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人間科学ではこんな研究をしています

社会という枠組みの中で、他人とかかわることによって人の心理や感情、行動がどう変わるのかといったことを研究する社会心理学。その中で私たちが焦点を絞っているのが、裁判員裁判です。人はどのように量刑を決めるのかといったテーマや、事件や事故が起こったときのマスコミの非難対象の変遷などを研究しています。(大阪大学人間科学部 綿村英一郎准教授)

※このコンテンツは2018年の取材に基づき構成しています

裁判員裁判に焦点を絞り、人の心理や感情、行動の変化を研究

集団の中での人の心理を解き明かす

人間科学の中でも、社会心理学を専門に研究しています。社会心理学とは、社会、つまり他者との関係の中で、個人の思考や感情、行動がどうなるかを研究する分野です。皆さんも覚えがあると思いますが、誰かと一緒にいるときには、気遣いをしたり周りの目を気にしたりすることで行動が変わったり、知らず識らず意見が引っ張られていたり、あるいはいつもならとるはずのない行動をとってしまったりといったことが起こります。1人でいるときと集団でいるときとでは、その心理に大きな違いが現れるのです。さらに、その集団の大きさや、他人なのか友人なのか、といった構成によってもまた変わってきます。
こうした心理、行動の変化について、実験やアンケート、データ分析などによって解き明かしていこうとするのが、社会心理学です。

社会心理学について語る大阪大学人間科学部 綿村英一郎准教授

人はどのように人を裁くのか

その中でも私が研究しているのが、裁判での量刑判断についてです。日本では2009年に裁判員制度が始まり、一般人、言い換えると法律の素人が裁判に参加するようになりました。では、法律について詳しくない、これまでの判例についての知識もない人々は、どのように刑を決めるのでしょうか。なかでも、死刑と終身刑のように、人の生死にかかわる判断の場合、その決定にはどんな心理が働くのかといった点に注目しています。
さらに、事件や事故が起こったときのマスコミの報道についても研究しています。事件が起こったとき、マスコミは単に事実を報道するだけでなく、その被告を厳しく非難することがあります。まだ罪を犯したと決まったわけではなくても、そうだと決めつけたような報道はよく目にするところです。しかも、マスコミが非難するのは何も罪を犯したとされる側だけではありません。被害者がバッシングされることも少なくないのです。また、これが事故だった場合も、なんらかの非らしきものをみつけると、鬼の首でも取ったようにその一点に非難が集中することがあります。こうした非難対象の変遷はどうして起こるのか、どのように変遷していくのかといったことを明らかにしようと、研究しています。

取材協力:大阪大学人間科学部 綿村英一郎准教授

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