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リハビリを通して、失語症の患者さんが少しずつ話せるようになったり、発達障がいの子どもが周囲とコミュニケーションを取れるようになったりと、自分がリハビリを担当した相手に変化が見られたときに何よりのやりがいを感じるそうです。
リハビリの内容は患者さんの状態や性格などによっても変わるため、絶対的な正解というものはありません。また、すぐに変化が見られるということは少なく、時間をかけてじっくり取り組むことになります。そのため、リハビリは試行錯誤の連続で、困難や悩みにぶつかることも多いですが、だからこそ結果が出たときには大きな達成感とよろこびが待っています。
生きるよろこびを取り戻す手助けができる
「話す」「聞く」といったコミュニケーションを通して人と精神的につながり合うこと、そして「ごはんをおいしく食べられること」は、人間誰もがもっている根源的な欲求です。それが困難になるということは、生きがいを失うことだと言っても過言ではありません。そうした絶望の中にある人たちの気持ちに寄り添い、伝え合うための手段を示し、生きるよろこびを取り戻す手助けをすることが、言語聴覚士に期待される役割であり、一番のやりがいと言えるでしょう。
患者さんの社会復帰をサポートできる
例えば失語症の患者さんの場合、人が話していることは聞こえているけれど内容がうまく理解できない、言いたいことがあるのに言葉にならない、自分が気づかないうちに言い間違えをしており意図と異なる方向にコミュニケーションが進んでしまう…といった困難を抱えています。そのため、周囲との意思疎通がはかれず、人間関係をうまく構築できないといった事態が生まれます。これは、本人はもちろん、一緒に生活をする家族にとっても辛いことです。
また、患者さんの中には、失語症になる前はバリバリと仕事をしていたのに、そのような状態では仕事もままならず、経済的な不安に直面する人もいます。そうした人が訓練や指導によってできることを増やし、「生活に自信がもてるようになった」と笑顔を見せてくれるときが、言語聴覚士にとって何よりうれしい瞬間です。
「人のために働く」という実感がもてる
言語聴覚士の1日は、患者さんを相手にしたリハビリの時間がメインです。自分が考えたプログラムによって患者さんにどんな変化が起こるのかを間近で見つめることができるのは、そのまま「この人にためにもっと頑張りたい」という仕事のモチベーションにもつながるようです。
変化を一緒によろこび合える
「病気をしてからまったく言葉を発することができなくなってしまった患者さんが、『おはよう』と初めて会話する瞬間に立ち会うことができたのがとてもうれしかった」と語る先輩も。患者さんのよろこぶ顔を見られることで、自分も笑顔になれる。このような体験ができるのも、日々、リハビリを通して患者さんに寄り添う言語聴覚士ならではでしょう。
患者さんと深くかかわることができる
患者さんに合ったリハビリプログラムを考えるためには、病歴や今の状態はもちろん、性格や趣味・嗜好、家族構成、置かれている社会的環境、これまでどんな人生を歩んできたのかまで理解することが大切です。そのため、必然的に患者さんやそのご家族とのコミュニケーションは密なものとなり、リハビリを進めるにつれ絆を深めていけることもこの仕事ならではのやりがいです。
専門性を発揮できる
「話す」「聞く」「食べる」のリハビリの専門家である言語聴覚士は、歩く・立つ・座るなど基本動作のリハビリを担当する理学療法士、日常生活にまつわる作業全般(入浴・料理・洗濯・掃除、スポーツやレクリエーションなど)のリハビリを担当する作業療法士に比べ、より狭い範囲で専門性を発揮できることが特徴です。そのため、周囲の医療スタッフに頼られるシーンも多く、仕事に長く従事するほどにその専門性を深められ、自身のスキルアップやキャリアアップにつなげられることを魅力だと感じる人もいるようです。
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