幼稚園の頃からピアノを10年間、高校からはドラムに転向し、音楽活動を続けてきたという高原さん。芸術表現の方法は一つではないことに気づき、大学では油画を学ぶ高原さんに、多摩美での日常を語ってもらいました。
絵画学科は、実技の授業をアトリエで行います。年に4~5回ある講評に向けて、試行錯誤しながら作品制作に取り組んでいます。多摩美の油画専攻は人数が多く、さまざまな方面に興味・関心を持つ人が大勢集まっているので、刺激を受けながら制作活動ができます。制作に没頭したい時間もありますが、アトリエのスペースで他愛のない雑談から真剣な作品の話まで、友人と語り合う時間が大好きですし、制作の原動力にもなっています。
多摩美の図書館の蔵書の多さは行くたびに驚くほど!読書家とは言えない私ですが、美術関連の本に特化しているので、ここはよく利用しています。特に海外のアーティストブックはビジュアルを見るだけでも楽しくてお気に入り。時代とともに美術の在り方も変わっていく中で、同世代の作家たちの活動を知ることは刺激になるとともに、ペインティングの枠にとらわれない自由な表現方法に触れることで、自らの創作のヒントも得られます。
油画を専攻する私ですが、多摩美で学んでいるうちに、芸術の表現はキャンバスと絵具だけではないことを知りました。特に戦後の日本で広まった具体美術と呼ばれるアート活動に影響を受け、最近では足などで絵を描くアクション・ペインティングや、パフォーマンスを定点撮影してモニターで流したりするインスタレーション・アートにも挑戦しています。全学共用のメディアセンターで制作に使うビデオカメラを借りる機会も増えました。