうか。20年後、30年後どころか、すでに少子化の影響は大学を襲っています。すでに少なくなりつつある学生の争奪戦が始まっているのです。
例えば、私が勤務している大学は芸術系ですが、芸術系大学に進学する学生は、大学生全体の約3%程度しかいないと言われています。ただでさえ少子化の影響で少なくなっている学生の中で、3%しかいない芸術系志望の学生の数は本当にわずかです。そのため、日本全国の芸術系大学は自分の大学を選んでもらえるように工夫をしなければなりません。著名な国立大学や、人気の高い私立大学であれば、そこまで頑張らなくても選んでもらえるかもしれません。しかし、地方の芸術系大学ではそうもいかないのです。大学教員と事務員が一丸となって広報活動を行い、大学の存在をアピールする必要があります。
大学側としても、大学教員を採用する際に、大学のある地元出身の教員を採用せずに、東京から一芸に秀でたおもしろい人を採用して特色を出すこともあります。「おもしろい講義をしてくれる先生がいるからこの大学に進学する」というように、動機になりそうなフックを意識的に増やしています。
さらに、学生が大学を選ぶうえで「就職率」も大きなポイントとなりえます。学生の就職率を上げ受験生にアピールするためにも、大学教員は自分の所属する学部の学生に、就活状況の確認しアドバイスをすることなども求められています。

取材協力

トミヤマユキコ

ライター/大学講師。早稲田大学法学部、同大大学院文学研究科を経て大学講師に。少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当している。ライターとしては『小説すばる』『yomyom』『エル・グルメ』などで日本の文学・マンガ・フードカルチャーに関する連載を持つ。著書に『夫婦ってなんだ?』『40歳までにオシャレになりたい!』『大学1年生の歩き方』など。

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