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アクチュアリーという仕事はイギリスのロンドンで発祥したといわれ、海外では日本の数倍の人数のアクチュアリーがいて、その知名度や地位も高くなっています。日本の企業からも多くのアクチュアリーが海外で活躍しています。損害保険会社のあるアクチュアリーの話を紹介しましょう。
資格は日本で取得しても海外でそのまま通用する
アクチュアリーの資格試験は各国アクチュアリーの協会がそれぞれおこなっています。世界的な連盟や業界があり、そこに加盟している協会の認定試験に合格したのであれば、万国共通でどこの国でも働くことができます。
たまに、アメリカなどの海外の試験制度で資格をとっている人がいますが、外資系の会社で働く場合に日本だけではなく海外でも働きたいため、みくびられないように取得をしているようです。
損保業界の話でいえば、まさにここ10年ぐらいは積極的に海外展開をおこなっているので、海外で働きたいという人にはチャンスがあります。実際に、あるアクチュアリーが勤務する会社の場合では海外の研修制度があり、自分で手を上げてチャレンジできる環境のため、興味がある人にとっては魅力的だといいます。
業界として、そのままの資格で海外でも仕事ができますから、子会社にいったり、提携している会社にいったり、活躍するフィールドは広がっています。日本は特殊マーケットで、海外に比べると保険会社の数が少ないですが、海外では大きな保険会社はいくつもあり、欧米やアジアなどではアクチュアリーの位置づけが高いのでどこにいっても活躍できることでしょう。
リスクとリターンを考えた海外展開でもアクチュアリーは必要
イギリスのロンドンは保険発祥の地であり、金融が強く、先進的な取り組みもどんどん発表されています。アメリカでは、年次大会といってアクチュアリーの学術的な発表やコミュニケーションの場があります。アジアだとシンガポールや香港などでさまざまな取り組みがおこなわれています。中国は特殊ですが当然ニーズはあるので、これからマーケットが開き出すという位置づけです。
海外展開の多い損保としては、どの地域でどんなリスクをとっていくかということが大切なので、数値化ができるアクチュアリーの採用が増えていますし、海外に進出できるアクチュアリーが必要とされています。
例えば、統計の教科書では、一つのカゴに卵をたくさん入れておくと転んだときに全部割れてしまいますが、カゴを分けておけば転んで一個割れても他のカゴの卵は無事だと教えているように、リスクのためにはしっかり分散しておくことが大切です。もし日本で大災害が起きてもイギリスやアメリカで安定的に稼げれば会社全体としてはつぶれないし、一定の中長期で見れば稼げているということが重要だからです。
カゴを増やせば当然管理コストがかかります。カゴを買うお金もかかるので分ければ分けるほどコストがかかりますが、どのぐらい分けるか、また、どこに分けるかも十分に検討しなければなりません。その点では海外など運用が違うところでどう稼ぐか、そこにはリスクがどれだけあるかを見極めて分散させることが大切です。
今後も損保は積極的に海外展開に力を入れていくことになるため、アクチュアリーはますます必要とされるでしょう。