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  • 井上 稔浩さん(調理師本科(1年制)/シェフ)

大阪府認可/専修学校/製菓衛生師養成施設指定申請中/大阪

ツジチョウリシセンモンガッコウ

先輩の仕事紹介

地域の食材や文化を、ここでしか味わえない美食に昇華させた「里浜ガストロノミー」。めざしたのは、旅の目的地となるレストランです

シェフ
調理技術マネジメント学科(2年制)/2005年卒
井上 稔浩さん

この仕事や研究の魅力・やりがい

イタリア料理店『ペシコ』は、ミシュラン一つ星と『RED U-35』でゴールドエッグを獲得したことで、多くの人々に認められました。このレストランの魅力は、他にはない独自のコース料理と、その背後にあるストーリーテリングです。「浜辺の散歩」「波紋のように」など、メニュー名自体がイマジネーションをかき立て、一本の映画のような流れの料理を提供しています。また、『ペシコ』のコンセプトは「里浜ガストロノミー」。これは美食を文化の面からも探求することを意味します。地方の生産者が手塩にかけて育てた食材は、その土地の個性が表れた宝物。地域の素晴らしい食材を次世代に引き継ぎ、地域経済をサポートすることが目標です。

この分野・仕事を選んだきっかけ

私の実家は祖父が立ち上げた生鮮スーパーで、祖母が惣菜部門、父が鮮魚部門を担当する家族経営でした。幼い頃から父と一緒に市場や釣りに行くことが日常で、中高生の頃には、自分で釣った魚をさばいて、スーパーで売ることもありました。その中で、父の選んだ魚を料理人として扱いたいという夢が芽生えました。また、祖母から「手に職があれば食いっぱぐれない」という言葉を受け、料理人への道を歩むことを決意しました。そこで高校卒業後は、大阪の辻調理師専門学校に進学したのです。

2021年にジャパンタイムスデスティネーションレストラン発表まえに辻芳樹校長が来店

学校で学んだこと・学生時代

田舎から出てみたいという思いもあり、大阪の辻調理師専門学校へ進学しました。専門学校では、1年間で和洋中の料理を学びました。実習は楽しい思い出で、普段出会えないような食材にふれ、幅広い教養を身につけました。学校に通うことで、教養を得る機会が平等に提供されることに感銘を受けました。一方で当時の私は真面目な学生とは言えず、洋服や音楽が好きだったので、アルバイト代もほぼ遊びに使っていました(笑)。しかし先生方や学生仲間、現場の緊張感が、学生時代に料理の基盤を築くための貴重な経験となりました。

『多比良ガネ』

分野選びの視点・アドバイス

専門学校を卒業後、エスニックのカフェや居酒屋でアルバイトをしながら、料理との触れ合いを楽しんでいました。自分が提案した料理がお客様に喜ばれる瞬間が、私にとって魅力的でした。その後、アジアを旅し、現地のストリートフードを堪能する経験は、異なる文化や料理に触れ、自分の視野を広げるきっかけとなりました。旅を通じて、日本国内では得られないものがあることを実感し、食に対する情熱を深めました。挫折やもやもやとした時期があっても、料理を通じて自分自身と向き合い、自分の「好き」を大切にすることが重要です。どんどんチャレンジし、異なる視点から分野を選ぶ勇気を持ってほしいと思います。

『食猟師からのお便り』

井上 稔浩さん

pesceco(ペシコ)オーナーシェフ/調理技術マネジメント学科(2年制)/2005年卒/長崎県出身。長崎県立島原工業高等学校から大阪・辻調理師専門学校に進学。2005年の卒業後、大阪・北新地の寿司店に就職するも、1カ月で退職。大阪・南船場でエスニック料理を手がけるカフェでアルバイトをしつつ、アジア各国を旅する生活に。地元・島原市に戻り、2009年に父親と『お食事処いのうえ』を開業。2014年に独立し、イタリア料理店『ペシコ』をオープン。2018年の移転を機に、「里浜ガストロノミー」を打ち出す。

※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。

この先輩が学んだのは…

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