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薬剤師の20年後、30年後はどうなる?

薬剤師の20年後、30年後はどうなる?

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2003年、国は医療の質を向上させるため、薬剤師教育に力を入れて薬学部の新規開設の規制緩和を行いました。2022年時点で薬学部・薬科大学の数は国公立私立合わせて75を超え、毎年多くの薬剤師が誕生しています。
その結果、今度は将来的に薬剤師が過剰になるといわれるようになりました。実際のところはどうなのでしょうか。

薬剤師不足といわれていた時代

医薬分業が進むにつれて薬局やドラッグストアの数が増加してきました。厚生労働省の調査では、2011年度末時点で薬局の数は約5万5000軒だったのが、2021年度末時点では約6万2000軒となっています。薬局が増え、それぞれが処方箋対応するために薬剤師を雇用しています。
正確性を要する緻密な作業を行う職業であることから、薬剤師一人が一日あたりに扱うことのできる処方箋枚数は法律で定められています。多くの患者が来局する可能性のある薬局では、大量の処方箋に対応するためにたくさんの薬剤師を確保しています。
これらの理由がかけ合わさり、長い間薬剤師不足が懸念されてきました。
※出典:厚生労働省「平成24年度衛生行政報告例」「令和3年度衛生行政報告例」

薬剤師は本当に過剰なのか

国はこの問題を解決するために、特に学生を対象にさまざまな施策を打ってきました。代表的なものは薬学部そのものの増設や4年制から6年制への変更など、門戸を広げるとともに専門的な知識を身につけた薬剤師の創出です。
厚生労働省の調査によると、2020年時点での薬剤師の数は約32万人。薬学部への入学者数を考慮すると、今後も薬剤師の数は増加していくことは確実です。すると今度は「将来的に薬剤師は過剰になる」という声があがるようになりました。薬剤師の求人自体は増加傾向にありますが、毎年平均8000~9000人くらいの薬剤師が誕生している点を考えれば、需要と供給のバランスが崩れてきていることは明らかです。しかし、県別に薬剤師数をみてみると状況はまた少し変わってきます。
※出典:厚生労働省「令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計」

ほぼ飽和状態の都市部と人手不足の地方

厚生労働省「令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計」によれば、人口10万人に対する薬剤師数は東京都が一番高く、376.2人となっています。その後は徳島県、大阪府、兵庫県と続き、上位のほとんどが政令指定都市のある都道府県です。一方で沖縄県165.7人、青森県189.4人、福井県194.2人と、地方はまだまだ不足状態にあるのが現状です。
 データを見ていくと地方での需要はいまだに非常に高く、20年、30年後にはまだまだ必要とされていると考えられます。首都圏で働くことは厳しくなるかもしれませんが、全体としてみるとまだまだ薬剤師は不足しているというのが現状といえるでしょう。

地方での発展性

2015年に厚生労働省が行った調査によれば、人口10万人に対する薬剤師数は徳島県が一番高く、210.9人となっています。その後は東京都、兵庫県、広島県と続き、上位のほとんどが政令指定都市のある都道府県です。一方で沖縄131.0人、青森133.8人、福井140.5人と、地方はまだまだ不足状態にあるのが現状です。
 データを見ていくと地方での需要はいまだに非常に高く、20年、30年後にはまだまだ必要とされていると考えられます。首都圏で働くことは厳しくなるかもしれませんが、全体としてみるとまだまだ薬剤師は不足しているというのが現状といえるでしょう。

超高齢社会と薬剤師

調剤薬局勤務の薬剤師は薬局を訪れる患者に薬を処方するだけではなく、老人介護施設などの入居者への薬の調剤や納品も行っています。高齢者の増加に伴い、在宅診療時に薬剤師として医師に同行したり、医師への処方提案、患者宅に薬を届けるといった業務も増えていくでしょう。
また、休日の大型ショッピングセンターや駅ナカなどでの健康イベントでも、薬の相談室など薬剤師の知識が求められることが増えてくるかもしれません。

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